スマトラ沖アウターライズ地震発生
スマトラ島沖でM8.6とM8.2の巨大地震が発生しました。日本も大変な地震国ですが、インドネシアはもっと頻繁に巨大地震が起きていますね。
2004年12月26日のM9.1と、最大余震の2005年3月28日M8.6、そして2007年9月12日M8.5ののちも、こんなにたくさんM7以上の大地震が起きています。
そして今回は想定されていた、M9.1の誘発地震(広義の余震)たるアウターライズ地震が発生したわけです。
このようにアウターライズは本震から数年、あるいは数十年経って発生します。ご存知のとおり、明治三陸地震のアウターライズたる昭和三陸地震は37年後に発生しました。
今回のスマトラでは7年半後、三陸では37年後と、ずいぶん開きがあるように感じますが、地球の時間スケールで言えば誤差のうちです。というか、本震のあとすぐに起きても、数十年後でも「同時」と言ってよいかと思います。
この前三陸沖アウターライズM6.8が発生という記事で書いたとおり、もうすでに東北地方太平洋沖地震のアウターライズは起き始めています。
こちらをご覧になってお分かりのとおり、陸地では無感ですが、コンスタントにアウターライズ領域で小規模から中規模の地震が発生しているのです。
スマトラと日本とは、似た部分もあれば、当然違う部分もありますので一概には言えませんけれども、M9を超える超巨大地震が発生したことは間違いなく共通していますから、似たような経過をたどる可能性は高いと考えています。
具体的には、数十年の間に、3.11の震源域に隣接する地域での巨大地震、そして、広大なアウターライズ領域での超巨大津波地震が発生すると考えておいた方がいいと思います。
今回のスマトラのアウターライズは横滑り型だったので、マグニチュードの割に津波は小さめでした。これが普通にライズしていたら、大変な被害津波になったと思われます。
日本では最悪のケースを考えると、3.11よりも大きな津波が襲来するおそれがあります。それが今日起きるかもしれないし、数十年後かもしれないということです。
東北の太平洋側ではようやく復興の動きが活発化してきましたが、まさに復興の期間中にこのアウターライズ地震が発生する確率が高いわけですから、その点をしっかり想定しておかないと、また地域の人々の努力や思いが無駄になりかねません。その点について、学者さんや行政の皆さんは国民に伝える必要があると感じます。
首都直下地震や西日本の連動超巨大地震について心配することも当然必要ですが、まずは直近の、そして100%発生する地震について対策を立てることの方が重要かと思います。
今回のスマトラの地震で被災された方のことを考えても、我々は「対岸の地震」などと思ってはいけないと思います。
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