組立天体望遠鏡 35倍 (星の手帖社)
間に合うかどうか分かりませんが、皆さんにおススメしておきます。
21日月曜日はいよいよ金環日食ですね。本当に楽しみです。
小学生の時、「2012年かあ…オレ何歳かな。47歳かあ。どこで何してるんだろう」と思っていた、その日がとうとう来ます。
あの当時は本当に異常なほどの天文少年でして、最近見つかった小6の時の日記によると、将来の夢は天文学者か光学機器メーカーのエンジニアだったようです。そして今、国語のセンセイ(笑)。しかし、趣味としてはいまだに天文はじめとする地学関係に強い興味を持っていますね。
さて、今回の金環日食ですが、自分としてはもちろん、食の始まりから終わりまで、全行程を観測したいところです。世紀の天文ショーですからね。
そこで(…って自分のためかよ)我が校では6時から9時半まで観測会を行うこととしました。世の中では7時半とか言ってますが、実にナンセンスです。
また世間では日食グラスみたいなのがはやってるようですけど、やはり基本はピンホールで楽しむのが良いと思います。安全ですし、お金がかかりませんし、楽しい。
紙にボールペンかなにかで穴を開けるだけですから。そうそう、昔は木の雨戸にすりガラスの組み合わせなんかで、よく天然の(?)ピンホールカメラを体験できましたよね。外の風景が逆さに、そしてミニチュアで映る様子は、なんだか幻想的でしたっけ。
本校では生徒にウチワを配って、そこにプスプスと穴を開け、絵や文字を描かせて、それを投影して楽しませようかと思います。
それから、今ちょうど巨大黒点群が発生していますから、それが月の裏に入っていくところなんかを観察したいですよね。しかし、それはさすがに日食グラスやピンホールでは無理です。
ウチのバカでかい天体望遠鏡を持ってきてもいいのですが、どうせ口径を絞らなきゃならないし、まずは面倒臭い。そこで急遽、太陽面観測用の望遠鏡を15分ほどで作りました(笑)。昔取った杵柄、小学生時代の体験が生きていますな。
用意したのが、このキット。これはいいですよ~。光学機器メーカーのエンジニアもおススメです(笑)。いや、国立天文台の渡部潤一さんのおススメですから、ホンモノです。
これをですね、ちょっと改造して太陽観測用にしたわけです。そのちょっと改造というところがポイント。
まず、この格安の望遠鏡キット、太陽観測用に適しているのは、レンズがオールガラス製だということです。特に接眼レンズがプラスチックレンズですと、熱でとけてしまうので危険です。
しかし、逆に問題なのは、このお値段にして接眼レンズが3群5枚の高級タイプだということです。正確に言いますと、バローレンズ(スマイスレンズ)という焦点距離を伸ばす凹レンズと、ケルナーをひっくり返した接岸レンズ(ケーニッヒ?)という構成。実はものすごくマニアックですよ、コレ。
実際、本来の組み立て方で完成した望遠鏡による像は驚くほど素晴らしい。各収差もよく補正されています。このお値段でこれはあり得ない。普通に天体望遠鏡として使えますよ。
しかし、この素晴らしさが太陽観測にはなんで問題なのか、その道の方はよくお分かりでしょう。レンズ自体はガラス製で熱に強くとも、レンズの接着に使われている接着剤が溶けてしまう可能性が高いのですね。
そこで、今回は、3群のうちの一つである単レンズのみを使うこととしました。それこそ35年前の経験が生きております。少年時代、なんでもかんでも分解して改造した経験ですね。
で、いろいろ試してみまして、結論としてですね、単レンズを本来絞り環(視野絞り)をはめるべき場所にポンとはめてやると、ピントもぴったり合うことが分かりました。もちろん邪道な使い方ですから、色収差など出ますけど、まあ太陽面の観測には問題ないでしょう。
それで出来上がったのが、コレ(笑)。なんとも手作り感満載ですな。
ご覧のように、筒先には投影板に影を作るために、この製品の空き箱の一部が取り付けられています。そして、職場にあったフレキシブルクリップを二つ拝借して投影板を作りました。なんだかフラフラしてますが、とりあえずいいや。
もう少し投影板を遠くしてもいいですね。そうすればもっと大きな像になる。でも、これでも、巨大黒点ははっきり見えますよ。完璧。2800円也。
ただし、本体はプラスチックなので、接眼部などに光が当たり続けると溶けてしまう、あるいは火災の原因にもなりかねませんから、時々太陽を視野から外してやった方がいいですね。
ちゃんとデフォルトで三脚取付用のネジも付いてきますので便利です。もちろん自動追尾なんかできませんが、まあちょこちょこ動かしてやればいいだけです。
あとは晴れるのを祈るだけですね。いざとなったら富士山5合目にでも登りたいくらい。
皆さんも楽しんでくださいね。安全第一で。もちろん望遠鏡で直接太陽を見るなんていうことをしないでください!
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