追悼 グスタフ・レオンハルト…映画『Chronik der Anna Magdalena Bach』
私の音楽人生に多大な影響を与えた「神」、グスタフ・レオンハルトさんがお亡くなりになりました。本当に残念です。
彼の多くのレコードによって古楽に目覚めた私が、衝撃を受け大興奮をした映画を、久し振りに観賞して、冥福を祈りたいと思います。
この映画「アンナ・マクダレーナ・バッハの年代記 (公開時「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」)」を観たのは、たぶん1984年くらいだったと思います。どこでどういうメディアで観たのか記憶はないのですが、その感動は今でも忘れません。誰かにビデオを見せてもらったのかなあ。それとも劇場で観たのかなあ。
いずれにせよ、あまり古楽器演奏の映像に触れる機会のなかった当時としては、非常に刺激的で貴重な体験であったと思います。
ただの古楽演奏記録映画ではないですからね。バッハのクロニクルであり、現代の名演奏家たちがバロック時代の楽器、舞台、そして扮装で、往時を忠実に再現しているのです。もちろん主人公バッハは油の乗り切ったレオンハルトが演じています。
もちろん、現代の古楽演奏に比べれば、この映画が製作された1967年当時の演奏は、ある意味精度が低かったり、ある種の間違いもあったりするわけですが、なぜか今どきの演奏よりも感動を催すんですよね。なんなんでしょうか。
きっと、そこに「発見」の喜びや興奮があったからでしょう。先駆者たちのエネルギーに満ちていると思います。
マニアックな映画ファンには、ストローブ&ユイレの監督作品としてもたまらない魅力がありますね。ある意味斬新というか、久々に観ると、このスタイルでこの感動的な作品を作ってしまうのだから、おそるべしです。結局はバッハの音楽を「映画」が邪魔していないということでしょうかね。これって大変なことです。
この映画に刺激され、この頃から私はグレゴリオ音楽院でアンサンブルを習い、都留音楽祭でスタッフを務めるようになり、どんどん人脈が広がり、そして今に至っています。
この映画で演奏されている曲もずいぶんと自ら演奏する機会を得ました。そして、3月にはとうとうマタイ受難曲をオリジナル楽器で演奏します。こんな日が来ようとは…夢のようですね。
これも本当にグスタフ・レオンハルトさんのおかげです。ありがとう心の師匠。安らかにお眠り下さい。そして、天国でもバッハを演奏し続けて下さい。
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