『決定版 民主党と日教組』 阿比留瑠比 (産経新聞社)
鉢呂吉雄経済産業相辞任…予想どおりの展開です。その程度の男だと思っていましたから。
ウチの小学生の娘も「お子ちゃま以下!」と評しております。全くその通り。国際的にも恥ずかしすぎます。情けない…。
鉢呂が大臣になった時、ちょうどこの本を読んでいました。この本の後半にしっかり名前が出てくる彼が経産相になったと聞いて、本当に気持ち悪くなりました。
なぜなら、この本の前半の、いや全体の主役である輿石東がすでに幹事長になっていたからです。
野田さん自身にはどちらかというと期待さえしていたわけですが、その後の人事には本当にガッカリして、語る気さえなくなっていました。
そう、そのお二人ともに、日教組という教員組織を票基盤にして国会議員になった人間です。そんな二人が発言一つとっても「お子ちゃま以下」なわけですから、実に悲しむべき事態です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、日教組の中でも輿石の山梨、鉢呂の北海道は、先生方が本来の教育の業務をそっちのけで票集めに奔走している県として有名です。
ワタクシの地元山梨は特にひどい状況で、その悲惨さについては、こちらに少し書きました。
その内容をさらにリアルに暴露してくれているのがこの本。そう、この本の半分以上は「日教組」ではなく「山教組」の、そして「民主党」ではなくて「輿石東」の話なんですね。つまり、本来ならタイトルは「決定版 輿石東と山教組」とすべきなのです。しかし、それだと山梨では売れるでしょうけれど、全国的にはさすがに不利ですよね。
ここで確認しておきたいことがあります。先の記事にも書きましたとおり、「山教組」の「悲惨さ」は決して公立の先生方個人のことではないのです。いわゆるいかにも「日教組」的な左翼思想を持つ先生など皆無に等しいですし、組合を通じて教育技術の向上を目指して真剣に研鑽している先生もたくさん知っています。
また、管理職になるには、すなわち出世するには組合活動でご奉公しなくてはならないと言われていますが、だからと言ってそういう方々がみんな輿石東に魂を売っているわけではありません。まじめで能力のある先生が、実際子どものために、そして山梨県のために教育活動をし、その意味で影響力を持つためには、基本的にそういうルートしかないのですから、しかたなく、不本意にそういう活動をせざるを得ないというのが実情だからです。
だからその「悲惨さ」というのは、私のようなカヤの外の人間からすると、「可哀想」という意味なのです。本来の崇高な志を貫くためには、不正義を働かなければならないなんて、どう考えても悲惨な可哀想な状況じゃないですか。
私が異常なほどに反感を抱くのは、そういうシステムを利用して、すなわち極言してしまえば、そういう純粋な魂を持った先生と、そんな大人の事情を全く知らない無垢な子どもたち(とその親)を食い物にして、自らの地位と名誉とカネを得ている一部の人間に対してなのです。
実際のところ、山梨県の公教育の現場には大変お世話になっています。自分の娘たちも大変充実した教育を受けていますし、カミさんは某公立中学校で英語を教えています。私自身も生徒募集にあたって多大な理解と協力をいただいていて、本当に足を向けて寝られないとはこのことだというくらい感謝しています。
だからこそ、私はこの「システム」に興味を持ち、疑問を抱き、そして先生方のために、子どもたちのために、その見えない巨大な何かに立ち向かおうとしているわけです。
内部から変えることは絶対に無理なのです。知り合いの先生方はみんなそう言います。もうそういうものだから仕方なく従っている、いや、もう異常すら感じないほどに伝統化、日常化してしまっていると。これはすごいことです。
そのシステムに逆らうことは、すなわち「死」を意味します。この本でも、そのシステムの内容を、産経新聞の記者である著者に内部告発しているある先生が「殺されるかもしれない」と言っていますが、本当にそうなのです。もちろん「死」は「教師として、職業人としての死」だとは思いますが…。
そうですね、つまり、この無言のプレッシャーと無反省化ということで言えば、この「山教組」の実態は北朝鮮やオウムのシステムに似ていますね。
日教組という全国組織の性質や、それができた際のいろいろな事情についてはまたいつか書きます。しかし、その本体の問題以上に、ここ山梨という特殊な地域、「保守王国」という言葉では全く説明がつかない不思議な伝統や文化、県民性について、なかなかここでは語り尽くせません。
公立の先生方は、そのほとんど全てが純粋な山梨人です。だから分からない、変われないという事情もあります。その点、私は外から来た人間ですし、私学の人間ですから、客観的にその状況を観察できますし、動きやすいということもあります。実際山梨には親戚も一人もいませんから、誰にも迷惑かかりませんしね。もし住めなくなったら引っ越せばいいだけの話ですから(苦笑)。
一部の公立の先生方からも、ひそかに応援をしてもらっています。つまり、彼らも「面倒くさいなあ」と思っているのです。そういう無言のしがらみが。しかし、自分のこと、親のこと、家族のことなどを思うと、結局何も言えないわけです。間違っていると分かっていても従うしかない。そして、間違っているとまじめに思うと、その世界で生きていけませんから、結局「鈍感」「無感」になるしかない。
というわけで、そういう恐ろしいシステムを利用して国家を動かす立場に成り上がり、そこでさっそく馬脚を現した鉢呂という人間、まあバチが当たったとも言えますが、その過程でどれだけ人を傷つけてきたか、存分に反省をしてもらいたいと思います。
この際、輿石東も失言か何かで失脚してもらいたい。そうしないと、山教組の活動がまた活発化してしまうし、輿石を国政に送り出した山教組OBの皆さんがお祭り的に発言権を強めかねません。
輿石さんにもいいところはあったんです。教員として彼、また組合での調整役としての彼、また民主党のおじいちゃんとしての彼(?)には、それなりの価値があったと思っています。ある意味人望がなければここまでは成り上がれなかったでしょう。
しかし、自分の後輩たちに違法行為をさせているという事実を、教育者としてしっかり認めてほしいですし、教育者以前に人間としての良心を思い出して、身を処してもらいたいと思います。
う〜ん、それにしても興味深い。なんでこんな見事な組織ができたんだろう。しっかり勉強してみようと思います。私も本が書けそうだな(笑)。
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