房総沖大地震はいつ起きるか?
政府の地震調査委員会は24日、東日本大震災を受けて見直しを進めていた東北沖の地震発生確率を改定し、長期予測として発表した。大震災の震源域の東側にあたる東北沖合の「三陸沖―房総沖の日本海溝寄り」では今後30年以内に、大きな津波を伴うマグニチュード(M)8以上の地震が30%程度の確率で発生するとした。50年以内では40%程度に上がる。大震災以前の確率からそれぞれ10ポイント程度高まった(日本経済新聞)。
…とのことです。一番上の図は朝日新聞、その下は毎日新聞のものです。同じ発表に基づいているのになんだかずいぶん違った印象を与えますね。報道というか情報というものはそういうものです。
見出しも朝日では『M9級地震「30年以内に30%」』、毎日では『三陸から房総沖M8以上「30年内に30%」』ということで、やはり印象が異なります。M8とM9では、ご存知のとおりエネルギー量は32倍違います。
これら地震調査委員会の試算は、それなりに評価できる点もあります。しかし、あのM9の大震災を全く予見できなかった(平成21年の発表)ことを考えれば、ここで示された数値もどこまで信用していいか分からないというものです。
特に、私の感覚からすると重要な三陸沖中部が「評価なし」だったり、宮城県沖が「不明」だったり、三陸沖南部海溝寄りが「M7.9ほぼ0%(M7.7前後最大90%)」だったり、ある意味何も言っていないに等しいといいますか、あまり参考にはならないような気がしますね。三陸沖北部が10%というのもなあ…。
さらに言えば、私をはじめ多くの方々が「喫緊」としてとらえている「房総沖」に関しては、「三陸沖北部から房総沖の海溝寄り」としてしか言及されていません。
読売の図を見ると「評価なし」となっていますね。ということは、改めて試算する気もないということでしょうか。
先日、BSフジプライムニュースに東大地震研の纐纈さんが出演され「敗北宣言」をしていらっしゃいました(動画はこちら)。番組の一番最後に、被災者である視聴者の方に励まされ涙されていたお姿が印象的でしたが、彼が語っていたように、地震予知は「経験科学」である上に、タイムスケールが大きすぎるために、その「経験」が異様に少ないのが実際です。「経験科学」の「経験」がないわけですから、結果として「科学」となり得ないということを、間接的に纐纈さんは認めた形となっていました。
しかし、房総沖の地震はけっこう記録や痕跡が残っているんですよね。なのになぜ「評価なし」なのか、正直よく分かりません。
詳しくは書きませんが、地下構造や過去の震源からして、私は房総沖の地震の震源域は5種類に分けられると考えています。
1、銚子沖 2、東方沖 3、南東方沖 4、南方沖 5、はるか東方沖(海溝寄り)
東日本太平洋沖地震の震源域に南接する地域として、このいずれもが不安定な状況にあると考えられます。場合によってはこのうちいくつかが連動することもあり得ますし、比較的短い期間の中で連発する可能性もあります。
問題はそれがいつ起きるかです。今いろいろな人たちによっていろいろな兆候が観測、観察されています。私の観察においても、3.11の前と同じような傾向が確認されており、可能性としては今日起きてもおかしくない状況であると言えます。
私は「科学」をやっているわけではないので、確率などという数字では表すことができません。あえて言えば「房総沖大地震が起きる確率は100%」ということでしょう。これは絶対に当たりますよね(誰でも言えるし当てられる)。
先の番組の中で、纐纈さんは「西日本大震災(南海・東南海・東海連動型大地震)は私が生きている間に起きるかもしれない」とおっしゃっていましたが、房総沖に関して全く触れておられませんでした。やはり「科学的」であろうとすると何も言えないのでしょうか。
私も西日本の大地震(ヨコの地震)も数十年の間には必ず起きると思いますが、それより先に房総沖だと予感しています。
もしいずれかの震源域で大規模な地震が起きれば、津波も発生します。その時は東海第二原発も危険ですね。3.11でもあと30センチ津波が高ければ間違いなく全電源喪失していたのですから。
東京も震度6になる可能性があります。首都圏直下よりも大規模な被害が出るかもしれません。
はっきり言ってしまえば、早ければ年内、遅くとも3年以内に発生するものと考えています。国としても都県としても個人としても、それなりの準備と覚悟が必要でしょう。
ps その他の地震については6月に書いた予想と変わっていません。
富士山は…今朝久々に直下型地震で飛び起きましたが、基本安定していますので心配していません。
参考…「フライデー」2011年12月9日号より
予想される地震について(2012.1.5)
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