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2011.09.28

『Gスピリッツ Vol.21』 (タツミムック)

20110929_62813 Special thanks にカミさんの名前が…それについては最後に(笑)。
 いやあ、感動しましたねえ。感慨深い。地獄の墓掘人、欧州の帝王、伝説の最強レスラー、スープレックスの神様ローラン・ボックの2万字インタビュー。
 今回の偉業を実現したのは、我ら夫婦の共通の友人であるプロレスライター那嵯涼介さん。よくぞボックを見つけてくれました。そして、ボックもよくぞここまで語ってくれました。
 これは那嵯さんはじめ私たちの永年の想いと、ボックの日本のプロレス界やファンに対する特別な感情の奇跡的な邂逅によって実現したのです。30年の時を経て、こういう再会があるということに、まずは感動しました。
 私にとってボックは不思議と特別な存在です。彼が来日したのは81年82年ですから、当時私は17、8歳。高校生ですね。
 あの頃の私は、新日も全日もテレビでよく観ていましたが、どちらかというと全日寄りだったのでしょうか、アントニオ猪木に対しては複雜な感情を持っていたんですよね。強さを認めるからこそ、誰が彼を倒すかということに非常に強い興味を持っていました。
 私は判官贔屓、すなわち弱者に対する共感が強いのでしょうね。そういう意味では、ホーガン贔屓だったかもしれません(笑…ホーガンは猪木を倒してしまいましたが)。
 そんな中、初めて観たボックは、本当に猪木を倒してしまいそうな風情を持っていたのです。実際、ボックはかの地において、あの「シュトゥットガルトの惨劇」と言われる壮絶な戦いの末、猪木に勝利しています。そんな実績を引っさげての来日でしたから、私の胸が躍らないわけはありません。
 今回はその「シュトゥットガルトの惨劇」の内幕や、その惨劇が引き起こしたとも言える人生の惨劇についても知ることができました。
 いやあ、伝説はこうして自身に語られて、その力を失うどころか、さらに伝説化が進むから面白いですね。おそらくは私たち同様に、彼にとってもその後の歳月と体験とによって、過去が伝説化しているのでしょう。
 彼の生い立ちやアマレスの実績、プロレスラーとしての矜恃など、本当にいろいろなことを知ることになりました。ショーを認めず、あくまで実力勝負を挑んだ彼らしい人生であったとも言えましょうか。いや、皮肉なことと言えば皮肉なことですけれど、結果として充分にドラマチックな人生、いかにもプロレス的な挫折と再起の物語になっていましたね。
 そういう「物語」を引き出した那嵯さんに心から Good job! と申し上げましょう。
 そうそう、ボックと那嵯さんの「シューター」定義の微妙な違いも面白かったし、それにも関係するでしょうか、ボックの「総合格闘技(MMA)」論も我が意を得たりでした。
 実に好々爺然とした最近の写真も、彼の「優しさ」のようなものがにじみ出ていて、あの頃の殺気を感じさせるオーラと好対照でした。厳しい中を通ってきたからこその優しさというのは美しい。
 久々にあの頃のボックを観たくなって、YouTubeを検索しました。ああ、懐かしいなあ。たしかに今観れば、ベストコンディションには程遠い体や動きかもしれませんが、やっぱり「オーラ」は出ていますね。カッコイイ。

↓ボック vs 長州力

↓ボック・ハンセン vs 猪木・藤波

 その他、橋本真也特集も興味深かった。特に馳浩のプロレス観は興味深い。新日と全日の両方をよく知っている、つまり猪木さんと馬場さんの両方からしっかり教えを受けている人らしい。そして文学、教育の人という感じがする。私は彼に共感するところが多いのです。
 まあ、日本のプロレスというのは「語る」ことができるジャンルですよね。J-Rockなんかもそれに近い。欧米ではこんなに語らないでしょう、自ら。日本人は「物語」が好きですね。事実という「コト」だけでは、この世界や我々の人生は味気ない。「モノ」を語ってなんぼです。豊かに生きたいじゃないですか。
 あっそうそう、なんでボックの記事にカミさんの名前が出ているか。それは、彼女、知らず知らずのうちにボックの物語に関わっていたのですよ(笑)。全く不思議なことはあるものです。
 30年前、まさか自分のカミさんがボックの言葉に絡むなんて、まあ夢にも思いませんでした(当たり前か)。
 この前は「ムー」に私の名前が載り、今度は「Gスピリッツ」にカミさんの名前が…人生何が起きるか分かりませんねえ。何ごとも長く続けるといいことあるもんだなあ…ん?…二人ともあの頃から変わってないってこと?ww

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コメント

ご購読、ご感想、有難うございます。

ネット上での評価も概ね好評のようで、ホッとしているところです。
どういう形式のインタビューになるか、ボック氏からの返答が来るまではかなり不安もありましたが、当方の予想を遥かに上回る含蓄のある言葉がそこには書き連ねられておりました。
自分でも久しぶりにいい仕事にができたと、自己満足しております。

奥方を勝手に引っ張り込んで、申し訳ありませんでした。
ですが、今後もこういうお願いが多々あると存じますので、その節は何卒ご容赦下さい。

投稿: 那嵯涼介 | 2011.10.07 11:49

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