座禅は素晴らしい…
昨日夕刻から一泊して行われた我が校の「接心」という行事。無事終了いたしました。
私も憧れの向嶽寺さんで座禅でき、非常に爽やかな気持ちで下山を迎えることができましたが、生徒たちもとても充実した時間を過ごしたようで、口を揃えて「また来たい!」と言っていました。
考えてみると、これってすごいことですよね。普通あの暑い中で風呂にも入れずただ座っている、また正座してお経を唱える、あるいはお坊さんの説法を聞くというのは、まあ中学生にしては苦痛なことですよね。しかし、我が校では1年生のうちにこうした禅宗の修行に関することをひと通り経験済みですので、いやがらないどころか楽しんでしまうんです。手前みそですが、大したものです。
手前「みそ」と言えば我が校のMISO、つまりジャズバンド部(ムーン・インレット・サウンズ・オーケストラ)は本日「第7回富士山の森ジャズフェスタ」を催しました。私は所用でいけなかったのですが、素晴らしい演奏会になったようです。日本中からそうそうたる大学生ビッグバンドや中高生のバンドが結集する、名実ともに日本一の学生ジャズの祭典と言えるこのフェスタ。それを運営しているのが、我が校のジャズバンド部なのです。
彼ら自身も当然演奏をします。大学生の前で、「日本一」の実力を聴かせる良い機会でもありますし、今回は名トランペッター、エリック・ミヤシロさんとの共演もありますから、それだけでも大変なはずです。しかし実際には全体の運営や調整、雑用係も全て本校でこなさねばならないのですから、これはもうすごいとしか言いようがありません。これまた大したものです。
で、そんな大変な行事があるのに、ジャズバンド部所属の中学生は前日の練習を差し置いて接心に参加していたわけです。本校の教育の主幹たる「心の教育」の、これまた中心にある接心ですから、何よりも優先されるということですね。
きっと部員たちは座禅しながら、演奏や段取りのイメージトレーニングをしていたのでしょう。
そういう意味では、ある意味もっとすごかったのが、バスケットボール部のメンバーです。実は今日、地区の総体の決勝戦があったのです。こちらもまた、決勝戦前日の練習を差し置いて座禅をしていたわけですから、まあ普通の学校だったら考えられないことですよねえ。
全く体を動かさないどころか、座禅を組んだり正座をしたり、朝3時50分に起きたりですから、人によっては「そんなムチャな!」と思いそうな厳しい条件です。
しかし!実際の試合の結果は!?…見事優勝!
ウチの学校は創立2年目ですから、最高学年が2年生です。それが県内常にトップクラスの強豪校に見事勝利しました。もちろん厳しい試合でしたが、逆転されてからの反撃や、追いつかれそうになった時のひとふんばりが、いつもより力強く感じられたのは偶然ではないでしょう。すなわち「心の強さ」です。
やっぱり「座禅」ってすごいですね。たぶんバスケの選手たちも座りながらイメージトレーニングしていたのでしょう。
同じイメトレでも、これだけたっぷり特別な空気の中ですることはありません。日常を離れて、本当に自分自身とじっくり向かい合えるのは、こうした専門道場という「場」ならではだと思います。
これからは大事な試合や発表会の前には、あえて「接心」をしようかな(笑)。あらためて自分の「心に接する」ことって本当に大事ですね。
さて、生徒たちはみんな立派だったんですけど、当の私はどうだったか…。
実は今日私も一つ大事な本番がありました。なななんと、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番の伴奏(オケのヴィオラ)をしなければならなかったのです!
ううむ、まさか人生の中でチャイコンをやることになろうとは。なにしろ、私はそのあたりの音楽が一番苦手でして、いわば言語として全く分からないジャンルだったわけですよ。まあ生きていて活動していれば、いろいろ想定外のことがありますね。
私はですね、座禅は座禅で、中学生とは違いまして、いわば本来の「無」や「空」を目指して座りましたから、イメトレはまったくしませんでした…というより、なにしろ知らない世界のことですから、イメトレのしようがないというか、イメージがありませんので(苦笑)。
で、立派な中学生とは違って、私は完全に玉砕。ソリストの青年には実に申し訳ないことをしました。でも、やっぱり想定外のことって勉強になりますね。私が知っているいくつもの現代の音楽(ポピュラー系)の魅力的な和声がチャイコフスキーに発見できました。なるほどなるほど。案外源泉は古かったんだ。
ま、自分の失態は自分の責任としまして、座禅って本当に素晴らしいですね。これは今までも何回か経験したことですけれど、一流の人たち、たとえば今回であればベテランの雲水さんたちと一緒に座ると、実に気持ちよく座れる。生徒もそう言っていました。脳波が出ているんでしょうね。α波でしょうかね。θ波でしょうかね。そういう意味では「場」が実に大切だと思いました。
管長さま、雲水の皆さま、本当にありがとうございました。また機会がありましたら、向嶽寺の座禅会などに参加してみたいと思います。
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