三陸沖アウターライズM6.8が発生
昨日は有感地震が5回しかなく、それも関東・東北は福島沖の1回だけ。まさに嵐の前の静けさでしたね。打って変わって今日は20回以上になりました。
夕方の三陸沖(十勝沖)には驚きましたね。とうとう来たかとも思いました。思ったよりも早かったかも。
これは想定される巨大地震の最大余震たるアウターライズ地震の先駆けと思われます。海溝の東側(外側)、つまり太平洋プレートの表面がはがれた地震です。
三陸沖のアウターライズと言えば、昭和の三陸地震ですね。震源を比較してみましょう。似ていますね。ちなみに昭和三陸地震では、このポイントを始点として南に100キロほどプレート表面が跳ね上がりました。
マグニチュードは8.1〜8.4と推定されています。結果として最大遡上高30メートル近い津波が沿岸部に押し寄せました。
地球レベルのスケールで言いますと、この昭和三陸地震は約40年前の明治三陸地震の余震であると言えます。明治三陸地震は昨年の巨大地震と同様の海溝型の地震、マグニチュードは8.4〜8.5と推定されています。
つまり、海溝型の巨大地震が発生して、のちにほぼ同規模の余震(誘発地震)が発生したということです。
地震の規模が大きくなれば、この海溝型とアウターライズはペアで発生すると考えるのが自然です。すなわち、3.11の超巨大地震のあとに同じような規模のアウターライズ地震が起きる可能性が高いということです(ほとんど100%でしょう)。
問題はその時期です。明治と昭和では37年を経て起きています。それこそ「忘れた頃」ですよね。しかし、いつも書いているとおり、37年なんていうのは、地球のスケールからするとほとんど同時と言っても良い。そういう発想が必要なわけです。我々人間中心のスケールでものを考えるから「想定外」ばかり起きる。
今回の地震、発生した位置や深さ、規模を考えると、やはり前震だと捉えた方がいいと思います。たとえば今回の震源付近が北端(始点)だとすると、間違いなくアウターライズの本震は、昭和の三陸地震よりも大規模になります。もしかすると、200キロ以上にわたって大きく跳ね上がるかもしれません。
そうすると、東北の太平洋沿岸部は、東北地方太平洋沖地震の時と同じ規模、あるいはもっと大きな津波に襲われるでしょう。
決して恐怖を煽っているわけではなく、実際にそういうことが起きる可能性が高いわけですから、それなりの覚悟と準備をしていなければならないということです。歴史に学ぶとはそういうことです。
しかし、それが今日かもしれないし、明日かもしれないし、100年後かもしれない。そこが難しいところです。
私は、今まで広義の「最大余震」として南側の房総沖を取り上げてきました。それは単に、そちらの方が早い、アウターライズはかなりあと、たとえば数十年後になると考えてきたからです。しかし、今日の地震によって、その考えを改めることとしました。
ちなみに、夜9時すぎに起きた銚子沖のM6.1は、その房総沖の予兆の一つです。余震が続く、つまり群発となった場合はこちらも要注意です。
そう考えると、もうどちらが起きてもおかしくない、場合によって近い時期に両方が起きるこそさえ想定しておかねばならないかもしれませんね。
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