TPPに思う
忙しくて更新が送れています。今実際には11日の18時です。
もうすぐ野田さんが結論を出すんでしょうか。とりあえず10日は意志表明を先送りした形となりましたね。おそらく輿石さんの入れ知恵でしょう。国や国民のことよりも党内の事情と感じました。
さて、そのTPPについてですが、私はどういう立場かと言いますと、短期的あるいは感情的に言うと絶対反対です。
しかし、一方では長期的あるいは理性的に考えると、参加せざるを得ないかなとも思いますね。
つまり単純な賛成反対二元論では片づかない問題だということです。
両派の言い分は、それぞれの利益損失に基づくもので、どれもごもっともで間違ってはいないと思います。まあ、全ての政治的な選択はそういう種類のものですね。そして、そこを調整するのが政治家の役目です。
国民や、それぞれの立場の受益者たちはつい感情的、すなわち利己的になりがちです。そこを長期的、理性的に調整するだけの智恵と度量と交渉術を持ち合わせていないと政治家は務まらないということです。はたして今の民主党、いや民主党だけではないな、全ての政治家はそういう力を持っているのでしょうか。
ただ単に当面の政治生命をかけての判断だけで動かれてはたまりません。つまり選挙のことだけを考えて、感情的かつ刹那的な国民に迎合するだけではいけません。そういう政治家もいますからね。
ところで、この一連のアメリカの動きは、たしかに利己的(利米的)であって、ある意味太平洋戦争前夜のアジア侵攻の雰囲気すらありますね。つまり、アメリカがグローバリズムと称するのは世界のアメリカ化ですよね。アメリカのスタンダードの押しつけ、我田引水であるのは間違いありません。
しかし、アメリカを国家としてとらえるなら、それは別に間違った戦略でありません。また世界と同一化したアメリカが繁栄が、結果として世界の平和や繁栄を意味すると考えているとしても、別にそれ自体は責められません。
問題は、日本という国家が、そこに巻き込まれて、あるいは積極的に参与していくのか、それとも全く違った価値観と方法で世界の平和を目指すのかということにあるでしょう。
…と言いつつ、私はここで予言しておきますが(笑)、アメリカのその価値観は来年には全く意味のないものとなるでしょう。すなわち世界支配の道具としてのマネーの力は突如として失われる可能性が高いということです。
ギリシャやイタリアの経済危機は、近いうちに大規模な金融危機となり、世界に大きな波紋を広げることでしょう。当然アメリカ経済も大打撃を受けますし、中国も大変なことになるでしょう。それをきっかけにしてマネー経済、いや資本主義経済も市場経済も一挙に破綻、ここ100年間世界を支配してきた価値観は大きな転換を迫られるのではないでしょうか。
もちろん我が国にも大きな影響があります。ただでさえ震災や原発事故によるダメージが残る日本に、さらなる試練が訪れます。しかし、そういうピンチをチャンスに変えてきたのが日本の歴史であり伝統です。
というわけで、私の妄想の中では、このTPPの交渉に参加しようがしまいが、実は結果はあまり変わらないと思っているのです(苦笑)。
ある意味、私はもっと先を見ている…のでしょうか。
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コメント
頭冷やしてください。
投稿: 暇人 | 2011.11.11 21:15
TPPに乗ろうが無視しようが、所詮はこちらの交渉力の問題ですね。アメリカさんだって、日本が参加しなけりゃしないで困る面もあるわけで。
> しかし、アメリカを国家としてとらえるなら、それは別に間違った戦略でありません。
それが間違った戦略なんですけどね。
政治家さん達は「自国の利益を最優先に」って必ず言いますけどね、それが行き過ぎちゃった状態が今なんでしょう。自国の利益は他国の不利益です。自分ばかりが未来永劫にわたって利益を貪ることは、どう考えても不可能でしょう。利益を貪る相手が疲弊してしまえば、自分の首を絞めるだけですから。
アメリカさんには「俺が俺が」のジャイアン気質を直してもらわないと、EUからもASIAからも疎まれて、結局困ることになるでしょうよ。
投稿: LUKE | 2011.11.13 13:01