高橋達也と東京ユニオンの「南京豆売り」
明日、我が中高のジャズバンド部のリサイタルがあります。浅草ジャズでグランプリを獲るなど、今や日本を代表する学生バンドの一つとなったムーン・インレット・サウンズ・オーケストラの10回目の記念リサイタルです。
この10年での活躍は本当に素晴らしかった。ある意味では原信夫にシャープス・アンド・フラッツの解散を決意させてしまったくらい、日本のビッグバンド界に大きな影響を与えた…かもしれません。
逆に言えば、プロのビッグバンドには非常に厳しい世の中になった10年とも言えます。かつて20以上あったプロのビッグバンドは今、おそらく一桁(もしかして片手で収まる?)になっているのではないかと思われます。
森敏夫とブルーコーツ、見砂直照と東京キューバンボーイズ、宮間利行とニューハード、小野満とスウィングビーバーズ、スマイリー小原とスカイライナーズ、松岡直也とウィシング、岡本彰夫とゲイスターズ、高橋達也と東京ユニオン、原信夫とシャープスアンドフラッツ、三原綱木とニューブリード…。
彼らが戦後のジャズ界のみならず、歌謡界など、音楽界全体を支えてきたのは言うまでもありませんね。しかし、音楽が極個人的なものになり、また電子的なものに変化(進化)した結果として、彼らビッグバンドの活躍の機会はどんどん減少してしまいました。
そんな事情の中、消えてしまったビッグバンドの中でも、忘れられない存在の一つが「高橋達也と東京ユニオン」でしょう(高橋さんも4年前に亡くなってしまいました)。歌謡曲のバックバンドとしても大活躍でしたし、ジャズ界でもモントルー、モントレー両ジャズ・フェスティバルに出演するなど、国際的な評価も高いバンドでもありました。
意外に彼らの残した音源は多くありませんが、今日はYouTubeで見つけたすごい演奏があったので紹介します。
どちらかというと、ラテンよりも8ビート系を得意とした彼らですが、この Peanuts Vender はバリバリのアフロ・キューバン・ナンバー。このラッパ隊はすごい!このレベルの人たちが集まって、美空ひばりからアイドルまで伴奏していたわけですから、たしかに演奏面においても、日本の歌謡曲は世界中どこに出しても恥ずかしくないですね。
職人的でもあり、芸術的でもあり、大衆的でもある。なんとも理想的な音楽世界が広がっています。では、どうぞ。
あっそうだ、私の教え子のお父さんは、かつてこのバンドのメンバーとしてバリバリに演奏していたそうです。すごすぎ。どの人だろう。
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