『王仁三郎と日月神示のひな型神劇』 伊達宗哲 (徳間書店5次元文庫)
それは国際金融資本とイルミナティ崩壊の型だった!
先日お会いした方シリーズ第3弾。この本の著者とこのタイミングでお会いすることになろうとは。
実は3月の中旬にお会いするチャンスがあったのですが、寸前にあの大震災が発生し、3ヶ月ほど遅れることとなりました。
3月に何も起きずお会いしていたとしたら、もちろん今回のような話をすることはなかったでしょう。これもまた運命なのかもしれません。
この本が出たタイミングも実に絶妙だったのかもしれません。昨年の10月です。私もその月に一度読んでいました。内容がこういう内容ですし、実際非常に素晴らしい本だったので、普通ならすぐにこのブログで紹介するところですよね。ある意味自分の専門分野ですし。しかし、どういうわけかそういう気持ちにならず、いつのまにか年を越してしまいました。その後も2回ほど通読し、いろいろ考えていた矢先にあの大地震と大事故が発生したのです。
この本の最後の方には、天変地異が発生し世の中の立て替え立て直しが起きるであろうことが書かれています。もちろん、それは王仁三郎の言葉と日月神示の内容をもとにしたものです。筆者がより具体化したヴィジョンは、東海・東南海・南海の連動巨大地震でした。まあ、これはあの東北の大地震の前としては当然の予想でしょう。私もそちらが先だと思っていましたから。
今思えば、坤(西南)ではなく、艮(東北)の金神が発動したということになるのでしょう。そう、私たちのほとんど全ては、艮の金神のお出ましはもっと先の話だと思っていたのです。つまり、私たちが自らの手で幽閉してしまった「正しい世界」からの警告は、もしかすると自分の生きている間にはないのではないかと漠然と思っていたわけです。それは、私たちが、今の物質文明あるいはマネー文明の中毒的な陶酔状態にもうしばらく浸かっていてもいいかなと思っていたことの裏返しでもあります。
この本でも語られている「現代の神話」においては、その物質文明、マネー文明の象徴が「ユダヤ資本」であり、「フリーメーソン」であり、「イルミナティ」です。
私はいわゆる「ユダヤ陰謀論」に対しては(案外)懐疑的な立場をとっています。現実問題として、これだけ大っぴらに「陰」謀が「明」らかになるのは、それ自体矛盾していると感じますし、世界はそんなに単純ではないという実感もあるからです。
しかし一方で、それを物語論的に解せば、そこに象徴的な自画像が見えてくるのも事実です。「神話」や「物語」とは一つの比喩です。比喩はイメージですから、その情報自体が正しいとか間違っているとかいうのはナンセンスであって、そこから未来へのヒントを得るべき対象なのです。
この本は、そうした複雑怪奇な「現代の神話」を実に見事にまとめ上げてくれています。物語のさらなる物語化とでも言いましょうか。私の中でかなり錯綜していた情報がかなりスッキリ整理されたのです。
伊達さんにもまずはそのことをお伝えしました。整理してくれてありがとうと。伊達さんご自身は、思ったとおり、とても冷静で客観的な方でした。こういう世界に入り込むと、ついつい暴走してしまう人が多いものです。しかし、伊達さんはとても謙虚で慎重でした。
いろいろお話していてお互い妙に共感するところがあったのですが、それには意外な要因がありました。私たちはともに「臨済禅」に触れていたのです。私たちは僧侶ではありませんが、一般人としては禅の思想と実践に比較的触れている方だったのです。
そういう意味では、私たちは「我執」を超えた世界を垣間見てきたわけですね。そうした視点からの現代文明観や王仁三郎観、物語観はちょっと特殊なのかもしれません。
この本を書いた伊達さんの視点は、とても高いところにあります。それを前提に読めば、この優れた「物語」から、私たちは未来への大きなヒントを得ることができるものと信じます。
この大震災と大人災ののち、自らの進むべき道が見えてこない方々には、ぜひこの本を読んでいただきたく思います。もちろん現代の「神話」「物語」として。
近いうちに続編が出るかもしれないとのこと。非常に楽しみですね。
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コメント
震災直前から、あるきっかけで聴き始めた、ポケモン映画「七夕の願い星 ジラーチ」の主題歌「小さきもの」の歌詞も、「行くべき道、指さして」いますね。
投稿: 貧乏伯爵 | 2011.06.19 11:36