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2012.05.19

日食と天の岩戸伝説

↓皆神山の岩戸神社
Images うすぐ金環日食ですね。問題は天気。今のところあまり芳しくない。同じ曇りにしても、太陽が雲を透かして見える、あるいは雲間から時々太陽が姿を現すのか、それとも完全に太陽の姿が雲に隠されてしまうのか。
 大学時代なら、すぐに富士山に登ったところですが、今回は学校行事としての観測会も行いますから、そういうわけにもいきませんね。もうあとは祈るしかありません。
 祈ると言えば、日食と岩戸隠れ伝説の関係を思い出しますね。そう、日本神話における岩戸隠れと岩戸開き伝説を、実際の天文現象たる皆既日食を比喩したものであるという考え方があるんです。
 たしかに、今の我々は情報として、たとえば5月22日朝に金環日食が起きるということを「予知」していますが、昔の人にとっては突然の出来事。いきなり太陽が欠け始め、しまいには真っ黒になってしまう様子を見て、どれほど恐れたことでしょうか。
 おそらくは皆既が継続している数十秒間、あるいは数分間にわたって、皆で太陽の「復活」を祈ったことでしょう。そして、皆既が終了し、一条の光が差した瞬間の歓喜はどれほどだったか。そうした一連の「事件」が伝説となることは容易に想像されます。
 そうした点に注目して、天の岩戸伝説と歴史的な事実とを結びつける研究もなされています。
 たとえば、247年、248年と続けて起きたことが確認されている皆既日食と、卑弥呼の死および台与の即位を結びつけるものなど、なかなか面白いですよね。
 天文シミュレーションソフトが身近なものになり、シロウトでもかなり詳細に過去や未来の天文現象を確認できるようになったおかげで、歴史の謎が解かれようとしているとも言えますね。
 しかし、実はそんなに簡単には謎は解けないのでした。というのは、天文シミュレーションソフトには基本的な誤りがあるからです。
 我々シロウトが手に入れるそうしたソフトは、あくまでも現在のデータを元に製作されています。たとえば、地球の自転周期。現在、地球が1回転するのに必要な時間は約23時間56分4.06秒です。
 これがいつの時代も一定かというと、当然そんなことはありません。身近なところで言いますと、昨年の3.11の巨大地震によって、地球の自転は早くなり、1日の長さが1.8μ秒縮まったと発表されましたね。
 それ以前に、月の引力との関係で、地球の自転は基本的に遅くなっています。また、こちら古代の日食記録からの研究によるとによると、西暦500年頃と900年頃に急激に変化したことが分かるそうです。まあ、この研究は、今問題にしている「天文学から歴史学へのアプローチ」の反対の形であるわけで、結局その正確性は証明できませんがね。
 いずれにしても、一般的な天文ソフトによるシミュレーションだと、古代の天文現象には誤差が生じるということです。
 先ほど書いた、247年、248年の皆既日食に関しては、それぞれ皆既の状態で沈み、皆既の状態で昇ってきたという「ドラマチック」な仮説も立てられていました。しかし、国立天文台の最新の研究によると、247年、248年の皆既日食は、九州・畿内ともに見ることができなかったことが判明しています。歴史ファンタジーとしては残念な結果ですね(涙)。
 私もシロウトとして、天の岩戸伝説=日食の比喩という説を支持しますし、それが実際にどの日食のことなのか非常に気になります。まあ、なかなか分からないところがファンタジーなんでしょうね。
 ところで、今回は、皆既日食ではなく金環日食です。金環ではどのくらい暗くなるのか、あるいはほとんど暗さを感じないのか(こちらの目の調整機能もあるので)、そのあたりにも興味があります。曇っていると、逆にその暗さを感じることができるかもしません。曇っても雨が降っても日食は楽しめるのです。
 最後に、いちおう「日食と地震の関係」も参考にしてください。私はあまり心配してませんが。
 


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