元気ですか!! 大晦日!! 2011
石井慧は木村政彦にはなれなかったのか…。
木村政彦の遺志を継ぐ岩釣兼生から、ホンモノの柔道を託された石井は、ヒョードルの強烈な打撃の前に轟沈しました。
木村ならヒョードルの打撃を捌いて組み付き、超高速の大外刈りで倒してから、得意のキムラロックで勝利していただろう…こんなふうに妄想するのもまた楽しいものですが、現実には今の柔道にはそういう力がまだないとういことが証明されてしまいましたね。
これはこれで現実として受けとめるべきでしょう。「当て身」とその防御術を復活させるにはとんでもない時間がかかるのではないでしょうか。
さて、今回の大晦日興行は、アントニオ猪木率いるプロレス団体IGFの力を借りて、総合格闘技のDREAMの試合を中心に展開されるという、今までにない画期的な内容でした。
ある意味水と油の関係になってしまっていたプロレスと総合がまぜこぜにされた上に、対抗戦まであるというのは、これは本当に夢のようなことです。
もともとIGFは現代プロレスへのアンチテーゼとして立ち上げられた部分があるので、本当ならなじむはずなんですよね。猪木さんや、あるいは馬場さんまでもが考えていたであろう「プロレスリングこそが総合的な格闘技である」という基本に立ち返っているわけですから。
で、実際のところどうであったか。
私はこの大会は大成功だと思いましたね。
あの会場のファン、そしてテレビやネットで観戦していたファンたちの多くが総合ファンであり、アンチプロレス派だったと思いますが、彼らの知っている最近のパフォーマンス色の強いプロレスと、IGFが示すプロレスリングとはかなり違っているので、ある意味驚いた部分もあったのではないかと思います。
私はネット観戦派だったので、会場の雰囲気はよく分からないのですが、IGFルールの試合はそれなりに観客の目を引きつけていたのではないでしょうか。
まだプロレスは死んではいないということを世間に示すことができただけでも、今年の大晦日興行は大きな意味を持っていたと思います。
特に、我が家の知り合いどうしの闘いとも言える、ジョシュ・バーネットと鈴木秀樹の試合は、まさに本来のプロレスリング、すなわち、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンを体現した好試合でした。その上で、現代的な見栄えのする(大会場でも説得力のある)大技も繰り出され、身内びいきでなく本当にバランスの取れた好試合だったと思いました。会場も「お〜」という感じでしたよね。
特に第1試合ての所選手のアクシデントもありましたから、プロレスの受け身のすごさ、フィジカルのタフさには皆驚いたのではないでしょうか。そこも含めてプロレスの技術だと思います。ジョシュと秀樹、本当にGJ!でした。
そして、唯一のIGFとDREAMとの対抗戦、澤田&鈴川 vs 桜庭&柴田。これは面白かったなあ。ある意味プロレスができない四人(苦笑)。いや、器用だけれども不器用というか、プロレスの奥深さに呑まれてしまっている四人が、まさに上田馬之助さんの言う「筋書きにはないドラマ」を演じてくれました。
あの不穏な雰囲気というか、プロレスの筋書きをギリギリ超えるか超えないかの緊張感と言いますかね、なんかとっても懐かしい感じがしました。
これで次につながるという空気が出来上がりましたが、はたして桜庭和志がそれに応ずるのか。ある意味大人になれるのか!?これは大変興味があるところです。
それにしても、ある意味四人と濃密で微妙な関係のある宮戸優光さんが、すごい存在感を示していましたね。放送でもアップでとらえられていました。
宮戸さんは、今プロレス界でほとんどただ一人、本物の「プロレスリング」を伝導している人です。武道や禅にも造詣が深く、精神性も含めて本当の格闘技をしっかり理解し教えることができる人です。
そんな宮戸さんの目と心に、あの試合や興行全体がどう映ったのか、ぜひ近いうちに聞いてみたいと思います。私も一観客、一ファンの立場から感想を述べさせていただきたい。
その他の試合についてもいろいろ語りたいところですが、あまり時間がないので割愛します。なにしろ長い長い興行でした。
それにしても、あまりにぴったりにカウントダウンを迎えられましたね。もうそれだけでも奇跡です。そこが猪木さんの不思議な力なのでしょう。まさに昭和の化け物、物の怪が生きているという感じでした。
今日はニコニコ生放送でプロレス&格闘技を観戦し、テレビでは紅白を観賞していました。まさに昭和のヤクザが残してくれた文化遺産ですね。暴力団排除条例のことなどもあり、ずいぶんと状況は変わってしまった今年ですが、結局日本人はこれがないと年を越せません。
結論、やはりプロは「強さだけではダメ」ですね。いろいろな意味で、力道山や木村政彦、美空ひばり、そして田岡組長の姿を見た大晦日の夜でした。
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