富士学苑中学・高校 ジャズバンド部 第9回リサイタル
Eternal Music 〜久遠の音楽〜
我が校のジャズバンド部「Moon Inlet Sounds Orchestra」のリサイタルに行ってきました。
会場は今春リニューアルなった富士五湖文化センターふじさんホールです。富士五湖文化センターと言えば伝説のフジファブリック凱旋ライヴが行われた聖地ですね(一部の方々にとってですが)。ホールはリニューアルと言っても、基本昔のままで、表面だけきれいにした感じです。ある意味「聖地」が保存されたということでめでたしめでたし。こけら落としはフジファブリックで、という話もあったそうですが、ちょうどあの震災があり、実際にはこけら落としイベントは中止となってしまいました。
そんな自粛ムードが続く中、いち早く同ホールでチャリティーコンサートを開いたのがこのジャズバンドでした。そう、今年は彼らは特別な感情と意義を抱えながら様々なステージをこなしたと思います。先日は仙台の21st 定禅寺ストリートジャズフェスティバルでひときわ大きな喝采を浴びてきました。
本校は仙台に姉妹校があることもあり、かなり早い段階からいろいろな形で被災地に支援をしてきました。その一つがこのジャズバンド部の音楽による癒しと応援だったのではないでしょうか。
そう、以前、音楽は「瞑想と陶酔」のためにあるとどこかに書きましたが、それがつまり「癒しと応援」、「祈りと鼓舞」なのです。そういう意味で、今年の生徒たちは格別な「音楽体験」をしてきたと思います。
また、夏にはエリック・ミヤシロさんや東京スカパラダイスオーケストラとの共演なども果たしましたし、今や名実ともに日本一の学生バンドになったと思います。
そんな今年のバンド、当たり前ですがいかにも今年のバンドという響きがしていて楽しかった。決してエッジが効いているわけではないのですが、どこか丸い温かい輪郭を持った音楽が届いてきました。テクニックどうこうということではなく、やはり彼らの一つ一つの経験、人々との触れ合いがこういう音楽を創ったのではないでしょうか。
そういう意味では、本当に生きた音楽であったと思います。ただ巧いというのとは違う、もっと魂の部分で響き合うアンサンブルでした。
これぞ教育だなあとも思いましたね。昨日の日教組の記事なんてどうでもよくなりました(笑)。やっぱり学校の主役は生徒です。先生は良きプロデューサーであればよい。そういう意味で顧問の大森先生は日本一のプロデューサーでしょう。
そして会場にたくさん駆けつけてくれたOB・OGたち。彼らがMISOの歴史を支え、創ってきたことを思うと、ますます音楽とは「縁」そのものだなと感じましたね。卒業後、プロを目指す者もいれば、アマチュアとして楽しんでいる者もいる。そして、音楽以上に楽しいことを見つけた者もいる。素晴らしいじゃないですか。そういう姿に接する時もまた、教師冥利につきる瞬間です(自分も負けていられない!進化しなきゃ!)。
中学生も実に堂々と頑張っていましたね。日本一の環境、日本一の先輩たちに囲まれて、私たち教師から学ぶこと以上にたくさんのモノを毎日吸収しています。恐ろしい成長率です。
3年生はいちおう(中心的存在としては)最後のステージということになります。これからはそれぞれの進路へ向けてラストスパートをかけなければなりませんね。偉大なる先輩方がそうだったように、ジャズから学んだこと、人との縁から学んだことは、進路決定にも、そして人生全てに役立ちます。自信ををもって突っ走ってもらいたいと思います。
私も癒され、そして鼓舞されました。まさに音楽は「久遠」です。時空を超えるエネルギーです。ありがとう!
MISOの今後のスケジュールはこちら。
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