『笑神降臨…鳥居みゆき』 (NHK)
狂宴封鎖的世界「穴」
頭がいい。感性が鋭い。演技がうまい。プロ根性がすごい。そして美しい。
録画しておいたものを家族で観ました。久々に重く感動する笑いを体験したなあ。最近の単発ネタ系のお笑いにはうんざりしているせいもあって、こうしたしっかり構築されたシナリオ系の笑いには、惹きつけられますね。
そういう意味では、私は最近NHKの笑いしか観ていないかもしれません。定期的に笑っているのは「サラリーマンNEO」ですね。今週の「クラシック」は抜群に良かった(笑)。
しっかりした脚本としっかりした演技。そして世相を映すアイロニーとペーソス。お笑いと演劇は本来同一のものであるべきです。
そうですね、そういう意味では、NEOのほかでは2年前の小林賢太郎テレビもそれなりに面白かったのですが、逆に微妙な面もありました(彼やウッチャンやまっちゃんがNHKと関わって「微妙」になってしまった原因についてはこちらに書いてあります。ぜひお読み下さい)。
その点、鳥居みゆき、かなりの天才ですね。知性で「知」をコントロールするのではなく、感性で「知」をコントロールしたために見事なバランスになっていました。
狂宴封鎖的世界「穴」と題された全体像の中に浮かび上がった「現代の閉鎖性」「現代の孤独」。そして四つのエピソードそれぞれの微妙な統一と変化。そして一つ一つの言葉のセンスとナンセンス。
30分の壮大かつ軽妙な交響楽を聴いたような感覚が残りましたね。素晴らしい。
同じ秋田県出身ということもあってか、カミさんは今までも彼女に興味を持っていたようです。私は実はあまりよく知りませんでした。しかし、今日のこの番組ですっかりファンになってしまいました。
こちらの公式ページにあるスタッフのメモを読むと、彼女のプロ根性がよく分かりますね。
ぜひ単独ライブにも行ってみたいと思いました。カミさんと話しました。こういう授業したいよねって。部分で惹きつけつつ、全体でメッセージを伝えられるようなパフォーマンス。終わったあとに何かが心に残り、もう一度体験したいなと思わせるような内容。う〜ん、難しいなあ。ちゃんと訓練しなきゃいけないだろうなあ。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 『大鹿村騒動記』 阪本順治 監督作品(2025.05.17)
- 『砂の小舟』 丹波哲郎 監督作品(2025.05.08)
- 追悼 大宮エリーさん(2025.04.28)
- 『新幹線大爆破』 樋口真嗣 監督作品(2025.04.23)
- 『アルプススタンドのはしの方』 城定秀夫 監督作品(2025.04.01)
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- 佳子さま降臨(2025.05.16)
- 「超々広角」星空観賞用双眼鏡 Super WideBino36(笠井トレーディング)(2025.04.27)
- ホワイト社会?(2025.04.22)
- 小林一三『清く、正しく、美しく』(風々齋文庫)(2025.04.11)
- 綾小路きみまろ『爆笑スーパーミニライブ』(2025.04.02)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 光明寺さん(小山市)で思う(2025.05.23)
- 榮山寺のカオスとコスモス(2025.05.22)
- 吉野〜南朝の幻影(2025.05.21)
- 『超国宝』展 (奈良国立博物館)(2025.05.20)
- 私的「大鹿村騒動記」(2025.05.18)
「教育」カテゴリの記事
- 古文訳J-POP(有隣堂しか知らない世界)(2025.05.12)
- 『だっこがしたい足くん』 そうた (Clover出版)(2025.04.29)
- 追悼 大宮エリーさん(2025.04.28)
- 国語便覧(第一学習社)(2025.04.25)
- ホワイト社会?(2025.04.22)
「文学・言語」カテゴリの記事
- 岡崎市円山の神明宮と古墳群(2025.05.24)
- 古文訳J-POP(有隣堂しか知らない世界)(2025.05.12)
- 「ドアを閉めます」(名鉄)(2025.05.10)
- 能『杜若』(2025.05.01)
- 追悼 大宮エリーさん(2025.04.28)
コメント