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2011.08.04

川口淳一郎さん講義 in「創造性の育成塾」

08040702 年の野口聡一さんに続き、またまた貴重な機会をいただきました。
 日本中の天才中学2年生が集う創造性の育成塾の特別講義、「はやぶさ」プロジェクトマネージャー川口淳一郎さんによる 「『はやぶさ』が挑んだ人類初の往復宇宙旅行、その7年間の歩み」を生徒たちと聴講させていただきました。
 非常にエキサイティングな内容だったのですが、まず最初に違った視点から苦言を一つ。育成塾のことではなく、地元富士吉田のことです。
 今回もこのような素晴らしい機会がここ富士吉田市に訪れ、そして担当者が地元中学校を全て回って誘っているにも関わらず、結局参加したのは我が校の生徒だけ。一部公立の先生方はいらっしゃっていましたが、それも小学校関係の方々でした。
 夏休みとは言えいろいろ公務が忙しいとは思いますが、このようなほとんどあり得ないような機会を逃すということが、私には信じられません。夜の時間帯なのですから万難を乗り越えて生徒を引率してくるべきだと思います。特に理科の先生。
 川口さんのお話を生で聴けるだけでもありがたいことですし、優れた頭脳と志と夢を持った同年代の子どもたちと同じ場を共有するということにも大きな意味があると思います。
 このような機会を生徒から奪うというのは、消防士が火事を見て見ぬふりをして通り過ぎるのと同じような罪だと私は思います。
 地元の子どもたちのためにあえてこのような苦言を呈させていただきます。私は大人の敵が何人できようと全然構いません。誰かがちゃんと言わないと、この地域の公教育は良くなりませんよ。
 さて、こんなことを言いたくなるくらいに、講義の内容が素晴らしかったわけです。私も生徒たちも非常に感動し、刺激を受けました。
 いちおう生徒たちにはこちらに紹介した二つの番組を見せておきました。予習ですね。それも奏功したかもしれません。
 しかし、こうした番組や、これから公開される三つの映画などでは、おそらく伝わらない、伝えられないことが本当にたくさんたくさん、川口さん自身の口から語られました。
 1時間というコマの中で話したいことがたくさんあったのでしょう、ものすごいスピードで、そしてある意味高度な内容でのお話でしたが、生徒たちは吸い寄せられるように聴き入っていました。
 科学の最先端の部分は実は「技術より根性」。これは実に面白いですね。講義の最初と最後、なでしこジャパンの話でしたけれども、まさにスポーツと一緒です。
 日本人はその精神性の部分が優れていると。逆境に負けず、いや逆境だからこそ生まれる「あきらめない心」と「集団の絆」に関して、なるほどと思わされることが多々ありました。
S これはオフレコなのではないかというようなコアでレアで楽しい話もありましたが、そんな中、ある意味私が一番心動かされたのは「ハッタリ」という言葉です(笑)。ハッタリストとしては世界レベルにあると自負しているワタクシとしてはうれしい言葉でしたね。この言葉がこんな立派な方からプレゼンに堂々と赤字で載せてくれるなんて…感無量です。
 ハッタリって大切ですよ。NASAや一般人やマスコミにいろいろ言われても「大丈夫です!」「できます!」「私たちには秘策があります!」と、ある意味科学的根拠はなくとも言ってしまうことは大切です。
 言ってしまえるということの裏には、実は別の次元での「根拠」があるのです。それは直感的、直観的な「根拠」です。私に言わせると、科学的根拠は「コト」、直観的根拠は「モノ」になるんですがね。
 今日の話の中で、「教科書には過去しか記されていない」というような言葉がありました。そこにとらわれていてはいけない、学びからの脱皮をしなければならないと。これも実は「ハッタリ」と通じます。
 過去は根拠のある「コト」ですが、未来は全てが根拠のない「モノ」なのです。科学は再現可能性ばかりを求めると、結局「コト」世界にとどまり、未来に関わることができません。そのことについては、「科学の限界」という記事に書きました。
 未来を切り開くには、想像力や直感力にもとづく「ハッタリ」が必要なのです。
 そうそう、こんな妄想をしました。「言霊」ってこういうことなのかなと。「ハッタリ」でも「大風呂敷」でも、一度言葉にしてしまうと、もう実現してしまうしかないわけじゃないですか。逃げられない。そこに「火事場の馬鹿力」が生まれる。で、「モノガタリ」が現実の「コト」(歴史)になる。
 私は「ことたま」とは言葉に限らず「実現のエネルギー」と解してきましたが、もしかすると、そんな高尚な言い方をしなくとも、私の大好きな「ハッタリ力」こそ「言霊」の実体なのではないかと。
 そうすると、私が半分冗談で「はやぶさの奇跡の帰還」と似ているとしたあの「走れメロス」の「大きな力」とは「ハッタリ力」なのかもしれませんね。
 こちらにその「大きな力」とは「文学の力」「物語の力」としましたが、ある意味メロスは「必ず帰ってきます!」という根拠のないハッタリを言ったからこそ、ああして走りきったと。なるほど。自分で納得。
 と、最後はなぜか科学ではなく文学の話になってしまいました(笑)。まあ私らしいですね。いずれにせよ、非常に勇気づけれらる講義でした。本当に素晴らしい機会をありがとうございました。
 この講義を聴いたか聴かないか…中学2年生の人生は大きく変わるでしょう。聴かせて良かった。
 今日の講義の内容の一部は次の本で読めますのでぜひ。

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