なでしこに見た「大和魂」
もう皆さん、誰もが感動し興奮したであろう「なでしこジャパン」のワールドカップ優勝。
選手の皆さん、スタッフの皆さん、本当におめでとうございました!そして、ありがとう!
こういう「本物」の感動には言葉はいりません。いや、言葉は無力になりますね。
それにしても、実に日本らしい戦いであったと思います。70年前のことを持ち出すと顰蹙を買いそうですが、正直私はそれを思い出してしまいました。
サッカーというスポーツは、肉体的なハンディ、あるいは個人的なテクニックの差を、作戦と組織力と精神力でカバーできる競技です。そこが面白いところですね。特に試合終盤になればなるほど、それが顕著になるから面白い。
今回は昨年の男子ワールドカップの時に書いたサッカーの起源(呪いのシャレコウベ)なんていうバカみたいなことは全然思い出す余裕がありませんでした(笑)。それくらい自分も試合に集中していました。
ただ、その記事にも書いた「大和魂」という部分では、やはり共通したモノを感じましたね。
「大和魂」=絆と折れない心
このたびの震災でも、やはり同様のことを感じました。これは日本の誇るべき美徳であります。
そして、その魂を持ち続けていると「神風」が吹く。それはたぶん日本人の心が神の世界とつながっているからだと思います。怪しい意味ではなくて、単純に「人事を尽くして天命を待つ」ことができる民族だということです。
しかし、あえて書くなら、これがまたある種の欠点にもなっているんですよね。たとえば、震災・人災後の政府や東電の対応は、被災者の「大和魂」に甘えているところがある。どんな境遇でも我慢できてしまう庶民を見て、上の者がケアや変革を怠ってしまうということです。
世界標準なら、この状況で暴動やデモが起きないわけがない。しかし日本ではそれが起きない。それどころか、「なでしこ」の健気な姿を見て、さらに個人の精神力と全体の忍耐力を高めていってしまう。保守のエネルギーというのはそういうふうに醸成されていくのです。
それにしても、これでまた「女の時代」が一歩進んだような気がしますね。こうなったら、政治の世界も女性に任せた方がいいんじゃないでしょうか。男にカリスマ性がない時代です。カリスマ性の源泉は「闘魂」。闘魂のない男は、生きている意味がありません。今、ニュースに登場する男どもに「闘魂」を感じますか?
今日、ひょんなことから、フジファブリックファンの方にお会いして話をする機会がありました。今考えれば、志村正彦という男は、「音楽」という天職に命懸けで真っ向勝負した「闘魂」の男でしたね。外見とか性格とか、そんなレベルではなくて、天命に対峙する魂の部分で戦う男であったと。
そう、古き良き日本では、サムライが闘魂と死を受け持ち、なでしこが調和と生を受け持って、それで全体として「大和魂」を形成していたと思うんです。それが、今や男は腑抜けてしまい、女が闘魂まで担当するようになってしまった(苦笑)。頑張れ!男子!
夜、IGFの宮戸優光GMからお電話をいただき、まさにそういうお話で盛り上がりました。本物の「怒り」とは何か、表現ではなくて内側から湧き上がってくる感情とはなにか。「本物」と「術」との違いは何か。どちらがベースにあるのが正しいのか。
プロレスの話というより、「禅」や「教育」の話でした。非常に刺激的な会話でした。本物は言葉では伝えられない。本物は体験でしか得られない。その体験は究極の状況にしか生まれえない。頭で考えていても分かりっこない。自他同一、不二の境地になるには、抜き差しならない背水の陣に身を置かねばならない。それは修行であり練習であると。
男の世界に「闘魂」や「大和魂」や「本物」が不足しているとすれば、それは私たちの世代の責任です。昭和の男たちにはそれらがありましたから。カリスマがいろいろな分野にたくさんいましたから。そんな話をしました。
「なでしこ」という言葉は、実は女性を表す言葉ではありません。古い用法を見ますと、男にも使われています。「可愛い子ども」というニュアンスです。
また、源氏物語で玉鬘が撫子に擬せられてからは、「みなしご」というイメージも定着しました。頼りにするものがなくとも健気に生きているものの象徴となったのです。
我々男子も「なでしこ」にならねばならない時代を迎えたのではないでしょうか。まずは自分自身が「なでしこ」の精神で頑張っていこうと思います。たとえ孤軍奮闘となろうとも、「闘魂」や「大和魂」をもって、「本物」を伝えていけるよう日々研鑽いたします。
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コメント
なでしこJAPAN感動を本当にアリガトウ(^_^)
これからが大変かもしれないけど、きっとみんなの希望だからこれからも輝く日本人女性として頑張って下さい(*^_^*)
同じ女性として尊敬し応援しています★☆
投稿: ピレミン | 2011.07.25 20:25