『おりがみ仏像をおる−豊彰流おりがみ』 河合敦子 (誠文堂新光社)
中学の総合の時間で今「折り紙」を教えております。
本校の総合的な学習の時間は、日本文化をたっぷり教えています。茶道、能楽、座禅、礼法などなど。その一つとして2年生の2学期は「折り紙」に挑戦中です。
昔取った杵柄…まさにそれですね。私が折り紙にはまっていたのは、なんと40年以上前(笑)。つまり、幼稚園に通っていた頃です。
そうそう、最近実家で当時の私の作品が発見されたのだとか。私はまだ見ていませんが、なんでもクジャクやら飛び立つツルやらサイやら、ずいぶんと高度な折り紙を作っていたようです。そう、前に紹介した笠原邦彦さんのシリーズを端から作っていたらしいんですね。
ちなみに今、小3と小6の娘がその本にはまっていて、ヒマさえあれば折り紙をしています。小学生にとっても結構難しいようで、「パパは天才だった!」とビックリしてくれています(笑)。ま、はたち過ぎればタダの人ですが…。
ちなみに今学校で使っている教材も笠原邦彦さんのこちらの本です。
いやあ、折り紙を折らせるといろいろなことが分かります。生徒の性格や能力というか、適性でしょうかね、いろいろなものが見えてきます。
実際折り紙というのは非常に高度な抽象的思考と具体的行動が要求されますよね。だから世界でも有名であり、人気があり、代表的な日本文化だと言われるのでしょう。
まず、ちゃんと折り図が読解できるか。記号や図と文字の情報を、自分の手に持つ実際の上で具現化できるかという部分で、大きな壁がありますね。
あとは手先の器用さや繊細さ几帳面さも作品にすぐに現れます。もちろん折り紙における「折れない心」も。つまり、途中であきらめずに何度も試行錯誤できるかどうか。そして、集中力。
本当にいい教材だと思います。もちろん、一つでも折り方を覚えておけば、必ずや将来、育児の場や国際的な場面で役立つことでしょう。そういう意味も含めて勉強中ということです。
さてさて、今日紹介するのは、最近自分のために買った折り紙の本です。笠原さんとはまた違った個性を持つ、河合豊彰さんの折り紙です。
河合さんは日本を代表するオリガミストの一人ですね。特に「面」の折りに関しては世界的に有名な方です。ミスター・マスクと呼ばれるほどに、「面」すなわち「顔」の折りを極めた方です。
残念ながら数年前にお亡くなりになってしまいましたが、彼の業績は今後も「文化」として語り継がれていく、そして折り継がれていくことでしょう。
私も仏教に関心があり、日々を修行だと思って生活している者ですが、なかなか実際のところ座禅したり読経したり写経したりはできません。理想としては仏像でも彫りたい気分ですが、もちろんそんなこともなかなかできません。でも、折り紙なら紙一枚あれば、筆も彫刻刀もいりませんね。
そうそう、生徒たちも普通にあるコピー用紙から正方形を作るところからやるんです。実は個の世の中には正方形の紙ってそんなにないんですよね。まずは正確な正方形を作るところからです。
長方形の紙なら本当に世の中に溢れています。そして毎日とんでもない数の長方形の紙が捨てられていますよね。そのほんの一部でも折り紙にしてあげたらいいと思うんです。特に仏像を折ったりすれば、それこそ捨てる「紙」が拾う「仏」になるわけですから、なんか御利益もありそうじゃないですか。
実際のところ、けっこう豊彰流の折り紙は面倒な部類に入るのですが、その絶妙ハードルこそが、折り紙という修行の醍醐味だと思います。ぜひ、皆さんも挑戦してみてください。
Amazon おりがみ仏像をおる―豊彰流おりがみ
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