新潟中越地震から8年
8年前の今日、午後5時56分に新潟県中越地方を震源に最大震度7を記録する大地震が発生しました。死者68人…改めてお亡くなりになった方々に哀悼の意を表したいと思います。
震源の浅い直下型の場合、たいがいマグニチュードと最大震度が同じくらいになります。この中越地震でも、直下型深さ13キロでM6.8ということで、震源近くでは当然大変な揺れになりました。余震活動も非常に活発で、本震後5日間で震度6以上を4回も記録しています。被災された住民の方々には大変な恐怖であったことと推察されます。
長野県北部から新潟県中越にかけては、地震国日本の中でも特に歪みのたまりやすい地域です。東日本大震災の際にも誘発地震が発生しましたし、最近も群発地震がありました。
発震の頻度のみ見ると、他地方よりも比較的小出しにしているように見えますが、歪みがたまるスピードが早いために、周辺地域を含めると10年一度くらいの割合で被害地震が発生しています。
そう考えると、やはりあの柏崎刈羽原発は危ないですね。危なすぎます。この8年前の中越地震では直接の被害はなかったとのことですが、3年後の中越沖地震では変圧器が火災を起こし、少量の放射性物質が放出されていたことも確認されました。
考えてみれば、3.11の誘発地震である3.12の長野県北部地震の震源がもっと北にずれていたらとか、あるいは2007年の中越沖地震が発生していないで歪みをためたままだったらなどと考えると、そら恐ろしくなりますね。福島だけでなく新潟という言葉も世界に通用するようになっていたかもしれません。
いや、あの東北地方太平洋沖地震の最大余震(誘発地震を含む)はまだ発生していないというのが私の考えですので、各地方、特に原発を抱える地方はまだまだ安心できません(永遠に安心できないのですが)。
さて、ちょうど昨日、今日と、海外からも地震にまつわる気になるニュースが入って来ました。
一つは、昨年5月のスペインの被害地震が、地下水の汲み上げによって誘発された可能性があるという説が発表されたというニュース。
これは当然ありえますね。そして、これから連想されるのが、まずは富士山の地下水汲み上げ。たとえば、こちら「水戦争の世紀」にも書きましたように、とにかく富士山麓での地下水の「濫用」はひどい状況です。
これが富士山の火山活動や周辺の地震活動に影響を与えないと考えるほうが難しいでしょう。いや、もしかするとそれらの活動を緩和する方に働いているかもしれないという可能性も含めてですよ。そのあたりの研究というのは進んでいるのでしょうか。気になります。
先日、富士山の「水商売」の経営者の方とお話する機会がありましたが、その話を振ると「それは専門家にまかせている」とのことでした。商売人としては、まあ当然と言えば当然ですね。法に触れているわけではありませんから、別に私にいろいろと言われる筋合いはないでしょう。
それからもう一つ思い出されるのが、メタンハイドレート採掘の影響です。この記事に書いたとおり、これもまた影響ゼロとは言えません。非常に大規模な地震を誘発するおそれがあります。
続いてイタリアからは「地震予知失敗で学者らに実刑判決」というニュースも飛び込んできました。これもまた大変なことですね。ちょうど時を近くして日本の学会でも「地震予知は非常に困難」「予知と予測をしっかり使い分ける」という、ある意味では「逃げ」とも取れる談話が発表されました。
私の「予知」観についてはこちらに書いたとおりです。私はシロウトですから、予知をしても、あるいは予知を失敗しても方で裁かれることはないでしょう。
しかし、最近はなるべくこのブログやツイッターにおいて「予知」めいたことは書かないことにしています。それなりの圧力を感じるからです。シロウトでもそうなのですから、クロウトの方々はどんどん無口になっていくでしょうね。これはある意味恐ろしいことであります。
中越地震から8年。まさに中越地震自体については「忘れた頃」になろうかとしています。こういうタイミングにこそ、いろいろ基本的なことを考えなおすべきでしょうね。
Amazon 日本人は知らない「地震予知」の正体
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