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2012.08.22

子どものケンカに親が出るな!…式亭三馬「浮世風呂」より

Specjoinimg06 日は甲府で研修。県内の私学の先生方が集まりました。今年は本校が当番校ということで、少し緊張気味。
 午前中の全体講演は、江戸東京博物館の竹内誠館長による「江戸の社会と文化に学ぶ教育の在り方」。本校の理事長がどうしても皆さんに聞いていただきたいということで招聘いたしました。
 これが実に面白くためになりました。私も前々から江戸の教育については興味があり、竹内先生の本も読んだことがありましたが、今日のお話はよくまとまっており、また新しい視点も多く含まれていて、心から楽しみつつ勉強することができました。
 いろいろなお話があり、様々な資料を提供していただいた中で、やはり最も心に残ったと言いますか、これこそ生徒の親御さんに読んでいただきたいなと思ったのが、この「浮世風呂」の一節です。
 子供どうしがケンカをしているところに、一方の親が出てきて我が子の味方をし、相手の子供を怒っている様子を、別のおばさんたちが見て評しているシーンです。

「こはいおかみさんだネエ。ほんにほんにおつかない」 「さようさねエ。一体また、子供の喧嘩をとり上るは悪うございます。すべて手まへの子に利を付ては済みません」 「ハイサ、さようさ。私どものあたりでも泣て来ると叱ります。云告口をとり上ては方図がございません。利も非も構はず我子をしかるのが一番能うございますよ」    現代語訳 「こわいお母さんだねえ。本当におっかない」 「そうだねえ。とにかく子供のケンカについて親がとやかく言うのは良くありません。どんな時も自分の子供の味方をしてはいけません」 「そうそう。私のウチでも子供が泣いて帰ってくると叱ります。子供の告げ口をいちいち聞いていてはキリがありません。良いも悪いも関係なく我が子を叱るのが一番いいんですよ」

 まったくそうですよね。江戸時代にも自分の子どもの言うことを鵜呑みにして、子どもと一緒になって相手を責めるの親がいたということでしょうか。まあ今どきのクレーマーのはしりっていうことでしょうな。
 先生に怒られてゲンコツをもらいウチに帰ると、今度は親に殴られる…なんてのは古き良き時代の話なのでしょうか。
 その他にもいろいろ考えさせられる江戸の事例が紹介されました。江戸の全てを正しいとしたり、あるいは過剰に美化するのももちろん危険ですが(悪い部分もたくさんあるので)、たしかに学ぶべき「知恵」というのもあるような気がしますね。
 これを機会に久しぶりに「浮世風呂」を読んでみようかと思いました。

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