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2012.09.07

生きる力=死なない力(その2)

Img_5525 然教室(林間学校)から帰って来ました。二日目は飯盒炊爨などを体験。
 昨日の登山も含めて、学校現場としては当たり前な体験ではありますが、その当たり前の体験の中で、どこにポイントを置くか、どういう姿勢で臨ませるか、先生がどういう心構えでいるか、これは非常に重要なことです。
 今回の体験学習のみならず、私がいろいろな教育活動の中で何を考えているのか、子どもたちに何を伝えようとしているのか。これはこのブログをお読みの方には、おそらくなんとなく想像できるのではないかと思います。
 ここ数日のいじめや自殺に関するニュースを見聞きするにつけても、私は自分の考えが間違っていないと確信します。ある意味、そういうことに関して私のような物言いをするのは不謹慎だと言われるかもしれませんが、私は自分の信念は曲げない頑固な人間ですから、あえてここでもしっかり書かせていただきます。

 生きる力とは「死なない力」である。
 どんなことがあっても死んではいけない。
 死なないための力を身につけなければ。

 いじめはいかんとか、自殺に追い込むようなことはいかんとか、そんなことは当たり前の言葉です。しかし、実際には子どもの世界だけでなく、そういうことはなくならないのも事実じゃないですか。
 だから、期せずしてそういう事態に遭遇しても、死なないための強さや方策を持っているべきなのです。
 それは、忍耐力であったり、交渉力であったり、対抗力であったり、他人の力を借りる力であったり、受け流す力であったり、笑い飛ばす力であったり、本当にいろいろな要素が含まれます。
 そして、それは(擬似的なものも含めて)体験をしないと身につかない。スローガンの棒読みでは絶対に自分のものになりません。
 去年の年末に津波避難に関して生きる力=死なない力という記事を書きましたね。この考えは今でも全く変わりがありません。
 普通の学校、普通の先生なら、とにかく「安全」が第一ですよね。当たり前です。しかし、「安全」とは何かという定義は、本当は難しいのです。
 今、学校現場では「事が起きないこと」こそが「安全」だと思われています。そのために「危険」は極力避けるべきで、最初からそういうモノには近づかないというのが基本姿勢となっています。
 今日も施設の方と話しましたが、生徒にナタを持たせないとか、火を扱わせないとか…それでいったいなんの林間学校なんでしょうね。
 山登りしてプチ遭難するくらいがちょうどいいんですよ。怒らないでくださいね。夏の低山での話ですよ。全て計画通り「無事」にすめばいいというものではありません(結局無事でしたけど)。
 学校における「安全」とは、「安心して全うできる」ことだと、私は考えています。
 私が学校説明会などでいつも言わせていただいていることをここにも書きましょうか。
 「子どもが成長するのは、悩み、苦しみ、衝突し、迷い、痛みを感じる時だけである。心地良い楽しいだけの学校生活には実は成長はない。心の成長痛や筋肉痛は歓迎すべきもの。本校は、生徒が安心して悩み、苦しみ、衝突し、迷い、痛みを感じるのできる場を提供する」
 この理想の実現のためには、教師と生徒ととの絶対的な信頼が必要なのは言うまでもありません。そして、教師の「覚悟」。全ての責任を負う覚悟です。手前味噌ですが、ウチの学校にはそれらが当たり前にあると信じています。
 2年生が自然教室で「想定外」や「不随意」と格闘している間に、3年生は田んぼで稲の世話をし、ペットボトルロケット飛ばし大会をしたようです。これまた、「想定外」や「不随意」との戦いですね。自然は全てそういうモノです。
 結局、私たちは自然(人間や物も含む)と体験的に付き合って、「生きる力=死なない力」を学んでいくしかないのですね。教科書に書かれているコトやお題目のコトだけを理解してもダメなのです。
 さて、次はどういう「体験」の機会を作ろうかな…。

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コメント

素晴らしいです!
子供に身につけて欲しい力は、生きる力=死なない力!その一言に尽きると思っています。

ところで、先生が自然教室で行かれた施設は、大学時代に野外活動という集中講義で行った思い出の場所です。5泊6日の内90%雨に降られていた、ものすごくウェットなキャンプ生活でした。(キャンプ場を使いました。)粛々とこなされたプログラムも全て雨の中。雨ゆえに友情も深くはぐくまれました。協力しないとご飯も炊けなかったので(笑)
中でも鮮烈な思い出は、飯盛山登山の計画が降り続く雨のため、中止ではなく、「登山中に豪雨に降られ、ブルーシートにくるまって一夜を明かす」というプチ遭難の疑似体験に急遽決定し、遂行されたこと。素晴らしい想定外を、あの教師陣が体験させて下さったのだと、今更ながら感謝しています。ビバ、都留文科大学!
お陰で、その後どこで雨に降られても、体が処し方を知っていてくれるので、全くひるまなくなりました。

貴校の生徒さんたちが自然教室で体験したものは、先生方の覚悟や大きな「愛」の内に積み重ねられたものだと理解できるようになるには、時間が必要かもしれませんが、子供達の瞳の中に確実に刻まれていくことでしょう。

貴ブログには、盛り沢山のウンウンと頷ける記事が多く、いつも心の中で絶賛コメントしていました。今回はつい長いコメントを書いてしまいました。すみません。

心も「死なない」というより、「活き活きと生きる」ことが心地よく幸せと感じられる人生を、また、想定外さえヒラリと乗り越えて歩むことが出来たら愉快ですね。そんな理想を掲げ、親子共々精進?の毎日です。

by lovealoha

投稿: 吉野 準子 | 2012.09.09 12:11

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