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2012.02.27

アイドリングストップ禁止!?

20120228_123055 日のプライムニュースはドナルド・キーンさんが語る日本文学、日本文化。なかなか面白かったけれども、いつもの疑問が…。
 前もこちらに書きましたかね、
 私なんかより、ずっと日本文学を読み、感じ、解釈し、翻訳してきたはずのキーンさん。もう70年くらい日本語の研究をされているのに、なんで日本語が下手でいらっしゃるのでしょう(笑)。
 前の記事にも書いたとおり、それをもってなんとか純日本人としての優越感に浸って安心している自分なわけですけどね、それにしてもこの語彙数にして、このいかにも外人さんが話す日本語は…。
 これってやっぱり、読めれば話せるわけではない、ということの証左なのでしょう。私たち日本人の英語もそうですよね。キーンさんが漢語をバリバリにお話しになるのと同様、我々もラテン語、ギリシャ語語源の小難しい英単語を大学受験やらなんやらで覚えてしまっていますから。それでいて話せない。
 それにしてもなあ、ここまで母語の干渉が見られるというのも珍しいのでは。音韻はもちろん、とにかくピッチアクセント(高低アクセント)が苦手でいらっしゃる。「日本語」という単語自体、頭高のアクセントになってしまっている。ちなみに「英語」も頭高。
 まあ、逆に発音とかアクセントとかはどうでもいいということですかね。私たちが英語は話す際も。
 今日はその話じゃなくて、「アイドル」の話でした。「アイドル」と言ってもAKBとかじゃありません。あれは「IDOL」ですね。偶像。そっちじゃなくて、同じ発音の「Idle」です。てか、同じ発音なんだ。
 これって車のアイドリングのアイドルですね。これを思い出したのは、キーンさんの「英訳徒然草」のタイトルが「Essays in Idleness」だったからです。そっか、つれづれなりが「Idle」か。仕事してないっていう意味ですよね、「idle」って。本来の仕事がない感じ。だから「徒然なり」だ、たしかに。
 「人間失格」は「No Longer Human」か。なるほど。うまい…のだろうか。英語のニュアンスが分からないのでなんとも言えませんな。
 アイドルの話に戻りましょう。最近、というか何年か前から「アイドリングストップ」という言葉をやたら聞くようになりましたよね。皆さんもご存知のとおり、車のアイドリングを止めることです。
 でも、この英語なんか変じゃないですか?「Idling stop」って直訳すると、「アイドルしている停止」ですよね。つまり、私たちが考えている、あるいは求めていることと反対の状態になっちゃうような気がするんですが。
200612011220000 だから、この注意看板は正しいのです。「アイドリングしたまま駐めるなよ!」「エンジンつけっぱなしにすんなよ、うるせえし臭いんだよ、コラ!」ってことですよね、きっと。
 私たちの考えるあの行為だとすると、「Stop idling」だったらいいような気がします。ネイティヴ英語ではなんて言うんだろう…と思ったら、「no idling」または「idle reduction」って言うという情報が。ホントかな。
 ちなみに、いわゆるアイドリングストップをちゃんとすれば燃費は10%以上良くなると言われています。しかし、現実には始動時にたくさんのガソリンや電力を必要とするので、なかなか計算どおりにはいきません。
 5秒以内の停止ではストップしない方がいいとも言われていますね。それを自動的に感知(予知?)するのは現代の技術ではかなり難しいでしょうし、それをいちいち手動でやるのも面倒ですし、余計な神経を使うので、もしかすると危険も伴うかもしれません。
 大渋滞で当分動かないとか分かったとしても、それが夏であれば冷房、冬であれば暖房も必要でしょうし、オーディオなどに電力を消費し続けますので、バッテリーに大きな負担がかかります。
 皆さん、どちらにしても「アイドリングストップやめましょう」(笑)。
 
Amazon Essays in Idleness


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コメント

あー。。
アイドルストップですかね。
アイドリングストップって言ってるのは聞いたことないです。

で、当然、大容量のバッテリーが必要になります。
マーチクラスでISSをつけると、バッテリー価格は通常の5倍くらいでしょうか。
格安バッテリーなら10倍程度。。
そう考えると。。。です。
ついでに冬場は暖房のために水温が上がらないと、エンジン止まらないですし。。。
(おかげて冬場のプリウスは1割以上燃費が落ちる)

とまぁそんなもんです。
なんて言ったら怒られそうだな。。。

投稿: たこたよ | 2012.02.28 23:41

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