BBCドキュメンタリー「津波の子供たち」"Japan's children of the tsunami " 3.11
先日紹介した『Inside the Meltdown』(メルトダウンの内実)に続き、イギリスBBCの優れたドキュメンタリーを紹介します。これもぜひ観ていただきたい。
先に客観的なことを書いておきます。この番組(作品)は、昨日紹介したNHKの番組とは対照的な作り方がされていますね。ご覧になれば分かるでしょう。
そして、そのどちらが皆さんの心に響くか、残るか、あるいは感情を呼び起こすか、考えを呼び起こすか。それはそれぞれだと思いますが、あらゆる表現作品において、作り手側および受け手側が、実は常に意識していなければならない大切なことでもあります。
そういう意味で、この2番組(作品)はメディア・リテラシーの教材としても使えそうだなと思いました。
それにしても、BBCの撮影、編集テクニックは本当に高度ですね。撮影で言えば、被写界深度の浅さを利用した、いわゆるボケ(Bokeh)、映画で言えば「Shallow focus」を多用して、我々視聴者を対象(特に子ども)に集中させることに成功しています。
今回はそれが功を奏したと感じました。子どもならではの純粋で鋭い言葉や表情を立体的に伝えるには、非常に有効な技術です。
うん、まず子どもに徹底的に語らせるというコンセプト自体が、日本国内では有り得ないかもしれません。災害弱者である子ども、自然とのつながりが深い子どもに、現実を語らせるのには危険も伴うからです。
そのあたりの処理もBBCはうまかったと思います。大人を適度に配置してクッションにしているように感じられました。
大人と言えば、私が業務上深く考えさせられたのは、あの大川小学校の一人生き残った先生の姿です。
私も生徒の安全を管理する立場です。地震はもちろん、富士山の噴火の際、どうやって生徒や職員を守るか。これは常に考えていることです。
一定のマニュアルはありますが、もちろんそれにとらわれるつもりはありません。「待機」「避難」「逃げろ!」の判断は私がしなければならないと覚悟していますし、そのための知識や「勘」は人一倍意識的に身につけているつもりです。
昨日の話で言えば、BBCの作品は見事な「物語」です。総体たる「モノ」を「カタル=コト化する」技術がうまい。「コト」の一部を意図的に構築することによって、補集合であるところの「モノ」の全体像を想起させる技に長けているのです。
そして、それこそが「ドキュメンタリー=言葉=文書=記録」の醍醐味でもあります。
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