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2011.07.08

『改訂版 これから起こる原発事故~原発問題の専門家から警告』 (宝島社)

51jhutu5pbl_sl500_ 2007年に出たこの本。まさかこの本の内容に匹敵することが、その数年後に現実化するとは、いったい誰が想像したことでしょう。
 私もその一人でした。この本を読んでもどこか、「まあ自分が生きてる内にはないだろうな」と漠然と思っていたのですから。
 私は教室の中で比較的こうした話をよくする教師でした。卒業生の中には、私が「地震」「噴火」の話ばかりしていたと記憶している者がたくさんいることでしょう。あと若い時は「霊」の話ね(笑)。
 しかし、そうしたクライシスを語っていても、それはどこか「ネタ」的な部分がありましたね。そういう話、生徒は集中して聞きますから。
 一方でそういう話をいつもしていると「ウソつき!」とも言われることになります。そんなに頻繁にそれらは起きないからです。だから「はったり教師」とか言われてきたわけですよ(笑)。
 それがこの3月からは多少評価が変わったところがあります。「ホントに起きたね」とか「先生の言うことはウソっぽいけどホントなんだね」とか。
 そう、この私と生徒の関係が世の中の縮図でもあるわけです。
 この本で多くのするどいシミュレーションを提示している小出裕章京都大学助教授なんか、まさにそういう扱いをされてきた人です。今や時の人、飛ぶ鳥を落とす勢いの小出さんは、ずっとずっと正しいことを言いながらも辛酸を舐めてきた方です。
 まさに臥薪嘗胆だったと思います。皮肉なことですが、小出さんが生きている内にこのような悲劇が起きて、それが報われてしまいました。
 皆さん、この本のAmazonレビューをぜひご覧ください。彼が「原発推進派」の人たちからどのように中傷され、活動を妨害されてきたかがはっきり分かります。「狼少年」ですからね(苦笑)。
 こちらのレビューです。
 このレビュアー「 菅谷梨沙子 "地球と自然を守りたい"」さんは、いったいどんな立場の方なのでしょう。「地球と自然を守りたい」とはまさに噴飯ものであります。まさか原発が温暖化防止に役立つと思っているのでしょうか。二酸化炭素は出さなくとも放射性物質を出す原発で地球と自然を守ろうとしていたのでしょうか。
 このレビューに対する最近のコメントにもあるとおり、結局「宝くじ1等」が当たったということですね(苦笑)。
 まあ、私もこうして強気で記事が書けるようになったのは、まさにあの日があったからこそであり、それまでは、小出さんほどの「本気」の危機感は抱いていなかったのも事実です。だからあんまり偉そうなことは言えません。
 それどころか、日本の教育界、つまり学校では、いわゆる「原子力教育」というものが行われてきました。そこでは基本的に「菅谷梨沙子 "地球と自然を守りたい"」さんと同じようなことが教えられてきたわけです。
 私の小学校以来の天敵(怨敵)向山洋一氏なんかも堂々と「原子力教育」をしてきた人物です。彼は「違う」と言うかもしれませんが、彼主宰の「エネルギー教育全国協議会」は文部科学省の「原子力教育」に基づいていることは間違いありません。
 「原子力」とは、実際には「核力」です。「nuclear power」は「原子力」ではありません。「nuclear bomb」は「核爆弾」です。
 唯一の「核爆弾被爆国」であって、今は「非核国」であるはずの日本が、なぜ今再び被爆(被曝)してしまったのか。その根底に、「原子力」という造語による洗脳教育があったのは否めません。我々教師の責任も重大なのです。

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コメント

山口先生

こんばんは。
ご無沙汰しております。

私も、震災、原発事故に心を痛め、脱原発、被曝防止などについて、ツイッターで情報を集めたり、勉強させて頂いております。

小出先生は、私も尊敬申し上げており、「原発のうそ」を購入しました。

国の宝である、子供たちを守りたいですね。

そして、今日は志村さんのお誕生日。

志村さんが、生きていたら、斉藤和義さんと、「ずっと嘘だったんだぜ」と歌って下さったかも…、なんて思ったりします。

投稿: まこ | 2011.07.10 22:51

大辞泉より
かくりょく【核力】
原子核内で、陽子と中性子を固く結び付ける力。陽子と中性子が接近した時に働き、中間子によって媒介される。

物理小事典より

原子核の構成要素である(陽子と中性子)の間に働いている電磁力でない力のこと。核子どうしを小さな領域に結合させていくためには、陽子間に作用しているクーロン斥力よりも強い引力が働いていなければならず、この力は素粒子の相互作用に源を求めることができる(以下略)

核分裂は弱い力(固有名詞)によって原子核が分裂することによって発生します。原子核どうしを繋げる核力より弱い力が上回った時、初めて核分裂が起きます。
また核爆弾(nuclear bom)も原子爆弾(atomic bom)も同じ意味です、

投稿: 観測者A | 2011.08.17 01:00

観測者Aさん、ありがとうございます。
勉強になります。
このようなコメントはどんどん書き込んでいただいて、皆さんに読んでいただきましょう。
しかし、先日のベテルギウスの件もそうですが、まさに科学の限界ですね。
この度の震災が全てを物語っています。
科学(理科)では未来を知ることはできませんし、人間の心の中でなぜ同じはずのものが善悪全く逆にとらえられるのか証明できません。
私はあえてそこを指摘していきたいと思います。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2011.08.17 08:59

科学の限界と善悪のくだりは、どの点についていっているのか教えて下さい。
あと、科学で未来はわからないについてですが、「ラプラスの悪魔」「カオス理論」について調べて見てください。
「シュレディンガーの猫」も関係しています。

投稿: 観測者A | 2011.08.17 18:42

観測者Aさん、お返事ありがとうございます。
科学の限界はベテルギウスの番組で言っていた「ガンマ線などは自転軸付近の方向にしか出ないことが過去の観測から分かっている」の「過去の観測」という点に関連させて引用しました。
善悪は「原子(力)」と言えば善、「核(力)」と言えば悪と、一般にとらえられてきたことを指しています。
神の存在は科学の世界では永遠に「仮定」で終わるのではないかと、私は思っています。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2011.08.17 19:00

「過去の観測」が科学の限界になる理由を詳しくお願いします。

あと、原子力⇒善、核⇒悪というのは、いささか疑問を感じます。
一般に、原子爆弾は善のイメージなのでしょうか?
僕はそう思いません。

投稿: 観測者A | 2011.08.18 22:10

観測者Aさん、おはようございます。
「過去の観測」については、「科学の限界」の記事にある「再現性」と絡めてお考え下さい。
簡単に言ってしまえば、ベテルギウスが大爆発を起こすのを観測するのは人類にとって初めてなので、過去に観測した他の恒星の例と同じになるとは限らないということです。
東北の地震についても、過去観測史上M9は起きていなかったわけです。
そういう単純な話です。
「原子力」については戦後教育と報道の中での文脈をお考えになるとよく分かると思います。
原爆はもちろん「悪」です。
しかし、それは被害者としての「悪」でしたし、また、その後原爆は水爆や中性子爆弾の影に隠れる存在になってしまい、それら全体を指して「核兵器」という言葉を使うようになりましたよね。
そして、非核とか核兵器反対とか、そういうふうに使われるようになり、「核」という言葉こそが「悪」の象徴になりました。
その裏で「原子力」の「悪」から「善」へのイメージのすり替えが巧妙に行われたということです。
今ここでこれ以上詳しく説明する余裕がありません。
すみません。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2011.08.19 07:11

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