やっぱり危ないよな…東京電力のロゴマーク
昨日の「やっぱり変だよな…民主党のロゴマーク」に続きまして、今日は「やっぱり危ないよな…東京電力のロゴマーク(シンボルマーク)」です。
最近よく言われるように、なんとなく民主党と東電のマークって関係がありそうに見えますよね。
そう、東電の大きな赤丸(日の丸?)の中の二つの白い丸に、民主党のあれがはまりそうじゃないですか。実際には東電の方には重なりがないので、ぴったりははまりません。残念でした(何が?w)。
しかし、今思うとこの東電のマーク、ずいぶんと象徴的ですよね。まさにイコンとして機能している。
東京電力(TEPCO)のマークも大御所によるデザインです。民主党の浅葉さんに勝るとも劣らぬデザイン界の天才永井一正さんによる1987年の作品。
それまでの東電のロゴは稲妻をモチーフにしたものでした。ものすごく地味です。キャラクターのピカちゃんは覚えてますよね。とっても懐かしい。
昔はロゴにせよキャラクターにせよ、「自然エネルギー」の最たるもの「雷」がモチーフだったわけですが、1987年に今のロゴが生まれ、そして「でんこちゃん」も登場しました。
そうそう、でんこちゃん、原発事故のあおりを受けて今年春リストラされちゃったんですよね(涙)。ちなみにでんこちゃんは人妻です。正式なプロフィールは次のようになっています。
本名「分電でんこ」。電柱市電線町に住む。夫は技術系のサラリーマンで優しい性格の「分電盤太」。子供はいない。
四半世紀にわたり節電を呼びかけたりして(つまり東電の利益にならないことをして)世のために頑張ってきたのに…今頃どうしてるのかなあ。
で、でんこちゃんはたぶん人間で(すなわち自然で)、サイボーグとかロボットじゃないと思いますし、おそらくは何も悪いことをしてないと思うんですけどね、新しいロゴマークの方は、ちょっと因縁めいたエピソードがあるので紹介します。
もともと永井さんのデザイン意図は次のようなものでした。なんとなく民主党に似てますが。
「丸は和であり調和や信頼や温かさを象徴する」
もちろん「T」が内包されていますね。あるいは「日の丸」も意識されていたことでしょう。
しかし、面白いもので、次のような後付けの意味が加えられていくことになります。誰がどこで言い出したのか分かりませんが、東電社内でも実際にこのような解釈がなされていくわけです。分かりやすい、懐かしのアニCMがあったので御覧ください。
すなわち、大きな丸はウランを表し、中の白抜きは二つの中性子が飛び出した跡。上の三つの小さな丸は、二つはウランから飛び出した中性子、もう一つはウランに外からやってきてウランに衝突した中性子。それ全体でウランの核分裂反応を象徴しているというわけです。
1987年と言えば、東電の原発依存体質や原発利権構造も安定化した頃ですね。もともとは原子力をイメージしていなかったと思われますが、全く因果なものでして、いつのまにかこうしてイコンが本体たる東電自体の性格や運命を象徴するようになったわけですね。
先日、「考える」を考えるという記事を書きましたが、そこに「コト化によってコトを招く」というようなことを書きました。記号化とは「コト化」そのものです。そこに人間の意図以上の「何かの意思」が働くから「コト」は怖いのです。
イコン(アイコン)は常にそういう性質、つまり神か悪魔かのどちらかを招く性質があるということを私たちは忘れてはいけません(だからこそ、昨日書いたように民主党のロゴは心配なのです)。
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コメント
> 四半世紀にわたり節電を呼びかけたりして(つまり東電の利益にならないことをして)
ここは間違いです。
節電しようがしまいが、電力会社は儲かる仕組みになっています。
投稿: LUKE | 2012.07.24 03:26