『 シリーズ東日本大震災 “帰宅困難 1400万人”の警告』 (NHKスペシャル)
娘たちを連れて静岡市の実家に来ています。
今日は特別とはいえ、この「暑さ」には閉口。ひと山(富士山)越えただけで、どうしてこうも違うのか。それだけ富士山が偉大な存在だということでしょうね。ま、標高差だけでも1200メートルありますから、単純計算だけでも6度は違うわけですけど。
途中国道1号線の由比・蒲原付近を通過しながら、ここで今東海地震が起きたら、さすがにヤバいなと思いましたね。津波も早ければ5分で来てしまう。あの山のどこまで登れるかな、さすがに無理か。
そして、さっそく父に半ば強制的に見せられた録画がこれ。まあたしかに勉強にはなりました。帰宅困難者か。
静岡市は人口70万。地方都市としてはまあ中規模ということでしょう。東海地震が発生すると、当然帰宅困難者が発生しますが、それは首都圏の比ではありません。その数のみならず、通勤距離からしても大きな混乱は起きないと考えられます。
ま、私は政府が想定する東海地震は単独ではもうしばらく起きないと考えてるんですけどね。あの東北の大地震のおかげで歪みの一部が解消したと感じているのです。今までかけた労力とお金とストレスはなんだったのか。そんな防災の歴史と今回の大震災は、地震予知の難しさというか不可能さを皮肉にも雄弁に語ってくれましたね。
さて、3.11や台風15号で露呈した首都圏の帰宅困難者問題。これは明らかに「人災」に属するものです。その根源は1000万都市の存在にあるでしょう。なにごとも局所に集中するとそこにリスクが発生します。自然界でもそうです。何かの拍子に高密度が生まれると、そのカウンターとしてエントロピーの法則が顕在化します。そんな自然の力に反してでも、その高密度を保とうとするのが人間のサガです。
それらを解決する方法として、一昨日も話題にしたネット社会とクラウド・コンピューティングが期待されているのでしょう。物理的、空間的な密集を拡散する術としては期待できると思います。あの記事では「分離と拡散の不安を避けるため」と書きましたよね。それを裏返せば、今後の社会のあり方が見えてくるというものです。
多くの帰宅者が抱えた不安、それは「家族の安否」です。家族は自分の一部。「分離と拡散の不安」を感じるのは当然ですね。都市がそういう不安を煽っているわけです。高密度であるのに、実は関係が疎遠で希薄というパラドックス。
出口王仁三郎が「みろくの世」として、「10万人都市」を提唱しているのは興味深いですね。農業を中心とした10万都市を世界中にちりばめるのが理想だと。たしかに経済性とリスク管理のバランスを考えると、そのくらいの規模のコロニーがちょうどいいかもしれません。
それらを網や雲が緩く覆っている状態。それが「みろくの世」なのかもしれません。
番組中、ある保育園が園児の安否情報にツイッターを使ったと紹介されていましたね。ウチの学校も地震発生後数分で一斉メールとツイッターへの投稿をしました。ウチの場合はほぼ全員がフォロワーだったこともあって、非常に有効に機能したと思います。その点ではもしかして全国一だったかもしれません。実際に混乱なく全員を保護者に引き渡しました。
リアルなコミュニケーションとネットを介しての情報交換。そのバランスを取ることがこれから私たちの課題なのかもしれません。そして、それを可能にする基盤としての都市の規模についても考えなければならないでしょう。
と言いつつ、久々に実家に帰ってきても、パソコンやiPhoneとにらめっこしていて、親と会話しない私って…苦笑。
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