「乃木坂浪漫」より太宰治三編
昭和23年の今日、太宰治は山崎富栄と玉川上水に入水しました。遺体の上がったのは19日ですが、おそらく今日が本当の命日でありましょう。
それにちなんで、今日は2年生の授業でドラマ「グッド・バイ」 私が殺した太宰治の前半を見せ、家に帰ってから、恋の蛍の6月13日周辺を読み直しました。
何度も書いているとおり、私の職場は太宰と縁の深かった場所に建っています。それも含めて、私は太宰と妙な縁があるように感じています。まあ、勝手な思い過ごしでしょうが(追記…実は夜寝てからいろいろ騒動がありました。たぶん太宰のせいです)。
私の太宰観はちょっと人とは違っており、それを太宰自身はあまり好もしく思っていないようですね(苦笑)。まあ、しかたない。作家の宿命ですよ。曲解されるのは。我慢してください。
今日も懲りずに、ちょっと斜めから太宰にまつわる「作品」を紹介します。いやいや、太宰は喜ぶかな。可愛い女の子好きでしょうから。
テレビ東京の深夜枠「乃木坂浪漫」です。ご存知ですか?
民放の深夜枠、時々こういう文学を扱うことがありますよね。今でも教材として使わせていただいているフジテレビの文學ト云フコトなんか代表的な例ですね。
地デジ化のおかげさまで、ウチでは以前観ることができていたテレ東が観られなくなりましたので、この番組はYouTubeで拝見させていただいています。
まあ、乃木坂46と近代文学という、なんともアンバランスな、いやいや、「乃木坂」ですからね、妙にマッチしているのかなあ、AKBじゃダメだもんなあ、いずれにしても、現代のアイドルと近代のある意味アイドルとの化学反応がなかなか面白い。
私はこういうの好きなんですよね。なぜなら、近代文学という化け物は、当時の近代人と我々現代人が勝手に作り出してしまったそれこそ化け物であって、実体はそれほど大したことない、せいぜい一過性のブーム程度に過ぎないと、まあ勝手に信じているからです。ですから、現代のアイドルが舌っ足らずで朗読しても全然気にならないどころか、おお、これこそ実はあるべき姿なのではないかなどと、本気で思ってしまうわけです。文学少年少女および青年その他の皆さん、ゴメンナサイ。
おそらくはこういう不遜な態度が太宰の気に入らないところなのでしょう。いやいや、ホントのことを言ってしまうところにイラッと、あるいはビクッとしちゃうんでしょうか(笑)。
ということで、今まで放映されたものの中から太宰治作品三編をご覧ください。案外いいですよ。やはり、本当にいいものは、どんな料理のされ方をしても動じないものです(…と、太宰自身をまたちょっと刺激してみたりして)。
「女生徒」 桜井玲香
「斜陽」 桜井玲香
「津軽」 生駒里奈
ここに聴かれる「空虚な近代日本語」は全くの現実であり、しかし不思議と残る「文学」の残り香もまた現実の中に生き続ける「虚構」の魅力そのものなのでした。
うん、やっぱり、文学は嫌いではない。ただ、決して立派なものではない。どちらかというとダメ萌えですね(笑)。
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