『爆発直前!? 赤い巨星・ベテルギウス』 (NHK BSプレミアム・コズミック フロント)
今日は暑かったですねえ。ここらでも真夏日となりました。
暑いとは言ってもですね、平地の方々には申し訳ないのですが、こちら標高1200メートルでは、日没とともに一気に気温が下りまして、寝る時間帯では外は18度くらい。窓は閉めないと風邪をひきます。ちなみにこの季節、早朝は15度以下。ちょっと肌寒いくらいです。
そんな涼しさの中、家に帰りますと、頭上には満天の星。さそり座から天の川が天頂に向けて伸びています。この季節、だいたい久々さそり座に季節の移り変わりを感じるものです。今年も夏が来たなと。
そう、我が家では庭先で6等星まで確認できるんです。とっても恵まれた環境です。天文少年だった私としては、幼い頃の夢を実現したとも言えますが、まあ不思議なもので、いざこういう環境に住んでみると、なかなか空を見上げることがないんですよね。
いつでも見られると思っているのでしょうか。富士山でさえ意識して見ない日がありますからね。まったくぜいたくというか、なんというか。
さて、このさそり座の正反対、つまり今足もとに沈んでいるのがオリオン座。そして、さそりの心臓アンタレスと対比されるオリオンの右肩ベテルギウスのお話です。
いわゆる赤色巨星であるベテルギウスは星としては大変な長老です。そして、もうすぐその命の絶える日が訪れようとしています。
もしかすると私たちは生きているうちに、ベテルギウスのその死に際を見ることができるかもしれないのです。つまり、超新星爆発。
恒星の中では段階的にいろいろな核融合が起きています。その最後に鉄が生まれ、内部の圧力が極限まで高まり大爆発を起こします。それが恒星の一生の最後です。
その大爆発が、地球上では「超新星(supernova)」として観測されます。この「超新星」という言葉、そういう意味では矛盾していて面白いですね。「新星」というと生まれるというイメージじゃないですか。しかし、実際は「死」です。
もちろん、その「死」が直接、間接的に新たな星の卵を生み出すわけで、そういう生命の連環ということで言えば、「死」も「生」も同義ということになりますが。
そう、今日この番組を観まして、なんかまたちっぽけな自分というか、人間というか、地球というか、そういうものを感じましたね。
スケールの大小が価値の大小の基準ではないとは分かっています。しかし、こういう宇宙的なスケールに立ってみると、日々の雑事や悩み、震災や原発事故などについても、ちょっと違った感覚でとらえることができます。私はこういう視点というか視座というものも実は大切ではないかと思います。
そういう感覚を、最近忘れていたなあと思いました。子どもの頃、毎日夜空を見上げ、望遠鏡をのぞいていた頃の、あの、ある意味「神」のような視点は、今どこに行ってしまったのだろう。その視点を失ったことによって見えなくなってしまったモノもたくさんあるなあ…。
はたして私は生きているうちにベテルギウスの超新星爆発を見ることができるのでしょうか。満月の10倍も明るく輝くというその天体ショーをぜひ見てみたいという気持ちももちろんあります。
しかし、一方で、超新星爆発に伴う、たとえばガンマ線の放射なんか、まあ原発事故の比じゃありませんからね。実際、地球上では超新星爆発によって、多くの地表生物が死滅した歴史があります。
逆に言えば、そういうピンチを乗り切って生き延びてきた(進化してきた)人間という種はすごいですよ。だから、私は放射線問題については、比較的楽観的なのです。
ウワサでは2012年のアセンションはこのベテルギウスの超新星爆発によって起きるとも言われています。ま、それはあくまでファンタジーの世界の話です。しかし、実際にそれが近い将来起きることはたしかであり、また、それは今まで地球が経験したことのない至近距離(たった640光年)での大爆発です。それが可視光線として観測される時には、当然他の放射線も地球に到達するこということですからね。全く影響がないはずがありません。
それにしても、こうした日常の中だからこそ、子どもと一緒にこういう番組を観るというのもいいものですね。いろいろ思い出すこと、気づかされることがあります。
今度久しぶりに家族で星を見に行こうということになりました。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- いかりや長介と立川談志の対話(2024.08.19)
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
- 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』 武内英樹 監督作品(2024.08.16)
- 『大鹿村騒動記』 阪本順治 監督作品(2024.08.11)
- 凪良ゆう 『流浪の月』(Audible)(2024.06.25)
「自然・科学」カテゴリの記事
- 『大鹿村騒動記』 阪本順治 監督作品(2024.08.11)
- 富士山と八ヶ岳のケンカ(2024.08.10)
- 模擬原爆パンプキン(2024.08.09)
- 日向灘M7.1発生〜南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)(2024.08.08)
- 北海道はでっかいどー(2024.08.04)
コメント
お久しぶりです。
もうすぐテストなのに来てしまいました。
「超新星爆発」みてみたいです。
どんな感じなのか興味があります。
そういえば、バンプオブチキンにも「supernova」という曲がありますね。
バンプの藤原さん、小学生の時にこの言葉に出会い、すごい感銘を受けたそうです。
ラジオでそんな事を言っていました。
なんか感動です。
p.s.
「smile」早く返してくださいね。
投稿: 中二病少年 | 2011.06.29 18:41
番組の中でガンマ線などは自転軸付近の方向にしか出ないことが過去の観測から分かっているといっていましたが…
投稿: 観測者A | 2011.08.14 23:24