『数学ガール フェルマーの最終定理1』 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
今日はワタクシの誕生日でありました。
いつもはだいたい都留音楽祭の合間にあたっていたりして、自分でもこの日を忘れてしまうようなことが多かったのですが、今年は同音楽祭が震災の影響で四半世紀ぶりに中止となったので、珍しく家でゆっくり味わいました…と言っても、別に家族が祝ってくれるわけでもなく、自分で何をするわけでもありません。
ただネット上の知り合いの皆さんがお祝いのメールやメッセージをくださりまして、なんとも不思議な気持ちになりました。こういう言い方はなんですが、誕生日というデータはリアル世界よりもネット世界の方に流布しており、そして、それが旧来の「社会性」を継続するきっかけになっているということですよね。
まったくパソコンやらインターネットというのは不思議な世界を構築したものです。
一方、パソコンのおかげで、半日かけて1万字にわたって書いた秋田の旅日記(このブログの記事)が一瞬で消えました。気合いを入れて集中して文章を書いていると、「保存」を忘れるんですよね。そうこうしているうちになぜかChromeがフリーズし、ついには落ちてしまうという悲劇が…。
ショックで立ち直れなくなりました(苦笑)。書いたことは覚えていますけれど、それをもう1度再現するというのは、全く新しい文章を書くよりもずっとストレスフルなことです。これはどういう心理なのかなあ…。
というわけで、秋田関係の記事、すなわち13日から16日までの記事は写真の羅列にすることにします(手抜き)。その中で重要なものはのちに単独でとりあげます。
さて、そんな妙な誕生日、ある方がお祝いの言葉とともに「今日のGoogleはフェルマー」と教えて下さいました。へえ〜、フェルマーの誕生日が8月17日という説があるんだ。知らなかった。
フェルマーと言えば、もちろんフェルマーの最終定理ですよね。それを題材にしたコミック「数学ガール」が発売中です。私も借りて1巻を読みましたけれど、今回もなかなか面白そうですね。
私は「数学」はからきしダメですけど、「数学的世界」と「数学にとらわれた人々」は大好きです。たとえば以前こちらの天才数学者の本やこちらのポアンカレ予想に関する番組などを紹介しました。
そう、私にとっては、数学とは完全なる「コト世界(脳内の概念世界)」。そこに没頭する人々は、すなわち「オタク」に見えるわけです。現実世界からどんどん隔絶して脳内の情報処理に終始していく姿は、ある意味とても魅力的です。
私は基本「モノ世界(外界・リアルな自然や脳内で処理しえない世界)」を重視していますよね。しかし、一方で、「コトを窮めてモノに至る」ということも認めています。たとえば数学を極めるとどんどん宗教と似てくるということです。
どこか天才数学者たちは哲学者、あるいは宗教家然としていますよね。そこが逆説的に好きなわけです。
しかし、私は数式は全くダメな人間。ですから、こういうコミックは大変助かります。理解はできないけれど共感や予感はできるからです。
数学ガールの第1弾についてはこちらに書いていました。読み返してみますと、なるほど自分面白いこと言ってますねえ(全然書いたことを覚えていない)。青春と数学の相似点…一意性の不条理と残酷さかあ。なるほど(笑)。
こちらフェルマー編もそういうような展開になるんでしょうかね。そっか、数学者って永遠の中二病かもしれんなあ。
そうそう、フェルマーと青春で思い出しましたが、フェルマーの最終定理を証明したアンドリュー・ワイルズが参考にした谷山・志村予想で有名な、日本が誇る天才オタク、いやいや天才数学者である志村五郎さんですけど、彼が一般化したものに「クロネッカーの青春の夢」というのがありますね。
内容はチンプンカンプンですけど、このネーミングはいいと思います(笑)。クロネッカーが中二の時(?)妄想した定理があったわけですね。それって、やっぱり「彼女はオレのこと好きに違いない」という妄想に近いものがありますよ(笑)。
だからおそらく天才でなくとも「○○の青春の夢」というのは必ずあるわけで、そうポアンカレ予想を証明したペレリマンもそうでしたが、その夢の対象が「女」ではなく「数学」に向かってしまうことはあるわけですね。
数学まで行かなくとも、今で言うなら「2次元」でしょうかね。やっぱり、マンガやアニメのキャラに萌えるというのと数学に燃える(いややっぱり萌えるだな)のは、四捨五入すれば同じ世界のような気がします。
ま、だからこそ、こういうコミックが企画され発売されヒットするんでしょうし。
ちなみに、クロネッカーはのちに懐疑派と呼ばれるほどの変わり者(偏執的オタク?)でした。彼のイジメにあって、かの集合論の祖カントールはノイローゼになって精神病院行きになってしまいました。「お前の好きになった女のどこがいいんだ!?あんなの化け物だ」って言い続けたってことですよ(笑)。
それでもなんとなく私はクロネッカーが好きです。この言葉は「実感」として共感いたします。
「自然数は神が創り給うた。他の数は人間が勝手に作ったものである」
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