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2012.03.18

エトナ火山

 本でも桜島の爆発的噴火のニュースが入って来ました。日本で一番噴火する山は桜島でしょう。
 では、世界一は?
 というわけで、世界で一番噴火する山とも言われる、イタリアはシチリア島のエトナ山の活動も相変わらず活発です。
 昨年だけでも20回近く噴火しており、今年に入ってからも毎月のように爆発的な噴火を起こしているとのことです。
 上の映像は2月に編集されたもののようです。なかなかの迫力ですね。
 しかし、驚くのはずいぶん近くに街があり、人々が普通に生活していることです。
 これはこの山が「世界一噴火する」からでもあります。ほとんど毎月のように噴煙を上げ、溶岩を流しているので、人々もこの火山と共生するすべを身につけているのです。
 ちょっと前に紹介した『もし富士山が噴火したら』にもありましたとおり、火山の噴出物が堆積した土壌は、ミネラル成分に富み、たとえばブドウの生産に適しています。
 ここエトナ山の麓でもブドウの生産が盛んです。そして、もちろんおいしいワインも生まれます。山梨に似ていますね。
 私の住んでいる富士山は、エトナ山のようにいつも噴火しているわけではありません。特にここ300年間ほどはいわばお昼寝状態。だからこそ、一度目を覚ますと大変なことになりそうなのです。
 何が起こるか分からないから不安でもありますし、怖い。そんな山の中腹に住んでいる私は、まったく物好きですね。
 さて、エトナ山と言えば、こういうトンデモな話も思い出されます。あの出口王仁三郎の登場です。
 彼の口述した霊界物語の第2巻・第2篇「善悪正邪」に「エトナの爆発」が登場します。
 実はこれが関東大震災の予言であったことがのちに明かされます。そのへんの事情を大本信徒連合会のホームページから引用させていただきます。

 (出口王仁三郎聖師は)阿蘇から熊本を経て同年9月1日に初めて山鹿に入られた。九州各地より聖師の来訪を聞きつけて滞在先の松風閣(しょうふうかく)に信徒が集まり、聖師との面会に期待に胸をふくらませたが、結局皆に会うことなく部屋からは出られなかった。代わりに随行者の一人であった出口宇知麿(うちまる)さんが霊界物語第31巻第1篇第2章「大地震」、第3章「救世神」の2章を拝読して解散となった。集まった信徒は聖師に面会できずやや不満であったが、翌日驚くべき報道に接したのである。当時の速報は号外が最も広範囲に情報を伝達する手段であった。号外は東京を中心として起こった関東大地震の報であった。しかも9月1日の昼に勃発した。昨夜拝読した箇所は“ヒルの国の大地震”である。昼とヒル。このヒルとは南米のペルーのことではあるが、聖師は「この地震はすでに予言してある。エトナの噴火のことだ。」と。エトは江戸を指し、ナとは土地のことを意味する。エトナは即ち江戸の地となる。

 エトが江戸、ナが万葉の時代の言葉で「地」を表すというのです。まあ普通に考えれば噴飯物の語呂合わせですが、彼にとってはそれこそが言霊的な世界なのでしょう。どうにも笑って済ませられないのが、王仁三郎の不思議な魅力です。おととい紹介した吉本隆明さんの王仁三郎評を思い出します。

「いくらでも侮れるが、侮っても裂け目から、また芽が出てくるような気がして、永遠のたたかいの場を提供しているとおもう」

 さて、そうすると、昨年からの大規模なエトナ山の噴火活動は、来るべき首都直下地震を予言しているのでしょうか…なんて、私が言うとそれこそ笑い話になってしまいますね。
 いや、地球全体が一つの生命体だとすると、日本の地震とイタリアの火山活動に何らかのつながりがあってもおかしくありません。もしかすると、王仁三郎はそういう次元での「経絡」「龍脈」を察知する能力を持っていたのかもしれません。それこそ侮れないのかもしれない。
 私たちの小さな脳ミソが感知、理解する「コト」世界なんて、本当にちっぽけです。その補集合たる「モノ」世界を語ったのが、王仁三郎の霊界物語だったのかもしれません。

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