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2011.10.29

再びM9が!?

Erm1011oct26

 「びマグニチュード9の地震が発生する確率が高くなってきました」
 先日、北海道大学理学研究院附属地震火山研究観測センターの森谷武男さんがこちらで上のような衝撃的な観測結果(途中経過)を発表しました。
 アカデミズムの方の発言だったこともあって、驚かれた方も多かったのではないでしょうか。
 しかし、森谷さんがこちらで述べているように、あくまでもこれは「予報」であって「安全情報」の一つであるということです。
 私もこのブログのどこかに書きましたね。最近ではここ「地震予知はどうあるべきか」でしょうか。ここでは「予知」という言葉を使っていますが、記事中にあるように、私も基本的に「安全情報」たる「予報」を一般化せよと言っているのです。
 最近の私は、地震雲や体感によって予報をしています。それをあくまでも「安全情報」「予報」として時々Twitterやこのブログで発表しています。もちろん、予報がはずれて良かったと思うことも多々あります。たまに的中して自分でも驚く時もあります。
 そういう各個人の得意とする方法での「予報」はどんどん世の中に出てきていいと思います。その一つが森谷さんのVHF帯電磁波散乱体探査法による予報なのです。
 森谷さんの手法は、有名な串田さん(天文少年だった私にとっては流星観測の世界で神でした)のFM波観測を発展させたものです。最近では似たような方法で電通大の先生方も予報をしていますね(ただし電離層に関する考え方については両者は相容れないようですが)。
 まあ、いずれにせよ、電波を使った科学的、いや「半」科学的な研究方法です。「半」という理由はお分かりになるでしょう。観測方法は科学的ですが、結論は科学的でない、つまり「なぜそうなるか分からない」ということです。
 その「半」科学的な観測データを見ますと、3.11の時の観測実績から言って、たしかにデータ的には「M9の地震が発生する確率」は上がっていると判断できますね。ですから、予報的な観点から言えば、上記の言葉には全く間違いはありません。ただ、それが何%上がって何%になったのかは分かりません。そこまで研究が進んでいない、すなわちまだ「科学」の入り口だということです。
 しかし、森谷さんはあえて発表しました。これは正しい判断だと思います。私が自らの予報を発表するのと同じように、「地震予報」という土壌を作るためには、とにかく自らが知り得た情報はどんどん開示すべきだからです。
 そう言うと、「嘘やデマやオカルト的予言が横行したりして、情報が玉石混交になって混乱するのではないか」という意見も出てきそうですが、こうした絶対に必要な情報というのは、時間とともに必ず確率の高いものが残っていきます。不必要な情報は淘汰されていきます。
 今はとにかく、地震予報がはずれた時、「なんだ起きないじゃないか!ウソつき!」ではなく、「はずれて良かった」と皆さんが思えるような環境を作ることが大切です。もちろん、「はずれて良かった」の先には、「地震は先送りになっただけで、さらに大規模な地震が未来に発生する確率が上がった」という捉え方も必要ですが。
 さて、今回の森谷さんの予報についてですが、私にはさすがに連続してM9が同じ場所で起きるという発想はありませんでした。しかし冷静に考えれば確率がゼロだとは絶対に言えません。今までの歴史的経験から想定される科学的な(すなわち再現可能な)意味ではほとんどゼロでしょう。しかし、そういう発想こそが以前書いた科学の限界であって、私たちが未知のメカニズムで地殻の破壊が起きることもありえますし、東北地方太平洋沖地震の震源域に隣接するアスペリティが同程度に破壊される可能性もあると思います。
 いずれにせよ、最近余震の回数も減り、規模も比較的小さくなって、いわゆる収束に向かっている印象がありますが、私はまだ最大余震さえ起きていないと判断していますし、こうした「予報」によって、我々が「天災は忘れた頃にやってくる」という経験則から脱却できることを願うのみです。
 ちなみに私の「予報」では「房総沖でM8以上の地震が発生する確率が上がっています」という警報が継続発令中です。


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