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2012.04.18

ヴィヴァルディ 『調和の霊感op.3-11』

Ottavio Dantone Accademia Bizantina

 学校創立とともに設立された弦楽合奏部も3年目を迎えました。新入生も4人の入部が決まり、なんとか各パート一人ずつ維持できそうです。
 ヴァイオリンやヴィオラ、チェロという、田舎者にとってはハードルの高い楽器への先入観を取り除き、私のように一生楽器に親しみ音楽を楽しむような生徒たちを育てたいと考えて始めたこのクラブ。
 ある意味では「邪道」を思いっきり突っ走ってきました。指導はあくまでワタクシ流。教本も使わないし、いわゆる基礎練習もあまりしないで、いきなり「カノン」を弾かせていきます。
 私自身がちゃんとした教育を受けていない、しかし皆から笑われながらも(面白がられてることが多い)、プロの方々とご一緒できるようになったこの経験を活かそうというわけです。なにしろ、なんの苦労も努力もしないで、ただ楽しく合奏しているうちにこうなってしまったので(笑)。
 これが意外にいいんですよ。生徒たちも全く型にはまらず、それぞれ個性的な演奏スタイルになっていますけど、それなりにうまくなり、そしてなんといっても楽しそう。スパルタで楽器や音楽が嫌いになるなんてことはありません。
 もちろん、楽器はヴァイオリン1万円、ヴィオラ1万5千円、チェロ2万5千円というトンデモなしろものを使わせております(笑)。
 こういうのをプロのヴァイオリン教室の先生が知ったら、まあ大変でしょうね。とんでもない!とお叱りを受けそうです。
 生徒たちの頑張り…いや「楽しみ」のおかげさまで、彼らもなんとか人様の前で演奏できるくらいになってきました。
 最近ではアイネ・クライネ・ナハトムジークの第1楽章をいちおう完成させたので、さあ久しぶりにワタクシの趣味たるバロックに回帰しようかと思い、今回はこの曲を選んでみました。
 なにこれ?つまんない!とか言われると思ったら、「かっこいい!」って言うじゃないですか。さすがヴィヴァルディは「新しい」。
 この曲、私も高校の弦楽合奏部でよく演奏しました。もちろん、プロになってから…いやいや、プロじゃなかった(笑)、人前でバロック・ヴァイオリンを演奏するようになってからも、いろんなパートを弾きましたっけ。そのたびに、「かっこいい!」と思ってきたものです。
 そう、この曲、やっぱりヴィヴァルディの中でも最高傑作だと思いますね。当時の衝撃もすごかったと思います。だって「かっこいい!」んだもん。
 あのバッハも、ご存知のとおり、オルガン・コンチェルトとして編曲しています。これはこれで面白い。バッハがヴィヴァルディをどう評価していたかよく分かります。つまり、まずは絶対的な尊敬の念があったと。手の加え方、音の加え方でよく分かりますよね。

バッハ オルガン・コンチェルト BWV 596

 さて、生徒たち、この難曲をどう弾きこなすのか。ちょっと楽しみです。私も久々にいろんなパートを弾いてみたいと思います。
 あっそうそう、そのうち、ワタクシ独自のメソッドを教本として出版しようと思っています。題して「絶対プロにはなれないヴァイオリン教本」(笑)。

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