Googleは暴走するのか!?
GoogleがEUなどの延期要請を無視し、予定通りに新しいプライバシーポリシーの適用を開始しました。
このことにいったい何人の日本人が恐怖を感じていることでしょう。正直それほどいないのではないでしょうか。私はその現実も含めて、今日という日がある意味歴史の転換点になるのではないかと危惧しています。
と言いつつ、今ワタクシはChromeでページを開き、そしてGoogle日本語入力を使って、この文を書いています。
1日に数十回Google検索をし、Googleカレンダーでしょぼいスケジュールを管理し、時々Gmailも利用し、YouTubeで昔のプロレスを楽しみ、ストリートビューやGoogleEarthでちょっとした旅行を楽しみ、東京に行けばGoogleマップに道案内をまかせます。
こうした日常の営みが、全てGoogle社によって記録され、そして統合され、データとしての「山口隆之」が肉付けされていく。これはある意味恐ろしいことです。
今回の、ほとんど強制的な改訂によって強化されたのは、まさにその「統合」の部分ですね。
今までも、私たちはそれぞれ個別のサービスにおいて、ごく無意識的にその利便性を享受し、あるいはそれを使いこなしているという幻想を抱き、実際には無防備に「自分」を提供してきました。
それを向こう側で勝手に統合してくれるというのです。今までは手や足や髪の毛など、バラバラに部品として収集されていたものが組み立てられ、いかにも「山口隆之」風なフィギュアとなって、棚に陳列されていくのです。
それぞれが関連付けられることを前提にしていないのに、ですよ。いや、私たちは、それこそプライパシーポリシーを「読まない」で「はい」だけクリックすることによって、制度上はそういうGoogleの行為を承認してきたのです。
しかし、さすがに今回はまずいでしょう。と言いつつ、脱グーグルできないのですが。そう、これって何か原発問題と似ているような気がしませんか?日常の利便性にばかり目が行って、その裏に潜む危険性は見ないようにしてしまうという人間の性。そして偽善の皮をかぶり、そこを利用する人々。
怖いですよね。特に今回私が驚いたのは、新しいプライバシーポリシーの中の、下記の部分ですね。(以下引用)
サービスのご利用時に Google が収集する情報
Google は、ご利用のサービスやそのご利用方法に関する情報を収集することがあります。たとえば、Google の広告サービスを使用しているウェブサイトにアクセスされた場合や、Google の広告やコンテンツを表示または操作された場合です。これには以下の情報が含まれます:
端末情報
Google は、端末固有の情報(たとえば、ハードウェア モデル、オペレーティング システムのバージョン、端末固有の ID、電話番号などのモバイル ネットワーク情報)を収集することがあります。Google では、お客様の端末の ID や電話番号をお客様の Google アカウントと関連付けることがあります。
ログ情報
お客様が Google サービスをご利用になる際または Google が提供するコンテンツを表示される際に、サーバー ログ内の特定の情報が自動的に収集および保存されます。これには以下の情報が含まれることがあります:
お客様による Google サービスの使用状況の詳細(検索キーワードなど)
電話のログ情報(お客様の電話番号、通話の相手方の電話番号、転送先の電話番号、通話の日時、通話時間、SMS ルーティング情報、通話の種類など)
インターネット プロトコル アドレス
端末のイベント情報(クラッシュ、システム アクティビティ、ハードウェアの設定、ブラウザの種類、ブラウザの言語、お客様によるリクエストの日時、参照 URL など)
お客様のブラウザまたはお客様の Google アカウントを特定できる Cookie
(引用終わり)
この中でも最も恐怖なのは、「電話」に関する部分ではないでしょうか。つまり、Android携帯を使っている場合、自分の電話番号、相手の電話番号、通話の日時なども情報として収集されるということです。
そこまでやるか、という感じですよね。それはGoogleの広告収入とは関係がないような気がします。
つまり、Googleの今回の経営戦略とういのは、アメリカの国家戦略(防衛戦略)の一部であることが明確だということです。
Google、つまりアメリカ国家は、情報による世界征服を狙っているのです。にわかには信じられないかもしれませんが、これはほぼ間違いありません。
マネーとデータは、ワタクシの「モノ・コト論」からすると、「コト」の権化です。貨幣と文字というのは人間が作り出した共同幻想であり、ある意味悪魔的な存在です。いつも書いているように、私は、そうした自ら創り出した悪魔に魅入られコントロールされている人間社会に、非常に危機感を覚えるのです。
「世界のインデックス化」がグーグル社の目的だとすると、それはそのまま管理、支配、経済的利益につながっていきます。その表向きに、我々の日常の利便性や経済性や効率性や快楽が結びつけられているのが、まさに悪魔的な部分です。原発と一緒です。快適と快感は理性を奪います。反省や議論を放棄させます。
震災や原発事故で痛い目にあった私たちなのに、また見えないパワーに屈して、いや踊らされていくのでしょうか。もちろん、私自身、こうやって踊らされていますが。
ご存知のように、Googleの社是の第一は「邪悪になるべからず」です。これを信用していいのか。いい人ぶっている人ほど怪しいというのは世の公理であります(笑)。はたして、今回の新プライバシーポリシーは暴走の第一歩なのか。あるいは、グーグルさんは本当に純粋な善人で、それを誰か悪者が利用しているのでしょうか。
これから「クラウド」化が進むと、ますます我々は雲の上の誰かに支配されるようになっていきます。一方的に情報を搾取されつつ、一方的に向こう側からの情報を絶たれる可能性もあります。スイッチ一つでそういう「攻め(責め)」を行うことができるのが現実なのです。
繰り返しますが、原発と一緒です。ことが起きてからでは遅い。一度立ち止まって考えてみるべきなのではないでしょうか。
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