スターダム 『STARDOM X~高橋奈苗デビュー15周年記念試合~』
昨夜は飲んだので東京で1泊。朝早く起きて武蔵野散歩などしてから都心へ車を走らせました。
昨日は音楽三昧でしたから、今日は美術館にでも行こうかな…と思いきや、私の足は水道橋へ。
ま、ある意味「芸術鑑賞」ですかね。生きた「美」、動く「美」を鑑賞しましょうか。ということで、向かったのは聖地「後楽園ホール」(笑)。
そう、今日は今のりにのっている女子プロレス団体「スターダム」の、初めての後楽園ホール大会が行われるのです!
スターダムについては、今年2月に「マニアック家族旅行 in 東京湾岸」の一環として生観戦していました。
それがとても面白かったし、ある意味での未熟さから生まれる期待感というのもありましたので、はたして今回この聖地で、聖地にふさわしい戦いができるのか、非常に楽しみにしていました。
この団体、ドンである高橋奈苗さんをはじめとして(笑)、とにかくカワイイ、あるいは美しい選手を集めています。そうした美しい者どうしが、ある意味傷つけ合うところが、なんとも不思議な魅力になっているとも言えます。
たとえば今日も、グラビア・アイドルでもある愛川ゆず季選手(ゆずポン)が、顔を腫らして、そして肌を真っ赤にしている様子は、ある種のセクシーさと、そしてある種の宗教的な敬虔さの両方を感じさせずにはいませんでした。
面白いですね。高橋選手の言う「パッション(情熱)」が、キリスト教的な「パッション(受難)」のイメージとも重なってくるこの感覚。これは非常に新しいエンターテインメントだと感じました。
昨日の「宗教なき時代の宗教」「神なき時代の神」の具現化の一つの方法が、こうした美女たちによる戦いなのかもしれませんね。
今日特に印象に残ったのは、第5試合「ワンダー・オブ・スターダム王座決定戦」愛川ゆず季 vs 世IV虎と第6試合「ハイスピード選手権試合」Leon vs 夏樹☆たいようでした。
世IV虎の新人離れした存在感はすごいですね。私は正直ゆずポンよりも彼女の方がカワイイと思います(笑)。実際会場の人気も互角でしたし。
夏樹選手の試合では、思わず感動して泣いてしまいました。彼女の持って生まれた運動神経は並みではありません。そして、練習と試合経験の賜物としか言いようのない試合の組み立て、スタミナ、そこから来る技の的確さ、美しさは抜群。あらためて素晴らしい選手だと思いました。もちろん精神力も。あの小さな体で一生懸命戦う姿に感動しない人はいないでしょう。今日は百重さん直伝のコスチュームで可愛さも倍増していましたし(笑)。
それに比べますと、他の選手の練習&経験不足は否めませんね。とにかくスタミナ切れがひどく、後半になるとどんどん技が雑になります。受け身も充分でなくなり、見ていてヒヤヒヤしたり、思わず失笑したり。
若い団体であり、新しいコンセプトを試験中ですから、ある程度はしかたないとは言え、さすがにプロとしてどうだろうかという気持ちにもなりました。
それこそ全女時代だったら、どう考えても練習生(雑用係)で、リングにも上げてもらえないような子が、後楽園ホールの大舞台で試合している。今日はたくさん全女OGが集まっていましたが、皆さんどういう気持ちで彼女らの試合を見ていたのでしょうか。
もちろん、高橋奈苗選手は別格ですよ。百戦錬磨、昨年のプロレス大賞受賞者ですから。しかし、今のこの団体には彼女といいプロレスができる選手がいません。その点、もったいないと思います。
メインの美闘選手との試合も、正直消化不良でした。デビュー間もない美闘選手には、まだまだ後楽園ホールのメインは荷が重すぎたのではないでしょうか。高橋選手に関してはマルチネス選手との試合の方がずっと魅力的でした。
あっそうそう、9歳小学3年生の夢(はるか)ちゃんとケニー・オメガ選手との試合は面白かったな。プロレスは幅広く奥が深い。底が丸見えの底なし沼とはよく言ったものです。ケニー実にGJでした。
実を言うと私は、あまり女子プロレスを見てこなかったのですが、ここへ来て俄然その歴史にも興味が沸いてきました。男子のプロレスとは全く違う「文化」や「宗教」をそこに感じるからです。
近々出る、私も参加させてもらった歌集「希望の河」で、歌人の藤原龍一郎さんに解説を書いていただきました。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、藤原さんは全日本女子プロレスとは切っても切れない深い関係のある方です。まったく不思議なご縁です。
最後に、今日は地上アナログ放送最後の日でした。その瞬間を、ここプロレス放送の聖地後楽園ホールで迎えることになるとは、なんとも運命的だなあと感じました。
プロレスや後楽園ホールには「アナログ」が似合います。プロレス的世界は二元論ではとても片づけられない複雑さと豊かさがあります。グレーゾーンだらけです。
全てがデジタル化していくこの時代だからこそ、こうした「神話的」「物語的」な世界が大切になっていくのではないでしょうか。
私はそれを愛し続けていこうと思います。まさに「阿修羅原 夢をありがとう」ですよ!
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