富士と桜と…五重塔?
今日は「いつもの丘」忠霊塔でお花見。遠くは新潟や横浜、東京からわざわざお出かけくださった皆さんと満開の桜の下、富士山を眺めながら楽しくお話に花を咲かせました。
初めてお会いする方が半数でしたが、共通の話題があるとすぐに意気投合して盛り上がりますね。
フジファブリックの「桜の季節」を聞きながら、その音楽や詩の世界の不思議について語り合いました。いろいろな意見が出てきて私も勉強になりました。
それにしても天気がよく、最後のシチュエーションでしたね、今日は。我々地元民はなんとなく見飽きてしまった風景でもあるわけですが、冷静に考えると、これはたしかに日本一の富士山かもしれません。
さて、そんな日本一の富士山を臨む「忠霊塔」ですが、正式名称は新倉浅間公園と言います。地元の人は正式名称で呼ぶことは皆無で、とにかく「忠霊塔」と呼びますね。
富士五湖文化センターと言わないで「市民会館」と言うのと同じです。どの地方にもそういう「方言名称」というのがあるものですね。だから、旅行者に道を聞かれると分からなかったりする。「新倉浅間公園どこですか?」と聞かれても、すぐにピンとは来ませんね、富士吉田市民は。
ちなみに「忠霊塔」というのは、この前書いたように戦没者の御霊を祀る慰霊施設です。富士吉田の忠霊塔は昭和34年に造られたもので、全国的に見るとかなり新しいものです。五重塔はあるは、明治大帝(明治天皇)の像が富士を見やる形で建てられていたりして、実はちょっと珍しい忠霊塔ですね。
富士と桜…まさに日本を象徴する景色だと言えるでしょう。古き良き日本ですし、戦争における日本国の象徴であるとも言えますね。
また、フジとサクラと言えば、銀塩写真時代を思い出す方も多いでしょう。今日もたくさんのカメラマンが日本一の富士と桜を撮影するために集まっていました。このある意味コテコテの風景素材をどのように捉えるか、表現するか、これは難しい問題です。だからでしょうかね、いわゆるプロのカメラマンはあまりいません。アマチュアカメラマンがほとんどです。
考えてみると、富士と桜にプラス「五重塔」ですからね(松」もあるか)。なんだかワケわからん「日本」ですよ。五重塔と言えば仏塔ですから、まあ普通はお寺にあるものです。神仏習合で神社にある場合もありましたが、明治になっていわゆる廃仏毀釈で壊されたりしたところがほとんどです。
で、ここ忠霊塔の五重塔というのは、お寺でもなく、また神社でもないんですよね。単なる「忠霊塔」なわけです。これもまたなんというか富士吉田らしいというか、日本らしいというか、ある意味とってもいい加減な建造物です(笑)。
外国人は喜びますよね。この風景は。今日もドイツ人とおぼしき旅行者が一生懸命写真を撮っていました。欧米ではこの実に作り物くさい「日本の風景」が紹介されることが多いと聞きます。面白いですね。
ああ、そう考えると、フジファブリック「桜の季節」の歌詞にある「作り話に花を咲かせ」というのと、なんとなく重なるような気もしますね。妄想の産物というかなあ。面白いですね。志村くん、「いつもの丘」で、実はそんな嘘臭さを感じ取っていたのかもしれませんね。
「新倉浅間公園」という時の「新倉浅間」とは、忠霊塔への登り口にある「新倉の富士浅間神社」のことです。この神社について、あるいはコノハナサクヤヒメについては明日にでも書きましょうか。
PS 次回の集まりは8月5日河口湖湖上祭の日にしようと思います。みんなで「最後の花火」を見ましょう。
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コメント
初めまして。庵主様と同世代の東京在住の者です。
私は30日に下吉田を散策して来ました。2時間余りの滞在で、忠霊塔までは登れなかったものの、神社のある場所から見た景色を含め、とても近くにある富士山が新鮮でした。
にわか志村正彦ファンなのですが、また訪ねたいと思っています。夏の「最後の花火」、いいですね~。
投稿: Koo | 2012.05.03 15:55