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2012.02.24

山梨県立博物館企画展 『おふどうと名乗った家 豪商大木家の350年』

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 日は博物館お隣の建物で某説明会に参加しまして、せっかく山を越えて国中(くになか…甲府盆地地区)に来たので、帰りにちょこっと寄ってみました。
 というか、博物館の年間パスポート持ってるのに、なかなか来る機会がなかったので、これはいかん(もったいない)という気持ちもありました。
 タイトルだけ見た時はなかなか渋い企画展だなと思っていたんですが、実際観てみるとこれが面白い。けっこういろいろなツボにはまりましたね。
 大木家は戦前の甲府を代表するお金持ち。「おふどう」呉服店を営みながら、まさに甲州商人の商魂たくましくお金と権力をほしいままにし…などと書くと勘違いされそうですね、実際には山梨の文化や教育に多大な貢献をした家柄です。
 まあ、そのへんがですね、最近の単なる金持ち、儲け一辺倒の企業とは違うところです。昔の地方の名家にはそういう徳というか、矜持というものがありましたね。
 それにしてもまあずいぶんとぜいたくな生活をしていたようですね。絵画で言えば、歴代の広重やら谷文晁やら富岡鉄斎やら、まあすごいものが普通にある。
 そういう代物はもちろんのこと、マニアックなワタクシの目は、福助人形とかビリケン人形とか、あるいは蓄音機などに釘付け。そうそう、一番びっくりしたのは、ステレオスコープ(活眼写真)ですね。つまり立体写真を観て楽しむ装置が2台あったこと。そして、立体写真自体も何枚か展示されていたことです。東京の風景やら美人の立ち姿やら。いわゆる総天然色写真でしょうか。残念ながら裸眼平行法で見るには左右の写真の幅が広すぎたので、当時大木家で盛り上がったであろう立体感の感動は味わえませんでした。
 まさに最近の3Dブームのはしりですよ。てか、もう100年以上前から流行ってるんですよね。
 さてさて、今回、それなりに楽しめた展示だったわけですが、どうにも解せないというか、個人的に不満に思ったのは、郡内(ぐんない…山梨県東部富士五湖地方)関係の物が一つもなかったことです。もちろん、博物館が意図したことであるとか、そういうことではありませんよ。たぶん、実際にないのです。
 大木家は呉服商。当時の郡内は織物の名産地。なのに、全くつながりがなかったのでしょうか。それが予想外だったわけです。
 実際のところ、展示されていたものを見るかぎりは、当時の大木家は、郡内ではなく、八王子や伊勢崎との取引がメインだったようです。
 私は当時の山梨県内の事情や、織物界の力関係などは全くわかりませんが、どうなんでしょうか、やはり国中の人たちは田舎の郡内よりも都会である八王子の方に興味が向いていたのでしょうか。
 郡内織と言えば江戸時代には国内最高の絹織物の一つであったわけですが、近代になってからは、いろいろと事情も変わったのでしょう。その辺についてはもっと勉強しないといけませんね。
 まあ、そういう商売上の問題よりも、今でも根強く続く、国中・郡内両地域の確執というか、相互嫌悪というか、実情は国中の郡内蔑視、そして郡内の国中敵視ですがね、そういうものが当時も色濃くあったのでしょう。ある意味今よりもそれが強かったかもしれませんね。
 いつも書いているように、まさに山梨の陰と陽です。フジファブリックとレミオロメンの対比ですね(笑)。今日も御坂で暖かすぎて汗かいたと思ったら、若彦路を越えるところで、雪が舞って来ましたからね。こりゃあ、明と暗に分かれるよなあ。
 この敵対のルーツは、戦国時代どころか、古代にまで遡ると、私は考えています。それがまた面白いとも言えるのです。私のように外から来た人間にとっては特に。網野さんなんか、そのあたりどうとらえていたのか。彼も実は郡内には興味なかったとか(苦笑)。
Ofudozuroku それにしても、この「おふどう」ロゴ、なかなかいいフォントデザインですよね。おしゃれです。
 この字体に決定するプロセスを垣間見ることができる「書」もあって、なかなか面白かった。
 当時は大変なブランドであり、このマークが山梨(甲府周辺)では一つの流行のシンボルだったのではないでしょうか。
 ロゴを使った様々なグッズ、「おふどうタイムズ」だったかな、店が発行する「流行通信」もなかなか現代的な内容で、こうしたメディア戦略にも長けていたお店だと思いました。
 しかし、これほどの隆盛を誇った呉服店も、昭和18年あっけなく閉店してしまいます。強力な戦争の負の力を感じるところです。
 この企画展、3月5日までやっているようですから、ぜひ行ってみてください。

山梨県立博物館かいじあむ公式
 

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