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2012.03.08

最大余震はいつ来るのか。

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 日は「首都直下地震」について書きました。マスコミの報道もそちらが目立ちます。4年で70%(50%)…たしかに喫緊の状況であると言ってもいいでしょう。
 しかし、私たちはある意味もっと身近で現実的、確率も高い大地震のことを忘れてはなりません。それが3.11東北地方太平洋沖地震の「最大余震」です。
 気象庁は今日、東北地方太平洋沖地震に関するここ1年間の余震傾向について発表をしました。
「M7.0以上が6回、M6.0以上が97回、M5.0以上が599回。最大震度4以上を観測した余震は231回。M7以上の余震の可能性は低くなったが、発生地点によっては最大震度5弱以上の揺れや津波の恐れもあり、引き続き注意してほしい」
 上のグラフを見ても分かるとおり、余震の規模と回数は、自然の法則に従って順調に収束しているように見えます。
 しかし、このままあの大地震は過去の記憶となっていくのかというと、そう単純ではないのも自然の法則です。
 イメージとしては、最近の季節の移り変わりを思い浮かべると良いでしょう。このところ、真冬の極寒はたしかに終わり、すっかり暖かくなってきましたが、突然寒さがぶり返したり、大雪が降ったりすることがありますよね。
 それと同じように、「忘れた頃にやってくる」「終わったと思ったらまだだった」というのが自然の法則です。「忘れる」とか「…と思った」とかいう、人間の脳内の勝手な結論付けの方が、実は不自然なわけですね。つまり「想定外」こそが自然なのですね。
 現在のところ、かの巨大地震の最大余震は、本震のたった29分後に茨城県沖で発生したM7.6の地震だとされています。
 ある意味では、それは正しい解釈です。データの上では実際そのとおりです。しかし、地球規模のダイナミックなスケールで考えると、29分は「連動」とも言えますし、あるいは「同時」とも言えます。私はどちらかというと、そういう立場で全体を俯瞰したいと考えています。科学者ではないので。
 私はなるべく広義の余震を認める立場にいたいわけです。たとえば気象庁やその他の科学的な機関が「誘発地震」と呼んでいるものも余震と呼んできました。
 さらに、今回の震源域に隣接する南北の地域、すなわち茨城から千葉沖、青森沖から十勝沖に至る地域での「誘発地震」も余震と呼びたいと考えています。
 まさに地球スケール(時空ともに)で言えば「割れ残り」「余り」ということになるわけです。まあ、そのスケールをあまりに広げてしまうとですね、全ての地殻変動は全て因果関係で結ばれてしまうわけですがね。そのへんのさじ加減は人間の常識に頼るしかありません。
 さて、そうすると、私の中での最大余震というのは「まだ発生していない」ということになります。
 こんな例を考えていただくと分かりやすいかもしれませんね。皆さんもご存知の2004年12月のスマトラ沖地震M9.1と、その3ヶ月後に発生した2005年3月のスマトラ沖地震M8.6の関係です。
 後者は前者に南接する地域で発生しました。震源域の一部は重複しています。この後者の地震を、前者の余震とするか、前者とは別個の地震とするか、前者との連動地震とするか、前者の誘発地震とするか、これはいろいろな説があります。
 この場合、私は「最大余震だった」と言いたいわけですね。「割れ残り」が割れたと感じるからです。
 今まで、このブログでは房総沖地震に注目してきました。たとえば「房総沖大地震はいつ起きるか?」という記事を去年11月に書いていますが、実を言うと、今日の記事の結論はこれと全く同じになってしまいます。なぜなら、私は「最大余震=房総沖地震」と考えているからです。スマトラと似たパターンを想定しているわけですね。
 すなわち、3年以内にM8クラスが起きるということです。もしかすると今日かもしれませんし、明日かもしれませんし、場合によっては5年後になるかもしれません。そんな程度の誤差は誤差のうちに入らないというのが、地球スケールです。
 今日は3月8日。3.11からもうすぐ1年。まさに「忘れた頃」「終わったと思った頃」になろうとしています。3.11を振り返り、忘れないということもとても大切なことです。災害としての、人間の歴史としてのあの日を、こうして記録し、記憶し、検証することは絶対に必要です。
 しかし、それと同時に、その災害を起こした地震の全体像を見ようとすることも忘れてはなりません。少し乱暴な言い方になりますが、「東北地方太平洋沖地震はまだ死んでいない」のです。決して過去の歴史地震ではありません。今も活動を続けている「生き物」であることを忘れてはいけません。
 広義の広義で言えば、首都圏直下地震も「余震」ということになってしまいますが、おそらくは皆さん、そういう意識で語っているわけではないでしょう。あのような震災が自分の身に振りかかるのでは、という次元で考えているのではないでしょうか。地球のスケールはそんなに小さくありません。本気で我々が防災、減災を考えるなら、出来る限り私たちの感覚や判断基準を地球のスケールに合わせなければならないと思います。
 最後にこのことも付け加えておきましょう。原発事故も全く収束していません。原発は生きています。停止しても生き続けます。こちらも「忘れた頃」「終わったと思った頃」は許されません。
 

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