飯伏幸太 ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア初優勝!
いやあ、感動した〜。感動しすぎて古傷の肩が外れた(痛)。
肩が外れるほど興奮したんですよ。プロレスをご存知ない方にはなんのことか分からないと思いますが、とにかくワタクシご贔屓の飯伏幸太選手が新日本プロレスの「BEST OF THE SUPER Jr. XVIII ~Bring it on!~」で優勝したんです。
準決勝でデイビー・リチャーズ選手を激闘の末破り、決勝では昨年優勝のプリンス・デヴィット選手を破った田口隆祐選手と対戦。これまたとんでもない内容の攻防の末、見事勝利し念願の優勝を果たしました。
そう、昨年のこの大会では、飯伏選手は決勝に進出したものの、プリンス・デヴィット選手との戦いの中で肩を脱臼し、惜しくも敗れてしまっていたのです。この試合です。
今年は飯伏選手の肩は外れず、私の肩が外れかかりました(笑)。いやあ、それほど強烈なガッツポーズをしてしまったのですよ。
今日の後楽園ホール大会はサムライTVで生中継がありまして、それを観ながら私も大興奮していたというわけです。う〜む、金曜のゴールデンタイムにこうしてプロレスを生でテレビ観戦するって、なんかいいなあ!再び地上波でこういう興奮を味わえる日が来てほしい!みんなに観てもらいたい!
彼は理屈抜きの天才児。プロレス界の宝、そしてバカボン的世界の宝です。何度か話をしましたが(たとえばこちらで)、本当に真っ直ぐで純粋、プロレスバカの少年がそのまま大人になったという感じでした。なんとも言えない魅力のある好青年です。
彼の動きと心の表現は、すでに芸術の域に達していると思います。高校時代、初代タイガーマスクを観た時と同じ衝撃ですね。
プロレスは幅が広く、ある意味なんでもありですから、正統的伝統的なプロレスリングとともに、彼のような現代的なプロレスも大好きなんです。ファンタジックな物語なんですよ。
彼は「プロレスごっこ」という言葉をよく使います。一般には「プロレスごっこ」とはマイナスのイメージで使われる言葉でしょう。特に業界においては、ダメダメな学芸会プロレスのことをそう呼ぶこともあります。
しかし、彼の「プロレスごっこ」の意味は違います。実際、こうして超メジャー団体の伝統ある大会、それも今年のように超強力なメンバーが18人も参加した大会で優勝するのですから当然です。誰もが認める「プロレスごっこ」です。
そう、それはまさに「少年の夢」なんです。私も少年時代自分で強力な技を考案したり、布団相手にそれを試してみたり、いろいろやってました。私の場合はフツーの大人になってしまったので、それを今実現しようなんて思いません。しかし、飯伏くんは違う。夢をどんどん実現していくんです。当たり前のように。
ですから、今回の大会でも、たとえば少年時代憧れたサスケ選手やライガー選手の技を使ったりするわけです。子どもの頃憧れて友だちにしかけていた(笑)技を、本人に浴びせていくわけですから、それこそ夢実現ですよね。
実際、ザ・グレート・サスケ選手との対戦では、もう試合開始前から泣いてましたからね。そういう「人生の大河ドラマ」を見せるのがプロレスです。10年20年単位でのドラマを表現できる、人生の機微や明暗や抒情や思い入れを表現できるのがプロレスの一つの魅力なんです。それはもう単なるスポーツや芸能の域を超えています。私はそういう世界が大好きなんです。
それにしても、文化系プロレスを標榜していたインディー団体であるDDTプロレスリングから、メジャー団体のメジャー大会優勝者が出るなんて…。それ自体がプロレス的世界観ですね。高木大社長というのは本当にすごい人です。
飯伏選手、8日後にはデヴィットの持つIWGPジュニアのベルトに挑戦します。ここでもまた奇跡を起こしてもらいたいですね。昨年のリベンジができるか!?そしてチャンピオンになれるか!?「プロレスごっこ」の夢がまた一つ実現するのか!?
ちなみにですね、私の肩ですが、なんとか原状復帰したようです。しかし痛い。この右肩ですけど、実は今から20年くらい前に脱臼したんです。それが今回再発したのですが…。
その20年前、なんで私の右肩が脱臼したかと言いますと、もう先生になってた頃なんですけどね、ある夜、全日本プロレスの中継を観てまして、そう「ジャンボ鶴田 vs 三沢光晴」という試合をやっていたんです。それでですね、興奮しすぎまして、三沢選手と一緒にコーナートップから(押し入れの上段から)ダイビング・エルボーを放ったんですね。それで、肘から畳に落下して肩が外れたと(笑)。
それでも痛みに耐えながら、そして泣きながら試合を最後まで見届けました。そして痛みに一睡もせず朝を迎え、接骨院に向かったのでした。
そう、私も「プロレスごっこ」のスピリットを持っていたわけです。それですよ。男の夢ですよ。闘魂ですよ。たぶんこの試合だと思います。お二人ともこの世にいませんが、こうして男の心の中に、人生の中に、そしてこの肩の痛みの中に、彼らの魂は生きているわけです。
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