追悼 フィッシャー・ディースカウ
昨日のドナ・サマーに続き、天才的な歌手の訃報に触れる。
ジャンルは違えど、お二人とも音楽史に偉大な功績を残し…というよりも、私の若かりし頃の音楽体験に強烈な印象を残しました。
私のバッハ体験の端緒には、ディースカウのあの朗々たるバリトンが響き渡っておりました。
特に印象に残っているのは、高校生の時に好んで聴いた、カール・リヒター指揮によるカンタータ集の中の、BWV82「Ich habe genug(我は満ちたれり)」です。
1曲目がYouTubeにあったので改めて聴いてみましょう。
ディースカウ自身は「Ich habe genug」だったのでしょうか。
ディースカウはなかなかの色男だったようです。この低く甘い声でささやかれたら、世の女たちはひとたまりもないということでしょうか。
BWV62には、あの有名なアリア「Schlummert ein, ihr matten augen(眠りなさい、疲れ果てた眼よ)」が含まれています。まさに「R.I.P」ですね。
この死の美しさを予感させるアリアは、ご存知のとおりソプラノ用に編曲されて「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」に収載されています。
私はバス、ソプラノ両方のヴァージョンの演奏に参加したことがありますけれども、やはりバスの方が味わい深いかなあ。
ソプラノでは、この演奏なんかいかがでしょうか。この女性歌手はきっとディースカウのささやきにも動じないでしょうね。
86歳、きっと満ち足りた人生であったことでしょう。ご冥福をお祈りします。
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