『ムー 2011年 10月号(「宮下文書」の謎)』 (学研)
うわ〜懐かしい!ものすごく久し振りに「ムー」を読んでいます。
いきなりUFOだUMAだポルターガイストだエイリアンだ霊だ吸血鬼だ大地震だ…昔と全然変わらないじゃん!素晴らしい(笑)。
そして!ついに憧れの(?)ムーに名前が載った〜!そんな関係もあって、今回は購入したのではなく、学研から送られてきました。
というのはですね、今号は富士吉田に残る怪しい古文書(古史古伝)「宮下文書(富士古文献)」の特集でして、その関係で私が撮影したある写真が使われているんです(79ページ)。
先日の「出口王仁三郎の遺言」に続き、一般的な書物に自分の名前が載るというのは、なんとも不思議な感じがしますし、正直ちょっと嬉しいですね。何事も30年以上も続けていれば社会的な価値になってくるということでしょうか。
本当のことを言いますと、私は同古文書については、おそらくその深奥部(つまり夢のない現実的な価値)まで含めると日本で一番よく知っている男だと思います。
しかしムー的に言いますと、私のような人間が客観的にこういうトンデモ系文書を評価してしまうと、いわゆる「商品」になりえなくなってしまいます。だから内容には関わることができません。写真提供だけです。
ある部分では、私はこのようなムー的な世界からいちおう卒業したわけです(たぶん)。少年の頃(中二病の頃)は、真剣に読んでいましたがね。今でもたとえば出口王仁三郎の研究なんかをしていますから、人から見れば充分オカルトしているように見えるでしょうけれども、そのスタンスは昔とはずいぶんと違います。
そうそう、昨日のオウムにも関係しますよね、思いっきり。たとえば上祐なんかもかなり熱心にムーを読んでいたそうです。それも大学時代に。彼らなんか、いわゆる社会的学歴的偏差値が高くとも、結果として精神年齢は中二のままだった集団だったのかもしれませんね。
いずれにしても、私もこうしてですね、音楽なども含めて少年時代に出会ったモノに今でも深く関わっているわけですから、今の中学生たち、特に我が中学校の生徒たちには、本当にいろいろなモノに出会ってもらいたいと思って日々仕事をしています。当然責任も重大ですよね。
ところで、今回の「宮下文書の謎」ですが、それなりによく取材していますし、今までの言説をよくまとめてあると感じました。もちろん私のような客観的地元民からすると「そりゃないな」ということも多々あるわけですが、長年にわたって醸成されていきた「物語」としては、やはり魅力的ですよね。富士王朝伝説…たしかに人の心を引きつける何かがあります。それはすなわち富士山のパワーそのものと言っていいでしょう。富士山に何も感じない人は誰もいないでしょうからね。
ムーという雑誌が果たしてきた社会的な役割は決して小さくはありません。功罪ということで言えば「罪」の方が大きかったでしょう。オウムに限らず、現代の新宗教ブームや占いブームやスピリチュアルブームなどの根底には、中二病を助長したムーという雑誌の存在がありました。
しかし、これもまた客観的に見れば、明治や大正の心霊ブームにつながっています。そしてその心霊ブームや、宮下文書や王仁三郎に象徴される異端の神統の表出、そしてそれと表裏一体であった国家神道という存在もまた、西洋化(グローバル資本主義化)へのカウンターエネルギーにほかなりません。
それはさらに江戸やそれ以前の日本の歴史や文化につながってゆき、最終的には縄文にまで遡っていく大きな流れになってゆくわけです。それこそが日本人の、そして私たちのアイデンティティーであり、今もう一度振り返ってみるべき自分たちの姿なのでした。
そういう意味では、大人になった私は、少なくとも「オカルト」という物語のフィルターははずして、鏡に映った自分を観察したいと思っています。
「オカルト」は言語化された「コト」です。「コト」は私たちにインスタントな「理解」「納得」を促すものです。もちろん「オカルト」の対極にある「科学」も代表的な「コト」ですね。当然そこで思考停止したくはありません。「コト」は入り口なのです。「コト」を窮めて「モノ」に至る。
そういう意味では、このブログに書いていることは、私にとっては「コト」です。それをもって皆さんと「入り口」を共有しようとしているわけで、そこに賛否両論現れて当然ですし、それを目的に言語化しているとも言えます。皆さんの脳内に様々な窓が開けばいいなと思っています。
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コメント
>結果として精神年齢は中二のままだった集団だったのかもしれませんね。
同感です。要するに彼らは自意識過剰なんです。自分中心でないと気が済まない、あるいは不安になる。
うちの息子が今まさにそうです。夫婦で会話していると、
「お話ししちゃ駄目!」
「僕のお話し聞いて!」
全く幼児なら可愛いものですが、彼らはいい大人になってもそういった幼児性から抜け出せませんでした。何事も自分中心だから、他人に対する配慮が足らなくなる。何となく人から疎まれる。結果、人からの評価は常に自己評価を下回り、こんなはずじゃ無いと苛立つ。そういう未熟な彼らの前に現れたのが、彼らの自尊心を巧妙にあおり立て、そそのかした「オウム」でした。そこでは自己が中心となり、世界をリード出来るのです。未熟な自意識を持つ彼らにはなんと居心地の良い場所だったことでしょう。しかし、その住みよい組織も結局は自己中な集団ですから、社会から阻害されるようになります。やがて過剰な自意識は、人に対する非情へと変化し、最悪の事件へとつながって行きました。
>「オカルト」の対極にある「科学」も代表的な「コト」ですね。
そうですね。対極にあるもの(ここでは“コト”ですか)は、得てして似たようなもの(コト)であることが多いもの(笑)です。
実際、私には「オカルト」と「科学」の違いが良くわかりませんし。
投稿: LUKE | 2011.09.10 11:45