« 『国語教科書の中の「日本」』 石原千秋 (ちくま新書) | トップページ | サミュエル・バーバー 『アニュス・デイ(弦楽のためのアダージョからの編曲)』 »

2012.03.24

祝『University of Mt.Fuji』開校!

545028934 日めでたくUniversity of Mt.Fuji(富士山大学)が開校いたしました。その最初の講義「フジファブリック学」第1回「茜色の夕日」の講師を担当させていただきました。
 地元の方々はもちろん、愛知や新潟、埼玉、神奈川、東京など、本当に遠くからたくさんの方々にいらしていただき、感謝感謝です。
 皆さんの期待に応えられるような講義ができたかどうか、ちょっと心もとないのですが、私自身も改めて志村正彦くんの楽曲を分析することによって、たくさんの発見がありました。
 もちろん、いろいろなご縁にも感謝です。もともと、この話もひょんなところからひょんなことがあって、そこに偶然も重なったりして実現したものです。全く不思議です。
 そして、今日おいでくださった受講者の皆さんの中にも、教え子はいるし、保護者はいるし、古くからの知り合いもいるし、ネット上では数年来の知り合いだった人もいるし、全く初めての方もいるし、それこそひょんな縁があることが分かった方もいるしで…もう本当に、なんでこの人とこの人とこの人がここに一緒にいるのかというような…こういうご縁を作ってくれた志村くんにも感謝です。
 この「大学」は「スーパーモラトリアム」をテーマに、真剣にまじめにとことん「大学ごっこ」をしようという企画です。私はそういう「まじめ遊び」が大好きですので、すぐにお話に乗っからせてもらいました。地元富士吉田を盛り上げるため、というか、地元の方に地元を知っていただきたいという気持ちもありますし、他地方の方々に定期的に富士吉田を訪れてほしいという気持ちもあります。
 そういう意味で、今回は本当にいろいろな地方の方々に集まっていただきうれしく思っています。そんな皆さんを歓迎するかのように、最初雲に隠れていた富士山も夕方にはきれいに姿を現し、茜色の夕日を浴びて美しくそびえ立っていました。
 さて今日の講義内容ですが、「茜色の夕日」を音楽と文学の面から分析してみました。これがなかなか難しかった。やはり天才の仕事を学問化するのは大変です。
 音楽面では、志村くんの楽曲の特徴である「サブドミナント志向」と「胸キュン進行」、さらにビートルズの音楽との関係、あるいはバッハにまで話が及びまして、ちょっといろいろ言い過ぎたかなと反省。
 ただ助かったのは、受講者になんと我が歌謡曲バンドのキーボーディストがいることが分かりまして、午前中にウチに呼んでちょっと打ち合わせしましてお手伝い願いました。私もヴィオラを持参してメロディーを弾いたりして、まあ受講者の皆さんにとっては、実際の音があったので分かりやすかったのではないでしょうか。
 音楽面よりも文学面の方が難しかったなあ。天才の「詩」だなあと再確認。今日は「時系列」の観点を持ち込むことによって、彼の詩がいかにいろいろな解釈を受け入れる器の大きさを持っているかを確認しました。皆さんからいろいろな意見が出てきて実に面白かった。他人の意見を聞いてさらに広がっていく、あるは研究すればするほど、あるいは経験すればするほど、作者の意図を超えて成長していくのが普遍的な「名作」の条件です。
 講義終了後の懇親会も大変楽しく充実しました。こういう番外編もいいですね。
 次回の私の講義は4月28日土曜日の予定です。春の遅い富士北麓地方は、ちょうどその頃「桜の季節」を迎えます。忠霊塔でのお花見と講義の組み合わせです。曲はもちろん…。次回は定員も増やす予定ですので、ぜひおいでください。楽しく「勉強ごっこ」しましょう。
 「大学」を作ってくださったお二人の有志に感謝です。コンセプトを立ちあげ、こうして人を集め、縁を紡ぎ、コトを実現していくのは大変なことです。尊敬申し上げます。今後の他の講義も楽しみにしています。

 講義の様子が山梨日日新聞に紹介されました。

University of Mt.Fuji 公式

|

« 『国語教科書の中の「日本」』 石原千秋 (ちくま新書) | トップページ | サミュエル・バーバー 『アニュス・デイ(弦楽のためのアダージョからの編曲)』 »

音楽」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

教育」カテゴリの記事

文学・言語」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。ブログをいつも拝見しています。
フジファブリック学に興味があります。次回は4/28を予定しているとのことですが、募集はいつ頃行われるのでしょうか?
こちらで伺っていいものか分からなかったのですが、University of Mt.Fujiのサイトの講義案内になかったのでお問い合わせさせていただきました。

投稿: ぼっこ | 2012.04.22 12:17

ぼっこさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
実はちょっと難しい問題に直面いたしまして、実施の予定が立てられずおります。
正直同様のテーマは無期限延期ということになる可能性が高いです。
いずれ講義名や内容を変えて再出発したいと思っています。
すみません。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2012.04.22 12:22

早速ありがとうございます。そうだったんですか。志村さんの歌詞やコードの分析などに素人ながら興味があったのでとても残念です。桜の季節の富士吉田散策も含めて楽しみにしていました。何かしらの形で再開できることを願っています。

投稿: ぼっこ | 2012.04.22 13:16

久々のコメントですw
昨日と今日、NHKで亀田誠治さんと平井堅さんによる「亀田音楽専門学校」という番組をやってまして、その中で胸キュンコード進行についてやってました。J-POPの魅力の中にある胸キュンについて語ってらっしゃった亀田さんと堅さんの講義にはどこか既視感が・・・・・www
講義の中ではクリシェやリフレインについて解説しながら胸キュンの秘密を探っていったんですが、講義を聞いてるうちに「なんだ、フジファブリック学でやってることと一緒じゃんw」と思ってしまいましたwww
再放送の予定は今のところ無いようですが、胸キュン進行の第一人者としてまた何かの機会に観てみてください。
それでは。

投稿: 厨二病太郎 | 2013.01.05 02:06

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 祝『University of Mt.Fuji』開校!:

« 『国語教科書の中の「日本」』 石原千秋 (ちくま新書) | トップページ | サミュエル・バーバー 『アニュス・デイ(弦楽のためのアダージョからの編曲)』 »