『東電・原発おっかけマップ』 鹿砦社特別取材班 (鹿砦社)
これはなかなかすごい本です。そのうち発禁になるでしょうから、今のうち手に入れておくとよいでしょう。すでにアマゾンでは取り扱われていません。
鹿砦社の「おっかけマップ」シリーズと言えば、ジャニーズやタカラヅカのメンバーの自宅住所や地図を載せて出版差し止めになったことで有名です。
この本も基本そういうコンセプト。まあ、上記のシリーズとは違って本気で「おっかけ」をする人はいないと思いますけどね。
ここで思いっきり自宅(原発御殿)の住所、地図、そして写真を公開されているのは60名以上。知っている人もいれば、知らない人もいますが、彼らは全て「原発推進派」あるいは、「原発推進加担者」です。
私はもちろん彼らの自宅データには興味はありません。しかし、彼らの知られざる行状については大変興味深く読みました。
昨日の紳助引退のところに書いたように、この情報化の時代は私たちに「自由」をもたらした一面もありましたが、一部の悪意ある人々にも「自由」を与えました。
このたびの大震災と大事故がなければ、ここに描かれてある彼らの情報は、ほとんど人の目に触れずにいたかもしれません。そういう力が働いていたからです。あの天災と人災はそうした「構造」をもぶち壊したのです。
それでも、まだその構造物を守ろうとする力は働き続けています。ですから、この本も近いうちにこの世から消されてしまうかもしれません。
それにしてもですね、この本を読むと、戦後の日本でとんでもないことが秘密裏に続いてきたのだなあと、ある意味感動すらしてしまいます。
よくぞここまで我々をだまし続けたなと。私はけっこう世の常識や権威や教育内容を疑ってかかるタチですが、それでもここまでの事実は正直知りませんでした。
人の命を引き換えにカネに魂を売った人々。私にはとてもできないなあ。勇気がありません。この世では栄華を極めても、あの世で地獄に落ちたくないですから。
この本、まあそういうA級戦犯ならぬ「永久戦犯」の罪状を知るためにも有用ですが、それ以上に、間に挿入された善良な人々の談話がとっても勉強になります。その善良な人々の名前を挙げておきましょうか。
小出裕章(京都大学原子炉実験所・助教授)
奥平正(『政経東北』主幹・編集発行人)
高野孟(『ザ・ジャーナル』主幹)
吉岡斉(九州大学副学長)
西尾漠(『はんげんぱつ新聞』編集長)
山口一臣(『週刊朝日』前編集長)
今中哲二(京都大学原子炉実験所・助教授)
楽天ブックス 【送料無料】東電・原発おっかけマップ
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コメント
>私はけっこう世の常識や権威や教育内容を疑ってかかるタチですが、それでもここまでの事実は正直知りませんでした。
そうやってまたすぐ騙される。
今までの常識や権威や教育内容に対しては疑ってかかれるのに、新説には全く無防備というか、すぐに飛びついてしまいますね。「ここまでの事実」とやらがどこまでの事実なのか、甚だ疑問に思います。事実とやらも正義とやらも決して一つでは無く、見方や立場で人の数だけ増えるでしょう。
原発推進が悪で、反対派が善良なら話が簡単で良いですよ。
投稿: LUKE | 2011.08.25 15:20
LUKEさんの意見に同調します。
原発に、閉鎖的な原子力ムラ?
に反対すること自体は悪くないけれど、
原子力は人の命を脅かすものだから「問答無用」で反対。
これは間違いだと思います。なぜなら、原子力以外の発電も地球環境や人命、資産を脅かす恐れがあり、賢明な判断をするためには、きちんとした沢山の情報と、理解する力、民主主義が必要でしょう。
簡単に賛成、反対の答えを出すことは、危険以外のなにものでもありません。
ただ癒着があるとしたら、しっかりとした洗濯が必要でしょう。
いらないと判断しても、汚いから触らないようにゴミ箱に入れるようでは、新エネルギームラが出来てるかもしれません。
投稿: 観測者A | 2011.09.05 00:40