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2011.06.11

「楽」とは…ピアノの発表会に思う

20110612_84654 楽のステージにはいろいろな種類があります。
 呼び方もいろいろありますね。演奏会、発表会、音楽会、コンクール、コンサート、ライヴ、リサイタル…。
 それぞれ演奏者自身の気持ちと、聴き手としてのお客様の気持ちと、そしてその気持ち相互の関係性が違います。一つ一つ説明するのもなんですから割愛しますが、まあそれぞれの良さと問題点があるのはたしかですね。
 それ以前に、いわゆる「ステージ」が設定されたのは、それほど古い話ではないんですよね。コンサート・ホールができて、「音楽」が商品として一般大衆に消費されるようになったのは、ここ300年くらいの話です。ヨーロッパでも日本でも。
 特にヨーロッパの「コンサート文化」は、大衆と言っても経済力のある(すなわち文化享受力のある)限られた上流階級、すなわち近代的大衆のためのものでした。
 現代においてはほとんどの大衆は上流階級ですから、たとえば今日の発表会のように、ふだんはフツーの生活をしている人たちが、プロが使うステージに上がって、プロと同じようにおめかしして、そしてプロが使うスタインウェイなんかを弾くことができるようになりました。
 それはある意味素晴らしいことです。もしかすると数十年前には考えられない状況とも言えましょう。ある種の夢の実現であり、ある種のハレの舞台の体験なのですから。
 私は今日生まれて初めてその「ハレの舞台」を経験しました。ピアノの発表会でピアノを弾くというのは、考えてみると初めてです。だいたい人前でピアノを弾くなんていうことも初めてです。
 もちろん私の長い長い音楽歴の中で、ヴァイオリンの発表会とか、お琴の発表会とか、そういうのは体験してきましたよ。でも、ピアノは初めて。ピアノという、幸か不幸か世界中で最も大衆化してしまった楽器の発表会は初めてです。
 私には私なりの音楽観、演奏者観というのがありまして(いつのまにか出来上がった)、どんなジャンルのどんなステージに上がる時も、私はそのスタンスだけは変えないでいるつもりです。今日ももちろんそういう姿勢で臨みました。
 というか、いちおう今日は「娘のピアノの発表会」だったんですよね。なのに自分の話かよ!?って感じでゴメンナサイ(笑)。
 実際のところ、娘の出番は2回だったのに、私とカミさんの出番は4回って(笑)。
 別に私たち夫婦も娘と一緒にピアノを習っているわけではないんですよ。そうじゃなくて、ピアノの先生が音楽仲間なので、ついついお互いに楽しんじゃおう的な空気が生まれ、いつのまにかそういうプログラムになってしまっているということです(苦笑)。
 でもですね、実は今日言いたいことの本質はそこにあるんですよ。ものすごく簡略化して超端的に言ってしまうと、「発表会」と「音楽会」の違いと言いますかね。
 やっぱり「音楽」って「楽」だったわけじゃないですか。上の画像にある「樂」の説文の字体はですね、これは今日も私たちがステージで使った「手鈴」の形を表しているものなのです。シャンシャンシャンと鳴らして、鳴らす人と聴く人の体感をシンクロさせて、歓びを共有するための道具なわけです。
 そういう本質的なことが実現しているステージっていったいどれくらいあるのでしょう。たとえば普通の「発表会」がそうだとは思えませんし、普通の「コンサート」の中にも、演奏者の独りよがり、自己満足というものもあるでしょうし、「ライヴ」の中にも、単にファンが生で憧れのミュージシャンを「観る」ためのものもあるでしょう(その価値も認めますが)。
P1000984 結局ですね、何を言いたいかと言いますと…今日の4時間に亘る「発表会」の中で、真に「楽」だったのは、私たち夫婦のステージだけだったのではないか、ということなのです!ウワーォ、言っちゃった、言っちゃった(笑)。皆さん、ここは呆れるところですよ!ww
 まったくこれこそ「自己満足」の最たるものだとお思いになるでしょう。し、しかし!事実として、この「発表会」の中で、舞台上の演者と客席の皆さまが歓びで一体となったのは、「秋田音頭」と「思秋期」だけだったのではないかと、そのように思うのです(ハハハ)。だって、盛り上がってたんだもん。
 で、そのステージには、私たちと今日の主催者たるピアノの先生とフルートの先生が乗っていたわけですよ。そこが、この片田舎の一「発表会」がタダモノではないことの証明です。
 一般にはピアノやフルートやヴァイオリンによる、「クラシックもどき」に終始することが多かろう「発表会」において、堂々と「民謡」と「歌謡曲」が主役となってしまう、このある種の価値逆転現象こそ素晴らしいと、ワタクシ(たち)は強く強く思うのです。どうでしょう。
 自分たちが「楽」しんでいる様子を、とにかく観て聴いていただく。そして、みんながハッピーな気持ちになる。これが「音楽会」のあるべき姿なのではないかと。
 この2曲とも、私は楽譜なしで演奏しました。即興です。「発表会」においては、そういうことも破格でしょう。それもまた生きた音楽の「楽しさ」だと思うんですよね。音楽には楽譜をなぞるのとは違う「楽しみ」もあるのですよ。
 ちなみに今日のピアノの先生や、その先生と共演したお弟子さんは、私にこちらの記事(ヤマハのシステム発表会についての考察)で酷評されてしまったヤマハの先生でもあるのでありました。お二人はそんな私の毒舌記事に素直にコメントをくださりました。そして、こういう「音楽会」を作り上げて下さいました。もちろん私の毒舌以前からそういう問題意識をお持ちになっていたことと思いますが、私もあえてああして語ってよかったなと改めて感じました。ありがとうございました。
 まさに音楽と言葉がつなぐご縁ということで、めでたしめでたし(笑)。ああ楽しかった。
 
音源(mp3)を置いておきます。細かいミスなどは気にしないよう聴きましょう(笑)。

秋田音頭
思秋期

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コメント

秋田音頭、思秋期、youtubeにアップして下さい!

投稿: 森の音楽家 | 2011.06.12 23:51

森の音楽家さん、コメントありがとうございます。
娘がビデオを撮ったのですが、とんでもなく映像が乱れていましたので、音だけ抽出して記事に貼り付けました。
よろしかったらどうぞお聴きください。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2011.06.13 11:29

いやー、秋田音頭、すごいなー、秋田の山奥で文明と隔絶した中で育った野性の女の迫力に圧倒されました。
それが繊細な洗練された都会的センスあふれる思秋期を歌う。恐るべし、教育の力。これが都留音楽祭で居並ぶ音楽家に感銘を与えた歌声か?でもビオラ?はなかなか出てきませんでしたね。終わりの方ちょっとだけ。もう少しまじめにやってほしかったな。

投稿: 森の | 2011.06.13 14:21

久しぶりに陽子さんの声聴いてスカッとしたです!
ホントに「楽」(楽しんで)してますね♪
そして、なんだろう、うまく言えませんが、
違う次元に持っていかれましたし、
霊界通信と言うと違うのですが、目に見えない何かに向かい/
その世界から送られてくる…パワーもらいましたよ!
即興=作曲はホントに可能性ありますね。
コンクールでも即興や作曲取り入れると
めちゃくちゃ面白くなるだろうな。
古楽コンクールでは以前通奏低音部門で、穴埋め問題みたいでしたが、
フーガのテーマや対旋律を作る課題が出たことがありました…。
長々すみません。また、ご一緒してくださいませ♪

投稿: よこよこ | 2011.06.14 01:48

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