往きて還らず…追悼 団鬼六先生
昨年10月小向美奈子を…
接心で一晩世間から離れておりました。そして帰還すると訃報が…。
団鬼六先生。私が師と仰ぐ数少ない「昭和のバカ(天才)」の一人がまた幽なる世界に帰られました。残念でなりません。
団先生への思いはこちら『快楽なくして何が人生』の記事をご覧下さい。「人生の課題図書」…もう一度読み直しみたいと思います。
実際にお会いすることは叶いませんでしたが、不二草紙にもご訪問いただいたり、Twitterでフォローを返して下さったりDMを下さったり(もちろん皆さんにそうされているのでしょうが)、そんなところにも師匠の温かさを感じていたところでした。
何事かを貫くことは、世間から見るとバカに見えたり、狂っていると思われたりするものです。そう思われても、肚を据え、肚をくくり、筋を通し続ける。そういう力が、平成の世の我々には欠けているような気がします。だから何も残せない。日々のリスクを避けることばかり考えているから、想定外の事態に対応できない。泰然と人生に対峙できない。それがまた潜在的な不安を生む。人も離れていく。
団鬼六先生、そういう意味では本当に強靭な志を持った「狂人」でした。
DMで送って下さった画像がこれです。「一期は夢よ ただ狂え」。
遺作となった「死んでたまるか」にも象徴されている通り、先生の「生」への執着はすさまじいものがありました。
接心すなわち仏教はそうした「執着」を捨てることを目標としているわけですが、お釈迦様自身もそうであったように、実際には「執着」や「煩悩」や「欲望」や「快楽」を極めなければ、それを捨てることはできないわけですね。
そういう意味では団先生や赤塚先生は、今「ブッダ」になっているのでしょう。生きるのも死ぬのも「命懸け」でなければならないのです。見習わなければなりません。
命しかない。けれど、命がある。これが希望である…団先生のブログの最後の記事、ぜひ皆さんにも読んでいただきたい。4月10日、隅田川で最後の花見をされたそうです。その日にお書きになった絶筆です。本当に最後まで「生」への執着を捨てない方でした。そして、それは御自身の「生」だけでなく全ての生命の「生」に対する執着だったのです。
団鬼六ブログ「徒然なるままに」より
日本人は決してへこたれない、立派な国民だ。
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コメント
今回の記事で真っ先に思い浮かんだのは、先日の武田邦彦先生のブログでした。↓
「子らよ・・・」
http://takedanet.com/2011/05/post_29ef.html
武田先生も団先生も漢(おとこ)ですね。この比類無き絶望の中でさえ光明を見いだし、「立ち向かえるはずだ。」と背中を押してくれます。タフだなぁ。
PS.「一期は夢よ ただ狂え」ではないでしょうか?
投稿: LUKE | 2011.05.09 00:36
おお!
何より書かねばならぬことを書き忘れるとは!
団鬼六先生、大変お世話になりました。合掌。
投稿: LUKE | 2011.05.09 00:42
LUKEさん、どうも。直しておきました。
それにしても、最近の男は(私も含めて)軟弱ですねえ。
生徒を見ているとなんだか情けなくなりますよ。
女は相変わらずタフですが…(苦笑)。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2011.05.09 05:53