サミュエル・バーバー 『アニュス・デイ(弦楽のためのアダージョからの編曲)』
今日は公私ともに辛い仕事をしなければなりませんでした。人の命、そして人の生活、人生、歴史、愛が深いからこその哀しみや憎しみ…。本当にいろいろなことを考え、感じる一日でした。
そんなわけで、今日はなんとなくこの曲を聴きたくなりました。「アニュス・デイ」。
バーバーの弦楽のためのアダージョはご存知の方も多いのではないでしょうか。作曲家本人の意図に反して、今では「葬送の音楽」というイメージがありますね。
もとはと言えば、ジョン・F・ケネディ大統領の葬儀の際に用いられたのがその発端です。日本でも昭和天皇崩御の際にN響によって追悼演奏されました。
その「弦楽のためのアダージョ」は、もともとは弦楽四重奏曲の第2楽章でした。それを弦楽合奏用に声部も増やしつつ編曲したものです。高校時代に演奏した、いや正確に言うと演奏しようとしたことがありましたが、拍数を数えるのが大変なのと、各声部音域が広すぎて(つまり高すぎて)最後まで弾ききれなかった記憶があります。
そして、あまり知られていないのですが、この有名な弦楽のためのアダージョは、さらに作曲家本人によって編曲されています。それが、この声楽曲「アニュス・デイ(神の子羊)」です。
バーバー自身がどういう意図をもってこういう編曲を行ったのか。おそらくは「弦楽のためのアダージョ」が自らの意図に反していたとはいえ、非常に有名になり、またいつのまにか葬送のための音楽という認識を持たれるようになったので、つまり作品が勝手に独り歩きをはじめ、そして作曲家自身にも影響を与えたのだと思います。
では、そんな「バーバーのアニュス・デイ」をじっくりお聴きください。まるで作品自身がこの形になるために生まれてきたかのように聞こえると思います。
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