「手放す」ことが本質への入り口
久々に母校の前を通りました。私にとって「静岡」は微妙な土地です。
私の出身地であり、私が多感な青春時代を送った場所であるにも関わらず、どうしても「故郷」という感覚を持てないできたところでもあります。
私は長男ですので、本当は静岡に帰って両親の面倒を見なければならないはずですが、結局それもせずにお隣山梨県に定住する道を選びました。
私は故郷を捨てたのでしょうか。実際のところ、すぐ近くでありながら、年に3回くらいしか帰りません。滞在日数で言えば、カミさんの故郷秋田の方が数倍長いのです。愛着も興味も、なぜか秋田の方が深い。不思議ですね。
たぶん、それは青春時代の苦い思い出のせいなのでしょう。ある意味挫折の地がここ静岡なのです。
だから無意識のうちに、いや意識的に避けてきたのです。特にその苦い思い出の場所にはなかなか足が向きませんでした。
そういう意味で、今日は本当に不思議な日でした。運命の一日だと言っても過言ではないでしょう。もちろん、それは私個人の問題であって、皆さんには全く理解できないことでしょうけれど。
今日がそんな日になろうとは、実は全然意識していなかったのです。ただ、船井勝仁さんの話を聞こうという気持ちだけでした。今日は静岡メキキの昼食会があり、そこで船井さんの講演が計画されていたのです。
ただでさえ、なかなか土日のスケジュールが空かないのに、なぜか今日10月16日だけはポッカリ空いていたというのも不思議です。最近そういうことが多いんですよね。
母校の前を通って向かったのは静岡の浅間神社です。まさにここでその昼食会が開かれるのでした。
この場所こそ実に運命的です。今日勝仁さんの話にもありましたとおり、ここは観阿弥が最後に舞った場所だとも言われています(時代的なことも含め、私は異論を唱えているのですが…)。能や舞踏、さらにはプロレスに縁がどんどん深くなっている私には、やはり特別な「場」です。
というか、それ以上に、こちらに書いた「賽銭拒否事件(?)」が発生した場所ですね(笑)。私の人生はコノハナサクヤヒメによって強制的に変えられたのです。それがあの場あの瞬間だったと、最近気づいたんです。ここは、そういう聖地でもあるのです。
そう、なんだかんだ言って、18歳の私が体験した非常なる、そして非情なる試練は全て「仕組み」の一部であったんですよね。今こうして富士山に住んで世の中に奉仕しているのは、あの挫折と失敗があったからです。そして、その修行の現場となった静岡と横浜は、避けても避けてもなかなか逃げられない、いや逆に縁がどんどん深くなっていく土地となっています。
自分としては、暗い過去の思い出、忘れたい思い出であったはずのあの日々。今はそれとしっかり対峙し、そして「ありがとう」と素直に言えるようになってきました。
今日の船井勝仁さんのお話は,まさにそういうお話だったので、本当にビックリしました。偉大な父親や母親の「呪い(呪縛)」、さらに社会(世間)の目を気にする「自我」の呪縛から、本当にようやく抜け出すことができた体験、いや、抜け出すというより、その本当の意味、「本質」に気づいた体験。それは、スケールは違えども、私も全く同じだったのです。
ここのところ、勝仁さんともいろいろな場で席をともにすることが多くなりまして、私と同級であり、また一日一食(夕食のみ)主義であるところなどから、なんとなく勝手に親近感を覚えていました。しかし、ここまで深いところで共鳴するとは、正直驚きました。
苦い過去やトラウマを「捨てる」のではなく「手放す」。「今までありがとう」と言って手放す。それこそが「本質」をつかむための第一歩であると、勝仁さんは熱く語ってくださいました。 「両親」「常識」「既成概念」…私たちが「手放す」必要があるのは、実は今まで私たちを守ってくれたものたちです。それと敵対するのではなく、排除するのではなく、感謝の気持ちをもってお別れする時代が訪れているようです。
本当に魂のこもった素晴らしい講演であったと思います。気づきの連鎖というのは素晴らしいですね。これこそ、教育の原点であるとも思いました。教育についても勝仁さんとはいろいろお話したいことがあります。今の腐った教育界をぶち壊して、真の教育を実現するのが、私の夢です。敵が巨大なほど闘魂が熱く燃えたぎりますね。
そのほかにも、様々な気づきを与えていただきました。本当にありがとうございました。まさに、全ては「必要・必然・ベスト」。私も大きな流れに乗って皆様の力をお借りしながら、自らの天命の全うに邁進したいと思います。
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