山梨県東部・富士五湖地方で震度5弱
さすがにビックリしました。しかし、直下型だな(震源近いな)とは思いつつ、いわゆる富士山直下(すなわち我が家直下)の揺れ方ではなかったので、それほど心配はしませんでした。
たまたまパソコンの前に座っていたので、揺れている最中からツイッターで分析・解説してしまいました(笑)。気象庁なんか1時間もかかった上に大したこと言わないし。
以下ワタクシのツイートでこの地震について復習してみましょう。
・おっと直下型だ。
・富士山ではないか。道志かな。
・でかい。
・物が倒れた。
・余震が続くな。@富士山
・道志川より東のような気もするな。
・また揺れた。
・富士山直下ではありません。
・やっぱり道志川断層だな。よくある地震だ。
・忍野村は地盤が弱いのでよく揺れます。昔、湖底だったから。
・正直兆候はなかったなあ。ちなみに富士山は平穏です。今朝のラドン濃度も13ベクレル。
・あと数回有感余震がありますが、これはこれで収束します。
・また揺れてるな。あえて言えば昨夜強烈な頭痛に襲われた。インフルエンザかと思った。今は治ったから体感だったのかもしれない。自分でもよくわからんが。
・富士山とは直接関係のない断層帯であることはたしかです。東部富士五湖って言われると知らない人は心配するよな。
・下の娘は3回目のでようやく起きたww
・まあたしかにこれだけ連発するのは珍しいかな。広い意味での3.11の余震(誘発地震)だろう。この辺もあの大地震で10センチ以上東に動いたわけだから、活断層に影響があるのは当たり前。
このあと、我が家は富士山から逃げるように東京へ向かいました。私は半蔵門でコンサートの練習。カミさんと娘たちは東方グッズを買うために秋葉原へ(笑)。
いや、富士山から逃げる気は全然なかったんです。逆にそれだけ緊張感や切迫感がないということです。本当に逃げるなら、猫たちを連れて行きます。
結局、予想通り小規模の余震を重ねつつ収束に向かっていますね。
さて、今回の地震の前兆については最後に記載します。まずは解説。
今回の地震は、このあたりでは最も活発な地震の巣で起きました。10〜20年に1度M5クラスが発生する地域です。いわゆる道志川断層帯。私の記憶に鮮明なのは、あれは1996年の春だと思いますけど、やはり震度5がありました。あの頃はまだ独身でボロアパートでとんでもなく荒んだ生活をしていました。もともと被災したような部屋だったので被害の詳細は不明でしたが(笑)、いろいろ物が飛び散った記憶があります。
それから都留の大学に入学した1988年の夏休み。M6が起きています。帰省後下宿に帰ったら、やはり物が散乱していましたっけ。
その後も震度4以下の地震は多発していましたので、その揺れ方の特徴なども体に染みついています。だから、すぐに「道志かな」と判断できたのでしょう。我ながらすごいな(笑)。
いつも書いているとおり、このあたりは、北米プレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレートの交合点です。力学的に言えば、太平洋プレートの影響も大きいので、4枚の板が押し合いへし合いしている世界的にも特殊な地域と言えます。だから富士山という素晴らしい山が出来ちゃったんですよね。
特に道志から丹沢にかけてはフィリピン海プレートの北端ということで、当然地震活動が盛んになります。
ちなみに伊豆半島はですね、フィリピン海プレートに乗っかってどんぶらこドンブラコと南から流れてきた島でして、ただ火山活動が盛んだったからでしょうか、ちょっと比重が軽くてですね、北米プレートの下に潜り込めなかった。それでドカンとぶつかって半島になったのです。ぶつかった時のしわ寄せが箱根です。
ですから、道志あたりは、伊豆半島の下の方の重い岩盤が表面から分離して潜り込んでいると言えるわけです。すごいスケールの話ですね。
そういうスケールで言うと富士山と全く関係がないとは言えないわけですが、現実的には直接富士山の噴火に結びつく地震ではありません。ツイートしたように「東部・富士五湖地方」と言うと地元の人でも「えっ?富士山大丈夫?」と思ってしまいますよね。
今回の地震で少し意外だったのは、大きな前震があったということです。最初のM5.0が本震だと思いました。ですからその後のM5.4は想定外でした。
これはちょうど昨年の3.9と3.11の関係に近いのではないでしょうか。本震の震源に隣接する地域で比較的大きな前震が起きうるということを再確認。逆に言えば、どんな地震でも、続いてそれ以上大きな地震か起きることを想定して行動しなければならないということです。
さてさて、ツイートの中では「前兆がなかった」と書いてしまいましたが、それは得意の地震雲や体感についてことであって、実はある意味科学的なデータを私自身が持っていました。それは大気中のラドン濃度です。
昨年11月に測定機器を購入し計測を始めたラドン濃度。実は今月15日をピークに異常値が現れていたんです。その後急速に数値が低下、そして発震。典型的な前兆パターンです。それを栃木の研究者様が解析しまとめてくださったので、ぜひこちらでご覧ください。1月28日夜の臨時日報です。
ボランティア観測網に参加しはじめて1ヶ月ほどで、このような成果をあげることができて良かったと思います。今後もラドン濃度の動向に注目していきたいと思います。
体感と言えば、昨夜すごい頭痛に襲われたんですよね。インフルエンザかと思ったんです。朝には治っていましたから、もしかすると予感していたのかもしれません。このへんも科学とは別の次元で記録と検証が必要ですね。
というわけで、このたびの地震は順調に収束していくでしょう。ただ、これから数十年にわたって活発な地震・火山活動期は続くと思いますので、富士山の噴火も含めて、もちろんしっかり想定に入れつつ、自然の声に耳を傾けていきたいと思います。
特にここ富士山は日本の霊的丹田です。4枚のプレートの力を集中しているという意味では、科学的にもヘソに当たるでしょう。ここでしか分からないことがあると思います。私はそれをしっかり感じ取り、皆様に伝えていければと思っています。
追記 これを機にラドン濃度の測定値を毎日朝晩2回ツイッターで公表します。よろしかったらフォローどうぞ(左上の黒猫の足元に入り口があります)。
30日追記 すっかり地震活動が収束しました。富士山もいつもどおりです。もし心配があるとすれば、道志川断層群の南側にあたる、神縄・国府津-松田断層帯ですね。あそこはM7以上の地震を起こすパワーを持っています。もちろん、東側の立川断層なども同様に活性化している可能性があります。いずれにせよ、東日本を中心にかなり歪みがたまっている(すなわち今までのストレスを解放するきっかけが増えている)状態ですから、いつでもどこでも注意が必要でしょう。
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コメント
先生 お久しぶりです。
揺れましたね〜
っていうか お皿洗ってて揺れはじめに気付かず、主人に「おい!地震だぞ!」と怒鳴られるしまつ。
余震もしっかり縦揺れでしたね。
3月の地震の後 壁などメーカーにチェックしてもらったときは大丈夫だったとおもうのですが 家の裏にあたる窓枠の下の壁ににヒビがある!と子供達が教えてくれました。(大人はなかなか裏には行きませんので気づきませんでした)
余震ですっかり慣れてしまったというか…良くないですね。
もっと神経を研ぎ澄ませて生活しないと。
投稿: さお | 2012.02.01 13:58