« 『世界が私を待っている・前衛芸術家 草間彌生の疾走』 (NHK BSプレミアム) | トップページ | なでしこに見た「大和魂」 »

2011.07.17

『日本を脅かす! 原発の深い闇』 (別冊宝島)

東電・政治家・官僚・学者・マスコミ・文化人の大罪
20110718_71828 日紹介した『改訂版 これから起こる原発事故~原発問題の専門家から警告』の別冊宝島、最新刊。原発利権の深い闇を告発する内容となっています。
 原発利権というか、電力利権ですね。政界、官界、財界、学術機関、メディア、闇社会(マフィア)たちが、どのようなシステムでどのくらいのカネを手にしてきたか。
 ざっと読んでみましたが、おそらく8割方は実際こんな感じだろうなと思わせる内容でした。あとの2割は検証不足とか間違いだとかではなく、まだ見えない部分があるだろうという予感の領域です。
 こうしてこのタイミングで提示されると、どれも納得がいく構造なんですよね。天下り、献金、スポンサーなど。しかし、それが巧みに隠蔽されてきた、というよりも、私たちがあまりに無関心でありすぎたのです。
 こういう構造というのはよくあることです。何千万、何億の人間がいても気づかれないこと。
 もちろん、世界的な「マネー」の世界もそうですね。つまり、私たちは、こと「インフラ」世界に関してはどういうわけか鈍感になってしまうのです。
 インフラ、すなわち全ての国民の生活のベースになっている部分ですね。電気、水道、ガス、道路、電話、テレビ、教育、そしてマネーなどなど…。当たり前という「空気」が私たちの感覚を麻痺させてしまうのです。
 そう、ちょっと話がそれますが、もうあと1週間に迫ってしまった「アナログ放送終了」「地デジ化」なんかもそうなんですよ。私はずいぶん前から孤軍奮闘(?)してきましたが、もうとてもそうした空気の流れを止められませんよね。
 私のような反対論者は「変わり者」扱いされますし、いくらいろいろなところに訴えても無視されるばかりです。
 そして、しまいにはいやがらせまで受けることになる。具体的には書けませんが、地デジ一つとってもそういうことがあるんです。
 地デジ化は戦後最悪の暴力的な施策であり、あの2秒ものタイムラグのために、そしてデジタルの欠点であるモザイク・ノイズ(つまり見えない、聞こえない)のために、我々1億数千万の国民の生命が危険にさらされるんです。たとえば災害時、全ての情報が2秒も遅れるというのは致命的です。
 そういう意味で、ぜったいにラジオだけはデジタル化してはいけないと考えています。もしそういう話が進んだら、私は命懸けで阻止しますよ。
 今日、Twitterでもつぶやきましたけど、あの震災でですね、たとえば地デジによって2秒遅れて津波の情報を確認し、海岸近くに住む親戚に注意を促す電話をかけたとするじゃないですか。その相手の家がナンバーディスプレイのデジタル回線を使っていたとすると、呼び出し音が鳴るのに最大7秒の遅延が生じます。合計10秒近い遅れです。この10秒が生命を奪う可能性があることは誰でも想像できますよね。
 そういう危険の部分は何も伝えられず、いいところ(実際は大したメリットではないが)だけを宣伝していく。特に各分野でのデジタル化は、利用者の利便性よりも供給側の経済効率が優先されていることが多いのですよ。
 この前、原子力ポスターコンクールを紹介しましたよね。原発はまさにそういう構造の象徴のような装置です。そしてそれを助長していたのが教育界だったというわけです。
 文部科学省のみならず、教育現場にも電力利権から多くのカネが流れていたものと思われます。もちろん我々下々の者には何も回ってきませんがね。
 そして、我々には見えない「モノ」であった、しかし実は一部の人間によって巧妙に作られてきた「コト」が、自然(神)の怒りによって一気に露呈したと。「モノガタリ」ですね。モノが語られてコトになるチャンスです。
 しかし、またそれを再隠蔽しようとする動きも出てきています。せっかくの改革のチャンスを私たちはまた逃そうとしています。ピンチでもあるのです。
 私たちは今こそ想像力を働かさねばなりません。こういう構造というのは原発利権だけではないんですよ。あらゆるところにあるんです。それを「空気」のように「当たり前」として何も感じずに生きるのではなく、見えない「モノ」を見ようとする努力が必要でしょう。
 たとえばこのムックを読むことによって、そうした想像力を鍛えるきっかけにしたいですね。ただ驚くとか怒るということではなくて。
 
Amazon 原発の深い闇

楽天ブックス 【送料無料】原発の深い闇


|

« 『世界が私を待っている・前衛芸術家 草間彌生の疾走』 (NHK BSプレミアム) | トップページ | なでしこに見た「大和魂」 »

モノ・コト論」カテゴリの記事

教育」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

歴史・宗教」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

原発の収束作業で、作業員が信じられないようなミスによって放射線被曝してしまう事故が時々報じられます(長靴履かないとかね)。もう四半世紀以上前に聞いた話では、原発の清掃作業など誰もやりたがらないから、そこら辺の公園から何も知らない浮浪者を引っ張ってきて従事させたとか。当時は「へぇ」と思っていましたが、今でもくだらない事故が多発しているところを見ると、まんざら冗談でもなさそうです。

>「アナログ放送終了」「地デジ化」なんかもそうなんですよ。

原発と一緒にします?
デジタル化によって良いこともあるわけで、毎度そっちを全く無視するのもどうなんでしょ?
以前も言いましたが、固定電話はもう内部的にはデジタル処理されていますし、携帯電話もデジタル技術無しでは多人数の通信を実現することが出来ません。庵主様が予想するクラウドだって、今以上の普及を望むなら、どうにかして帯域を確保しなければなりません。

>たとえば地デジによって2秒遅れて津波の情報を確認し、海岸近くに住む親戚に注意を促す電話をかけたとするじゃないですか。

たとえば地デジ化で空いた帯域を利用して災害対策を行うとのことです。災害に強い通信システムがどうしても必要でしょう。先の震災では警察や消防までもが通信手段をたたれ、支障が出たのです。

>特に各分野でのデジタル化は、利用者の利便性よりも供給側の経済効率が優先されていることが多いのですよ。

地デジに関しては「限られた電波帯域を有効利用する。」という大義名分のためには何やっても良いと思ってます。電波はテレビのためだけにあるわけではありません。

> 私たちは今こそ想像力を働かさねばなりません。こういう構造というのは原発利権だけではないんですよ。あらゆるところにあるんです。

「利権」も、物事を動かす力として考えれば非常に有効です。脱原発を実現させるなら「さいせいかのうえねるぎー」とやらにもサッサと金の亡者どもに群がってもらいましょう。要はこっちが利用すれば良いんです。

投稿: LUKE | 2011.07.18 10:44

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/55913/52238142

この記事へのトラックバック一覧です: 『日本を脅かす! 原発の深い闇』 (別冊宝島) :

« 『世界が私を待っている・前衛芸術家 草間彌生の疾走』 (NHK BSプレミアム) | トップページ | なでしこに見た「大和魂」 »