田植えという神事
早乙女や泥手にはさむ額髪(村上鬼城)
今日は中学3年生が田植えをしました。今年の3年生は、めだかの学校の校長をされている勝俣源一さんに御指導いただき、無農薬での米作りに挑戦です。
総合の日本文化を学ぶシリーズの総決算ですが、理科や社会、国語や技術家庭など、様々な教科の勉強にもなりますね。
それにしてもですねえ、なんかとても神聖な感じがしましたよ。源一さんも米作りは神事だとおっしゃっていましたが、全くその通りだと思いました。
純粋な魂を持つ子どもたちによる田植え。これは間違いなく「祭」でしたね。現代にも早乙女はいたのか。決して上手な田植えではなかったと思いますが、水と土と苗と太陽と風と子どもたちによる共同作業には、きっと魂がこもることでしょう。
源一さんもおっしゃっていました。田植えのあとは、もうお天道さまにお願いするしかないと。ある意味祈るしかないということですね。
昨日の話で言えば、「コト」を尽くして「モノ」を待つ、すなわち「人事を尽くして天命を待つ」ということですね。そういう姿勢ってとても大事だと思います。
人事(コト)を尽くすということによって、自然(モノ)に影響を与えるのが、本来の「マツリゴト」であるとワタクシは思うのであります。
ところで、今回お借りしている田んぼは、あの明見地区の、それも非常に神聖な場所にあるのです。子どもたちにはそういう話はしませんが、そうですねえ、こちらの私のインタビューをご覧いただけるといいかと思います。
ちょいと(だいぶ)マニアックな話になってしまいますけれども、稲作と言えば、伊勢神宮の外宮に祀られている豊受大神を思い出しますよね。トヨウケビメは、別称として「大物忌(オオモノイミ)神」とも呼ばれます。偉大なる「モノ」を畏れる神ということですね。大物忌神は鳥海山の大物忌神社に祀られています。
ちなみに倉稲魂(ウガノミタマ)尊、すなわち稲荷神も、豊受大神と同神とされる場合があります。やはり稲と関わりがあるのです。
豊受姫命は国祖国常立大神の妻神として、出口王仁三郎の大本神話の中では特に重要な存在となっています。そして、インタビューにもあったとおり、富士山の艮にあたる明見という地区に残る神話と、遠く離れた丹波の大本神話の間には、不思議な符合点があるんです。
そういう「霊的」なネットワークで結ばれたこの土地で、こうしてトヨウケビメにまつわる神事を、教え子たちと一緒に営むことができたことは、これは偶然とは思えませんね。
源一さんも宮下文書について非常に詳しい方であり、今日も二人でいろいろな話で盛り上がりました。私自身もまたまた不思議なご縁を頂戴し、ありがたく思っているところです。
さて、これからは草取りが大変です。自然と対話しながら、収穫の秋まで頑張りましょう。秋の稲刈りがすんだら、おにぎりパーティーや餅つきをしようと考えています。
教室や教科書では学べない「モノ」をたくさん吸収してほしいですね。
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 南海トラフ地震や首都直下地震、富士山噴火。天災リスクのリアル(2021.04.02)
- 『日本の感性が世界を変える 言語生態学的文明論』 鈴木孝夫 (新潮選書)(2021.03.30)
- 東京大空襲から76年(2021.03.10)
- 『地球防衛軍』 本多猪四郎監督・円谷英二特技監督作品(2021.02.19)
- 『妙な線路大研究 東京篇』 竹内正浩 (実業之日本社)(2021.02.01)
「自然・科学」カテゴリの記事
- 南海トラフ地震や首都直下地震、富士山噴火。天災リスクのリアル(2021.04.02)
- 『日本習合論』 内田樹 (ミシマ社)(2021.04.01)
- 『日本の感性が世界を変える 言語生態学的文明論』 鈴木孝夫 (新潮選書)(2021.03.30)
- ホモ・パティエンス(悩める人)(2021.03.31)
- EV推進の嘘(2021.03.17)
「教育」カテゴリの記事
- 『日本の感性が世界を変える 言語生態学的文明論』 鈴木孝夫 (新潮選書)(2021.03.30)
- 『三島由紀夫 vs 東大全共闘 50年目の真実』 豊島圭介監督作品(2021.03.28)
- 笑わせて三流、感動させて二流、見る者の人生を変えてこそ一流(2021.03.18)
- 自宅プロレス(2021.03.15)
- 「命の世界」 正眼寺 山川宗玄 老師(2021.03.11)
「歴史・宗教」カテゴリの記事
- バッハ 『復活祭オラトリオ BWV 249』(2021.04.08)
- 和歌の予言力(2021.04.03)
- 南海トラフ地震や首都直下地震、富士山噴火。天災リスクのリアル(2021.04.02)
- 『日本習合論』 内田樹 (ミシマ社)(2021.04.01)
- 『日本の感性が世界を変える 言語生態学的文明論』 鈴木孝夫 (新潮選書)(2021.03.30)
コメント