『オカルト…現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ』 森達也 (角川書店)
うわぁ、忙しい忙しい…こういう時こそ「超能力」がほしい!「超悩力」は今はいらない(笑)。
今日、この本にも登場する世界的な超能力者が富士山麓にいらしていたそうでして、私は残念ながらお会いできませんでしたが、知り合いは謁見かなったとのこと。
その方々によれば、富士山自体が超能力パワーに満ちあふれているのだとか。じゃあ、そこに住んでる私はどんだけパワーをいただいているのか。
そうそう、先週でしたか、酔っ払ったついでに、その超能力者直伝のスプーン曲げを家族の前でやってしまいました。
直伝といっても、直接お会いして習ったということではありませんよ。ウン十年前、その方がテレビに出られて、そして電波に乗せて全国にパワーを送って下さったのです。そして、私の手にしたスプーンも見事に曲がったと。それ以来、スプーン曲げは私の特技の一つとなったのでした(笑)。
先週曲げたスプーンはこちら。
どうですか。見事に曲がっているでしょう。曲がりすぎ?w
指先一つでフニャっと曲がってしまったスプーンを見て、家族も最初はビックリしていました。しかし、さすがに家族全員分のスプーンがグニャグニャになる段になると、飽きてきたのか呆れてきたのか、しまいにはスプーンが使えなくなると怒り出しました。
そして、私は自分が曲げてしまったスプーンでカレーを食べることに(笑)。
そう、スプーンなんか曲げられてもなんの得にもなりません。損です。ちなみに私のスプーン曲げは、おそらくは超能力ではなくて、職人技の領域だと思います。別に念を入れなくてもできるし。
そういう意味では、私はいわゆる超能力を冷めた目で見ているとも言えます。ちょっとした予知(最近もあった)や、読心術や、プチ霊視みたいなものは、自分と相手がその気になれば、簡単にできますから、別に特殊な能力だと思ってないんですね。
なんて、こんなことを言うと、とっても怪しまれるし、センセーとして失格だと怒られそうですね。それもよく分かります。戦後の教育によって排除されたのは宗教も含んだ心霊学、つまりオカルトですから。
そう、戦中までは、まあ驚くほどにオカルトが一般的だったんですよね。教育者のみならず、政治家も科学者も文学者もみんなオカルトをオカルトだと意識せず、日常の中で信じ、利用し、楽しみ、恐れていたんですよね。
それが正しいとか正しくないとかではなく、事実としてGHQ(アメリカ)はそれを排除しました。あのアメリカが恐れた日本的オカルトの本性を、私は今とっても知りたく思っています。
もちろん、それは私の「モノ・コト論」の一部です。この本のサブタイトル「現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ」の「モノ」はまさしく私の言う「未知・不随意・外部」などを表す日本語の「モノ」です。「コト」の対義語。
この本はそうした「モノ」を「コト」化しようと試みた意欲作です。
戦前戦中までだったら、またちょっと違った感覚でとらえられていたであろう各種オカルト領域の生き残りたちに、森さん自身が実際に会って、その現象や本人の言動を考察したドキュメンタリー。森さん、具体的には「エスパー、心霊研究家、超心理学者、スピリチュアルワーカー、怪異蒐集家、陰陽師、UFO観測家、臨死体験者、メンタリスト」などに会っています。
はたして、そうした「物の怪」たちの言動や彼らが引き起こす現象の数々を「言葉」で捕獲できたのか。それは読んでみてのお楽しみです。
私はけっこう楽しく読めました。久しぶりにスプーン曲げやってみようと思ったのもこの本のおかげです(笑)。
そして、やっぱり、(自分も含めて)オカルトの超能力よりも、ボルトやイチローやキース・ジャレットや羽生名人の「超・能力」の方がずっとすごいなと思ってしまいました。
そっちの超能力も、実は戦後の学校からは排除されたのかもなあ…。先生自体も凡人(あるいはそれ以下)ばかりになってしまったし(苦笑)。
さて、もうスプーンなんか曲げてないで仕事仕事。普通の能力&悩力で頑張ります。
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